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ナイフ - 続編 - [フランスのモノ]

  Limonadier(リモナディエ)という型のソムリエナイフ。
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 雑誌でパリのカフェのギャルソン御用達として紹介されていた店で、かれこれ10年以上も前に購入したもの。オーブラックの男たちが仕事で使っていたナイフと似ていますが、刃はふた回りも小さくなり、膨らんだ牛のお腹を刺す目打ちもなくなっています。そして、新たにビールの栓抜きのようなものがくっ付いています。

 オーブラックの男たちはスペインに出稼ぎに行きましたが、パリに移り住んだ者もいました。そこでもやはり屈強な肉体をいかして、もっぱらお風呂用の水の配達をして生計を立てていたそうです。あのパリのアパートの階段を上って重たい水を運んでいたのでしょうか。普通の人なら一回でぎっくり腰になる.....というより、階段を一段も上がれないかもしれません。
 しばらくするとその水が石炭に変わります。配達はこんな感じ?
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 50キロの石炭袋を肩に担いでいたらしいので、ちょとやそっとの重さではなかったようです。
 彼らは、さらに自分の店でレモネード、ワイン、コーヒーなどの飲み物を客に出すようになり、bougnat(ブニャ)やlimonadier(リモナディエ)と呼ばれるようになります。これが後にカフェやビストロになっていきます。

 オーブラックのナイフはこの変遷の中で形を変え、新しく生まれ変わっていったのかもしれません。

 limonadierは、今では清涼飲料水の製造者や販売者、また喫茶店の経営者を意味する言葉になっています。そして、ソムリエナイフの一つの型としても定着しています。

 つい最近までbougnatだった店の写真が下記のサイトに。

 コラム右上の写真:店先の石炭をつんだトラック
 そのすぐ左下の写真:倉庫に積まれている石炭
 一番下の写真:カウンターやお客がくつろいでいる様子

 この店はパリ11区のEmile-Lepeu通りに今もありますが、現在はビストロに変わっています。お店のサイトは下記のとおり。


 2004年まで石炭を売っていたらしく、ここが最後のbougnatだったとのことです。店の赤いカウンターは今も昔のままだそうです。電球の絵をクリックすると写真が見られます。行ってみたくなりました。
 Google Earthで場所が確認できます。Paris rue Emile-Lepeuと入力して検索をかけます。どんどんズームしていくとコーヒーカップのアイコンが出てきます。お店の名前は「Carbone 14」。ストリートビューで見つけて下さい。

 


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