ミシュランとブリヂストンと産業スパイ [トピックニュース]
2007年3月末、ヨーロッパの大型車部門の責任者としてミシュランで7年間勤務してきたマルワン・アルバッシュ(34歳)は突然、会社を辞める。
同年7月、アルバッシュは偽名を使ってミシュランのライバル会社の一つであるブリヂストンにメールで連絡を取り、新製品に関する機密情報を100,000ポンド(約1500万円)で買わないかと持ちかける。(アルバッシュはミシュランを辞める際に自身のパソコンにあったデータや資料を自宅に持ち帰っていた)
話をもちかけられたブリヂストンは、非常に紳士的な対応を取った。すぐにミシュランに連絡を入れたのだ。
ミシュランのセキュリティの責任者たちは「Fukuda」という名前を使い日本人になりすまし、偽名を使って連絡してきたこの元社員の特定に成功する。(アルバッシュは餌で釣るように、わずかだが情報の一部をFukuda側に渡している)
2008年1月9日、ミシュランはアルバッシュを告訴する。
ミシュラン側が、新製品の開発過程に関する情報の漏洩は企業に多大な損害をもたらすと主張しているのに対し、アルバッシュ側は、最終的に相手方に決定的な情報は渡っていないのだからミシュランはいかなる損害も被っていない、さらにこれはアルバッシュにとってちょっとした遊びのようなものだったと主張。
今週月曜日の5月3日、予審が行われ、18ヶ月の禁固刑(ただし12ヶ月の執行猶予付き)に罰金10,000ユーロ(約130万円)が求刑された。判決は6月21日に言い渡される。判事の審議によっては、10年の禁固刑に最大で15万ユーロ(約1,900万円)の罰金刑がくだされる可能性もある。
因に、これはフランスの民放テレビ局TF1のプライムタイムのニュース番組で報道されました。
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