塩味のラム肉 [フランスのグルメ]


パリ→モン・サン・ミッシェル(車で4〜5時間)
モン・サン・ミッシェル近郊には、潮の影響で塩分を含む1400ヘクタールほどの平地が広がっていますが、ここにはこの土壌に適合した植物が棲息しています。
Puccinellie Salicorne Spartina
これらの草を食べているのが、ここで放牧されている、頭と足の黒い羊です。草から羊の体内に塩分が吸収され、塩味の肉が出来上がります。この放牧は、モン・サン・ミッシェルの修道僧によって昔から行われていたそうです。映像に出て来るロズ=シュル=クエノン(Roz-sur-Couesnon)では、3,600頭の羊が放牧され、この種の羊肉の最大シェアを誇ります。
映像は→こちら
食用となるのは子羊です。今年の6月、畜産農家等の努力の甲斐あって、"Agneau Prés-Salés"(アニョー・プレ=サレ)(“プレ=サレの子羊”)は正式な銘柄として認められることになったばかり。これからは、"Agneau Prés-Salés"のラベルを付けて販売するには、一年間のうち250日は必ずこの草原で放牧されていた子羊の肉でなくてはなりません。それ以外はこのラベルを付けて売ることはできません。
Agneau Prés-Salésは、香辛料や香草などは使わず、焼いた時の肉汁で食べるのが良いそうです。レストランのお客さんは、やわらかくて風味があって美味しいと言っています。
正式な銘柄として認められたとは言え、羊を育てる農家は年々減少しています。今では10軒ほどしか残っておらず、30年前に比べると半分になってしまったそうです。牧草地は今の2倍の羊を放牧できる広さがあり、希望者があれば喜んで受け入れるそうです。
羊のチーズ、ヤギのチーズが好きです。
このあたりの特産もあるのでしょうか?
ノルマンディー地方へは、いつかいきたいです。
by orange (2010-07-01 01:16)
carotteさん、フランスの食材に関する記事が続いているので、わくわくしながら読ませていただいています。今までに買ったフランス料理、食材、レストランなどに関する本を引っ張り出して、復習しています。とても参考になります。
サン・マロからモン・サン・ミッシェルへ行く途中で、生きているプレ・サレは何度も見たことがありますが、プレ・サレは未だ食べたことがありません。
by wattana (2010-07-01 06:16)
orangeさん
このあたりの羊はどうも食用のようで(羊そのものを食べる)、チーズについての情報はあまり出てこないみたいです。
ノルマンディは数回行ったことがありますが、ディエップからオンフルールまでの海岸沿いに車で旅行した時のことがいちばん印象に残っています。いいところですよね。
by carotte (2010-07-01 12:26)
wattanaさん
TF1は本当に気前の良いテレビ局です。こういう番組をオンデマンドなどにしないで自由に見せてくれますから。
AOCを獲得したというプレ・サレ子羊は食べてみたいですね。ただ、このプレ・サレの羊は、この地域だけではなく同じような土壌の地域でも生産しているようなので、ラベル問題はどうなるのかななんて気になります。
by carotte (2010-07-01 12:47)
carotteさん、おはようございます。TF1の映像に出てくる顔と足が黒い羊は、サフォーク種という食肉として適しているという品種(肉用羊)です。このサフォーク種は日本でも食用として飼養されていますが、生まれたばかりの赤ちゃん羊は全身が真っ黒です(岐阜県中津川市にサフォークを使用している牧場へ去年の春行った時に初めて知りました)。
記憶が定かではありませんが、私がモン・サン・ミッシェルへ行く途中で見た羊は全身が真っ白だったような気がします。
by wattana (2010-07-02 06:30)
wattanaさん
サフォーク種というんですね。そう言われると、フランスで見る羊はほどんどが全身白かったような気がします。でも、子羊はよく食べているみたいですから、この種類の羊があちこちで放牧されていても不思議ではないですね。
by carotte (2010-07-02 14:08)