塩バターキャラメル [フランスのグルメ]
塩バターキャラメルと言えばアンリ・ル・ルー。東京にお店が4つもありますが、本家はブルターニュ地方のキブロン(Quiberon)にあります。あのベル・イル行きの船が出ているところです。
しかし、今回登場するのはアンリ・ル・ルーではなく、カンカルの三ツ星レストラン"Maisons de Bricourt”のオーナーシェフだったオリヴィエ・ロランジェ(Olivier Roallinger)です。
オリヴィエ・ロランジェは1984年にミシュランの最初の星を、1988年に二つ目の星を、2006年に三つ目の星を獲得しますが、2008年末にはあっさりとその店を閉めてしまいます。体力的に続けて行くのが厳しい(当時53歳)、新しい人生を始めたい、というのがその理由でした。現在は同じ場所でLe Coquillage au Château Richeuxというレストランを開き、これまでとは異なり、シンプルな中にも健康的で豊かで品の良さのあるものを追求しているそうです。
カンカル
(Cancale)
パリ→サン・マロ(列車で3時間強)
サン・マロ→カンカル(10番バスで35分ほど)
モン・サン・ミッシェルの湾は、東のグランヴィル(Granville)と西のカンカル(Cancale)の2つの点を海岸線が結んでいるところにあります。カンカルの海岸の丘に立ち視線を遠くにやると美しいモン・サン・ミッシェルの姿が見えてきます。
この地で生まれたオリヴィエ・ロランジェは、スパイスのスペシャリストでもあります。今回は、塩バターキャラメルに彼自身が調合したスパイスを加え、独自のキャラメルを作る現場を見せてくれます。
映像は→こちら
作り方は、まず砂糖を熱し茶色に色づいたところで(この加減が難しいそうです)、バターを入れます。そこに、特製のスパイス(粉末のショウガ、コショウ、カルダモン、クローブ、シナモンを混ぜて粉末にしたもの)とバニラを入れ暖めた生クリームを加えます。
こうしてできあがったのが"Caramel au beurre salé et aux épices"です。
ロランジェは、「塩バターキャラメルには昔からバニラを入れていたし、もっと他のスパイスもいろいろ入れてもいいんじゃないかと思った。特に、この地域は港町で、様々なスパイスが入って来たからね」と言っています。
カンカルから西10キロほどのところには、海賊や私掠船で知られたサン=マロという港町があり、インドから多くのスパイスが入って来たと言います。
上記の5つのスパイスは我が家にもありますが、これらが合わさって、しかも塩バターキャラメルと一緒になったらいったいどんな味がするんでしょう?
carotteさん、おはようございます。今朝もとても興味深い話題なので、うれしい限りです。
私は、オリヴィエ・ロランジェさんのレストランへ行ったことはありませんが、とても親近感があります。というのは、私が利用するフランス料理店のオーナーシェフ(お二人)がオリヴィエさんと接点があったからです。お一人は、オリヴィエさんが「メゾン・ド・ブリクール」を立ち上げた時にお手伝いをした方で現在、岐阜県多治見市にフランス料理店を構えていらっしゃいます。そしてもう一人は、1990年代後半に「メゾン・ド・ブリクール」で1年間働いていた方で現在、名古屋市内でフランス料理店を営んでいます。
オリヴィエさんの塩バターキャラメルは、香辛料使いで他者を卓越するオリヴィエさんらしい一品だと思いました。カンカルへ行って食べてみたいくなりました。
by wattana (2010-07-03 07:24)
お近くにそういう方がいらっしゃったんですね。
wikipedia(仏版のみ)によると九死に一生を得て料理人の道を極めた方のようです。ご本人のHPを見ると、カンカルとサンマロに様々な香辛料を集めたお店というか収集室のような施設をお持ちで、訪問者がそれらを見学したり購入したりできるようになっているようです。
ひとたびこのスパイスの世界に足を踏み入れると、数限りない探求の道があちこちへとの伸びているのかもしれません。
by carotte (2010-07-03 11:59)
奥深いですね。
フランスはやはり香りの国だと思います。
アルルのプラタナスの下の市場でも、コルマーの細い露地でも
香りが常に一緒にあった記憶があります。
by orange (2010-07-03 21:33)
orangeさん
そうかもしれませんね。
香りでフランスに来たなあと実感する時がよくあります。
そして、香辛料は魔法の粉みたいなところがありますね。
by carotte (2010-07-04 00:19)