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中世の城塞を訪ねて その3 〜オラン城〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 本日も中世の城塞シリーズです。

 三日目はフランス北部のアルトワ地方にある城塞を訪ねます。この地方の典型的な様式で作られた城塞だそうです。

Paris_Olhain.jpg

        パリ→アラス(Arras)(TGVで50分)

        アラス→オラン城(約24キロ 車で25~30分)


13〜15世紀のものとされるこの城塞は、

岩の上や岩壁ではなく、草原の中に立っていますが、

周辺の農民を外敵から護るために作られました。

Olhain1.jpg
photo by Pir6mon (from Wikipedia)  

 

 お堀に囲まれた美しい城塞は、農場と城の二部構成になっています。一部埋め立てられている堀には二つの橋がかけられていますが、一つは城塞へのアクセスのため、もう一つは城と農場(家禽飼育場)をつなぐためのものです。この城塞に入るときは、まず最初の橋を渡って農場に入り、2番目の橋を渡って城に入ります。

 

 建物には数世紀にわたってあちこち手が加えられていますが、中世の面影はしっかりとどめています。

 

 また、19世紀に作られた礼拝堂もあり、入場者は、この礼拝堂、パン焼き窯、地上30mにある塔、大広間を見学したり、お堀端を散策したりすることができます。

 ここに入場できるようになったのは1954年から。なにしろ城塞の維持にはお金がかかります。そのために見学者を受け入れることにしたのだそうです。

 

 塔の上からは、城塞の敷地全体やオランの村を見渡すことができます。

 

映像は→こちら

 

 最初の城は12世紀頃に建てられ、その後、要塞が作られ、城の所有者が変わるたびに様々に手が加えられました。


 1900年になり、この城塞は競売にかけられ民間人のものとなります。管理をまかされた人物が熱心に城塞の修復と維持に取り組みます。

 映像に出て来た女性のお祖父さんがその人物です。自分でペンキを塗ったりしていたそうです。

 

 ここには「三銃士」に登場するダルタニアンの亡骸が葬られているという伝説がありますが、確たる証拠あるわけではなさそうです。

 

Château d'Olhain

62150 Fresnicourt-le-Dolmen

e-mail: infos@chateau-olhain.com

Tel. 01 39 18 33 14


オープン:4月1日~6月30日 & 9月1日~10月31日

     日祝のみ15:00~18:30

                7月1日~8月31日 

土日のみ15:00~18:30

料金: 大人 €4.00

         12歳以下の同伴の子供:無料

見学時間:約1時間15分 

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

「今日、PCのキーボード左側より蟻が侵入し、パンのかけらをくわえて右側から出て行った」


VDM (Vie de merde)より

 



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コメント 10

Jerry

さすが城塞というだけあって、すごい造りですね。
by Jerry (2010-08-20 23:43) 

kazenotomo

こうゆう城に住んで見たいものです。メンテナンスが大変だろうけど・・・・
by kazenotomo (2010-08-21 00:06) 

carotte

Jerryさん
中世のお城はロワールのお城とはだいぶ異なりますね。
敵の侵入を防ぐといのが第一だったのかもしれません。
by carotte (2010-08-21 09:19) 

carotte

kazenotomoさん
田園の中にあって、農場もあって、住んでみたいなと思わせるお城ですよね。あちこちガタが来ているでしょうから、維持はそうとう大変かもしれません。
by carotte (2010-08-21 09:23) 

opas10

とても美しい状態で維持されていて、管理している人の愛情が感じられます。フランス人のつぶやき、アメリカ人のキーボードだったら蟻がポテチをくわえて出てくるんでしょうね(笑)。
by opas10 (2010-08-21 12:21) 

carotte

opas10さん
蟻にとっては、キーボードの中にはお宝が潜んでいるのかも。
このお城の管理人さんは、歴史的文献なんかも調べているようなので、このお城にかなり入れ込んでるみたいです。
by carotte (2010-08-21 18:57) 

wattana

carotteさん、おはようございます。
フランスって広いですね。行ったことがない地方がまだまだあります。
フランスの北部も未だ行ったことがない地方です。ただ、10年以上前にパリ北駅からTGV北方線を利用して、ブラッセル経由でゲントとブルージュに行ったことがあります。パリを離れてしばらくしたとき、時速300kmを超え、ブザーかチャイムが鳴ったことを思い出しました。
by wattana (2010-08-22 07:34) 

carotte

wattanaさん
もう20年近く前ですが、私も同じルートでベルギーに行ったことがあります。TGVはまだ300キロを超えてなかったみたいです。
このブログに出て来たアラスには数年前に一度行きましたが、建物がベルギーでみかけるようなギルドハウス風になっていました。やはり影響がちょっとずつ出てくるんだなあと思ったものです。
by carotte (2010-08-22 10:53) 

RobertCole

なんだかちょっと可愛い感じもして。
でも城壁と呼ばれるからには戦いの歴史もあったんでしょうか?
by RobertCole (2010-08-23 21:22) 

carotte

RobertColeさん
映像によると、殺された兵士の亡霊が出るとか出ないとか。でも、この城自体は、近隣の農民を護るという目的のせいか、農場が一緒についてたりしますから、わりに好感が持てますね。
by carotte (2010-08-23 21:42) 

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