カスレ [フランスの郷土料理]
今日は、EuroVeloをお休みして地方のグルメを紹介します。

カソル(cassole)と呼ばれる土鍋で作る煮込み料理
フランス南部ラングドック地方の料理です。
白いんげん豆をやわらかく煮たものの中に、ガチョウまたはアヒルのコンフィ、ベーコン、豚皮、豚のすね肉、ソーセージ、子羊、ヤマウズラ(鳥)などが入っています。トマトやセロリ、にんじんを入れる場合もあるそうです。そして、一緒にいただくワインはその土地のワイン(Fitou、Corbière、Minervois)。
しかし、カスレの中身を何にするかについては、3つの町(カステルノダリ、カルカソンヌ、トゥールーズ)の間で論争になっています。それぞれが、「これをいれるのが本物のカスレだ!」と言っているわけです。
今日取り上げるのは、中でも一番有名なカステルノダリのカスレです。この地域では、ロラジェ産の白いんげん豆の中に、ガチョウのコンフィ、豚のすね肉か肩肉、ソーセージ、豚皮、にんじん、ねぎ、セロリの葉を入れます。そして、パン焼き釜の中でMontagne Noire(黒い山)と呼ばれる山岳地域に棲息する植物ajoncを燃やし、そこにこのカスレを入れて焼き上げます。
カステルノダリでは、今年の8月23日~29日に第11回カスレ祭りが開かれました。テントのお食事所では、カスレを食べに来たお客さんが列を作って順番を待っています。ではお祭りの様子をご覧ください。
映像の中で、カスレを作っていたのはHôtel du Centre et du Lauragaisにあるレストランのシェフです。とろけるくらいに煮込んだ白いんげん豆を土鍋に入れ、そこにアヒルのコンフィ、ソーセージ、豚のコンフィを加え、野菜を煮込んだスープを上からかけます。このスープが他とひと味違うのだそうです。これをオーブンに入れ焼いたらできあがり。
お祭りの間、2万杯ものカスレが作られるそうです。
一説によると、カスレは百年戦争(1337〜1453年)の頃にカステルノダリで生まれたとされています。イングランドの占領下で、食料に困った人々が手に入るあらゆる食べ物(乾燥インゲン豆や肉)を集めて巨大な煮込み料理を作り、この煮込み料理を食べた兵士たちがイングランド軍を撃退したと伝えられています。
しかし、これは後の人によって作られた美談のようです。というのも、南アメリカ大陸が原産のインゲン豆は、当時、まだヨーロッパにはなかったそうです。
とは言うものの、残り物を使って力のつく料理を作ったという点は作り話ではなさそうです。今では、手持ちの肉や野菜を煮て食べていた昔の農民の料理がその起源だと考えられています。
次回はEuroVeloの続きの予定です。
「今日、僕の部屋で女の子と映画を見ていたら、母が部屋に入って来た。母は『ごめんなさい』と言いながら慌てて出て行くと、父にこう言っていた。『あなた、安心して。あの子はゲイじゃないわ』」
VDM (Vie de merde)より
美味しそうですね。
ドイツにもEintopf(アイントップフ)という煮込み料理が
あります。なんでもかんでも一つの鍋に入れて煮る料理です。
作り方は違いますが…
赤ワインが美味しそう!友人がラングドックの赤は格別と
言っておりました。
by orange (2010-09-02 01:59)
orangeさん
Eintopfおいしそうですね。一度食べてみたいです。
フランス南部では葡萄の収穫が始まったところもあるようです。今年は美味しいとか。でも、毎年、「今年は美味しい」と言っているような気もしますが.....。
by carotte (2010-09-02 08:40)
美味しいものを食べているとニコニコ顔になるのは万国共通ですね。赤ワインとカスレの組み合わせは実に美味しそうです。
by opas10 (2010-09-05 00:23)
opas10さん
大人も子供も、旨い!超旨い!って、口を揃えて言ってます。
幸せってこんなことを言うんでしょうね。
by carotte (2010-09-05 10:37)