コレーズ県の小さな村 その2 〜ル・サイヤン〜 [リムザン地方]
今日は、コレーズ県の小さな村シリーズの二回目。
少し北に上がって、ル・サイヤンという村を紹介します。
ル・サイヤン
(Le Saillant)

フランク王国メロヴィング朝の時代(5世紀終わり)、つまり、初代フランス国王と言われるクロヴィス一世の時代からある、長い歴史を持つ村です。
9世紀には、このシリーズの一回目に登場したボーリュ=シュル=ドルドーニュの修道院の領地でしたが、14世紀になってGuy de Lasteyrie du Saillantという人物の領地になります。村にあるミラボー城(又はサイヤン城)はこの時代のものですが、ここには12世紀につくられた塔の遺跡が残されています。
また、村を流れるヴェゼール川には、16世紀に作られた6つのアーチのある美しい橋が架かっています。
サイヤン橋 Photo by Père Igor (from Wikipedia)
そして、17世紀前半に建てられた村の礼拝堂には、シャガールのステンドグラスがあります。
礼拝堂 シャガールのステンドグラス
(シャガールをクリックすると大きい写真が見られます)
これからご覧いただく映像の中で、古い二階建ての家が登場します。二階部分が住居、一階はワインの大樽を貯蔵しておくための倉庫、一階と二階は外の階段でつながっています。かつて村はワインの産地でしたが、1880年頃、害虫フィロキセラによって、ぶどう園が壊滅的な打撃を受けてしまいます。
映像は→こちら
ここでは、2003年頃から、ワイン生産の再生をめざして活動が開始されています。フランスのワイン地図に再登場する日も近いかもしれません。
映像の終わりの方で登場した女性は、Guy de Lasteyrie du Saillantの子孫です。
「今日、ブルターニュ旅行から車で戻る途中、新しく手に入れたGPS機能付き携帯を試してみることにした。わざと田舎の道に迷い込んで道が分からなくなったところで携帯を見ると、『位置が確認できません』と言う。これからどうしたらいいの???」
シャガールのステンドグラス、素敵ですね。
フランス人のつぶやき、新宿で同じような状態になった事があります(現在地は不明だが、明らかに駅周辺ではないのに駅にいると表示されている・・・)ので、超共感。
by rabbitnose (2010-09-09 02:22)
綺麗な村ですね。映像、また後ほど拝見します。
いつも楽しみにしているんですよ。
娘が「なんでフランス語聞いているの」って。
なんとなく心地よいです。
GPS、街中では機能しますが自然が相手となると…
by orange (2010-09-09 08:48)
rabbitnoseさん
シャガールのステンドグラスがこんなところにあるとは思ってもみませんでした。でも、考えてみると結構あちこちにありますね。
GPSは使ったことないんですけど、やっぱりそういうことあるんですねえ。
by carotte (2010-09-09 19:01)
orangeさん
自然がいっぱいのところのようです。
楽しんでいただけて嬉しいです。
あのフランス語の響きに引き付けられて、ここまで来てしまいました^^;
by carotte (2010-09-09 19:10)
石造りのアーチ橋が実にキレイですし、現役で使われているところがいいですね。日本だとすぐに土建屋政治でおかしな建物や橋ができちゃいそうですが(笑)
by opas10 (2010-09-12 11:45)
opas10さん
この橋の中ほどには、くちばしのように川にせりだした部分があって、なかなかおしゃれな作りになっているのですよ。
by carotte (2010-09-12 19:04)