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コレーズ県の小さな村 その3 〜セギュール=ル=シャトー〜 [リムザン地方]

 今日は、小さな村シリーズの三回目。
 さらに北へと上がったところにある、フランスで最も美しい村の一つに登録されているセギュール=ル=シャトーです。

France_Correze.jpgcorreze3.jpg

セギュール=ル=シャトー
(Ségur-le-Château)
Ségur_le_Château.JPG
(写真の左上に城跡が見えます)

 村は、蛇行するオーヴェゼール川の中州にあります。人口は2007年の時点で228人。

 この村の歴史も古く、6世紀にまでさかのぼります。当時、ここは、熱心に福音活動をしていた聖Arediusの領地でした。9世紀以降は子爵領になり、その間、百年戦争で一時イングランド領に、戦後はフランス王の直轄地になったりと様々に領主が変わります。


 村には城塞の跡が残されています。セギュール城と呼ばれるこの城塞は、最初は子爵の住まいとして9世紀に建てられますが、10世紀の後半にはリムザン地方の主な要塞の一つとして強化されます。18世紀頃に描かれた絵には、その完全な姿が残っています。

château_now.JPGChateau_18eme.jpg

現在のセギュール城跡         18世紀に描かれたセギュール城


 また、あちこちに国の歴史的建造物に指定されている古い建物も残されています。

maison_Henri_IV_Boyer.JPGmaison_15e_avec_tour.JPG

15世紀に建てられた家々

映像は→こちら

 映像に登場した5階建ての塔のある建物(サン=ローラン塔)は16世紀に建てられたもので、現在アメリカ人の建築家が所有しています。
tour_Saint_Laurent.JPG
サン=ローラン塔

 村にはレストランや軽食店はありますが、主婦にとっては村に一軒だけある商店が社交の場になっているそうです。

 この村は、Googleマップでストリートビューが楽しめます。上記地図の黄色く色付けされている道路がそれに該当します。試しにバーチャルで歩いてみましたが、村の端から端まではあっという間でした。ほんとに鄙びた小さな村のようです。

 こんな小さな村に、どうしてこんなりっぱな建物が残されているかと言うと、昔、ここには上級裁判所があったからなのです。かなり広い地域をカバーする裁判所だったらしく、上告する人々がおおぜいこの村に滞在したそうです。

 そして、ここには思わぬ地方の特産物がありました。豚です。努力の甲斐あって、この豚の肉はおいしいと評判になっているそうです。必死に餌を食べていたあの豚くんたち、いずれはお肉になってしまうんですね。



******** フランス人のつぶやき *******

「今日、片田舎の小さな村に妻と二人で住んでから5年になる。こういうところでは噂というのがすぐに伝わるもので、54歳の農業をやっているミシェルと道で会ったら、私の妻が双子を妊娠したと教えてくれた」


VDM (Vie de merde)より


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コメント 7

rabbitnose

美しくて素敵な町ですね。ちょっと住みたくなりますが、フランス人のつぶやき的なことがリアルにおきてそう・・・w
by rabbitnose (2010-09-11 03:01) 

wattana

Carotteさん、おはようございます。
今回の映像に出てきたツートンカラーの放牧豚、とても興味があります。フランスで生豚(生きた豚)を何度も見たことがありますが、この畜種(Cul noir Limousin ?)は初めて見ました。フランスの豚肉の主要産地はブルターニュで、日本が輸入しているフランス産豚肉はほとんどがブルターニュ産のはずです。ただ最近は、ピゴール豚porc noir de biggore、バスク豚、バイヨンヌ豚といった地名を冠した豚肉も少量ですが、高級食材として輸入されているようです。
by wattana (2010-09-11 09:59) 

carotte

rabbitnoseさん
住むとなるとちょっと大変そう。
でも、アメリカ人の建築家とか他の土地から移り住んだ人もいるようなので、居心地がいいのかもしれません。
by carotte (2010-09-11 11:30) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
珍しい模様の豚ですよね。フランス語版のWikipediaに詳しく出ています。cul noir limousinで出てきます。
この地域の豚だそうです。大量生産の時代になって、取り残され絶滅しそうになったのを食い止めたとか。栗を食べさせて太らせるとあるので、あの白い粉は栗の粉???これが伝統的な飼育法なのだそうです。脂肪の割合が大きいそうです。
by carotte (2010-09-11 11:40) 

wattana

carotteさん、情報をありがとうございました。
放牧で栗を食べさせて飼養している Porc cul noir に目をつける日本のフランス食材業者/輸入食肉業者がいるかもしれませんね。常に目新しい食材を探しているからです。
by wattana (2010-09-11 16:58) 

orange

のどかなフランスの田舎の風景を拝見して
いつも"ホッ”と一息ついています。
今日の映像も格別ですね。
イペリコ豚はドングリですが、こちらは栗なんですね。
丸々としていますね^^美味しそうです。

フランス人のつぶやき…今回のもヒットですね。
いかにも!と思いました。
by orange (2010-09-11 21:02) 

carotte

orangeさん
ほんとに静かでのんびりとした村のようです。
最も美しい村にも登録されているし、名物の豚もいるし、なかなか前途有望な村です。でも、あまり観光地にならない方がいいですね。
「つぶやき」は、ブログの話題に合わせて面白いのを選んでいますが、これが結構たいへんなんですよ〜^^;;
by carotte (2010-09-11 22:24) 

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