コレーズ県の小さな村 その4 〜サン=ロベール〜 [リムザン地方]
村の人口は、2007年時点で341人。前回のセギュール=ル=シャトーをやや上回ります。
かつてこの村はサン=モーリスと呼ばれていましたが、1793年(フランス革命後)にサン=ロベールという名称に変わりました(サン=ロベールとは、11世紀に活動した聖職者ロベール・ド・チュルランドのこと)。
標高345メートルの丘の上にある村は、サン=ロベール教会を中心に作られています。全体の作りからして、村というより城塞都市のような印象を与えます。
サン=ロベール教会が初めて書物の中に登場するのは1100年頃。交差廊は11世紀、その他は1120年から1140年の間に作られたと考えられています。その後、百年戦争や宗教戦争により要塞化されますが、身廊は破壊され残っていません。残っているのは、交差廊と内陣だけです。
残っているのは太線の部分のみ 内陣
補強された交差廊 防衛用の塔が取り付けられた後陣
(手前にあるはずの身廊は破壊され残っていない)
宗教戦争の激しさをとどめる村ですが、丘の下には、素晴らしいパノラマの風景が広がっています。
映像は→こちら
パン屋さんはシンガポールから移住して来た人で、奥さんはフランス人です。おいしそうなパンが焼けてました。
村の中には領主の住まいとして使われていた建物があちこちに残されています。このうちの一つを別荘として使っている一家は、22世代に渡って使い続けて来たそうです。
美しい村の写真はこちらからも見られます→Saint-Robert
他の地域では建物に花崗岩が多く使われているのに対し、この地域では石灰岩が使われています。前回のセギュール=ル=シャトーと雰囲気がだいぶ違っているのはこのせいのようです。
「今日、私たち家族は地中海の町セットの教会を訪ねました。教会に入ると、5歳になる息子が、片っ端からロウソクの炎を吹き消すとこう叫んだのです。『誕生日おめでとう!!!』」
なるほど、石灰岩!だからちょっと荒々しい感じがするんですね。
今回のつぶやき。かなり好きです。男の子可愛い~ww
by rabbitnose (2010-09-13 03:29)
使われる石で村の雰囲気がだいぶ違ってきますね。
今日のつぶやきは、かわいらしいのを選んでみました。
by carotte (2010-09-13 10:17)
carotteさん、こんにちは。
carotteさんがご紹介してくださるフランスの小さな村はどこも活気がありますね。人口が数百人の村に住んでいる人が生き生きとして生活している、とてもすばらしいことだと思います。
by wattana (2010-09-13 17:16)
wattanaさん
フランスって不思議な国だなと思います。
どの人も贅沢をしているわけでもないのに、なんだか豊かな暮らしぶり。どうやったらこんなふうに暮らせるのかなといつも思います。
by carotte (2010-09-13 19:05)
こんな穏やかで美しい村も、昔は激しい戦火の中にあったのですね。歴史の教科書では習ったものの、近代以前の欧州における宗教の重みを改めて感じました。
by opas10 (2010-09-19 11:01)
opas10さん
こういうものが残っていると、激しい戦いの様子を想像してしまいますね。ご本尊のある内陣だけは守るぞという感じだったのかもしれません。
by carotte (2010-09-19 16:45)