フランスの遺産を巡る その2 〜カンタル県の十字架〜 [フランスのお宝]
ヨーロッパなど、田舎を歩いているとお墓や教会でもないのに、通りや広場に十字架が立っていることがあります。今日はそのような十字架のお話です。
この街角に十字架を立てるという行為は、もともとはキリスト教の布教のためであり、中世の時代にさかんに行われました。最初は、先史時代に立てられた石(メンヒル)の上に十字架が置かれました。
これが時代とともに独自に土台からつくられるようになり、木、石、鉄など、素材も形も様々になっていきます。
そして、宗教的なシンボルというだけでなく、道しるべや人々を守るという役割も持つようになります。
フランスの山岳地帯にあるカンタル県には、このような十字架が数多く存在しています。
これらは長らく気に留められることもなく、その多くが、時の流れとともに壊れてしまったり、村や町の近代化によって取り壊されたりしました。しかし、近年になってその価値が見直されています。県では、この十字架を見学するガイドツアーも実施されるようになりました。また、壊れかけた十字架の修復も行われています。
映像は→こちら
現在、この地域にはこの手の十字架が約3,000ほどもあるそうです。この中のいくつかは12世紀頃までにさかのぼります。ペストが流行したときにもさかんに作られたそうです。
おばあさんの話によると、昔は教会を一周して祈りを捧げると、子供たちが籠に入れた花を十字架に投げて祝福したそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、自動車教習所で、私が車に乗る前に、教官が十字を切っているのを見てしまった」
VDM (Vie de merde)より
おばあさんの話、フランスっぽくて素敵ですね。光景が目に浮かびます。
by rabbitnose (2010-09-18 11:45)
rabbitnoseさん
そうですね、お花を投げるところなどはきれいだったでしょう。
昔は皆、信心深かったんでしょうね。
by carotte (2010-09-18 17:36)
日本の道祖神みたいな感じですね。
旅人の安全を祈りつつ、地域の人が建立し守り続ける。
運転教習所はフランスもドイツと同じでしょうか?
学科を受けている教室(店舗)の前に教習車が駐車してありますね。
日本のような敷地はありませんね。
いきなり路上!!><;とビックリしたものです。
by orange (2010-09-18 21:41)
orangeさん
ほとんど道祖神と同じですね。
教習所に関してはフランスとドイツはどうも同じようです。
車に乗る前に何時間か教室での学習があり、その後、路上です。
面白いのは、免許の更新がないことです。若い時に撮った写真がずっとそのまま免許証に貼り付いたまま。
by carotte (2010-09-19 00:00)
本題とフランス人のつぶやきが見事にシンクロしていますね(笑)
by opas10 (2010-09-19 11:25)
opas10さん
はい、できるだけ関連のあるものを選んでいます。^^¥
by carotte (2010-09-19 16:57)