フランスのバスク地方 その4 〜プロット〜 [バスク地方]
細長い籠はシステラ(chistéra)と呼ばれるもので、テニスで言えばラケットのようなもの。しかし、このゲームでは片手にヒモでくくり付けて使います。丸いボールはプロット(pelote)といい、芯になる丸い柘植の木(直径20~36㎜)に、順に、伸縮性のある糸(ラテックスなど)、純毛の糸、コットンの糸を巻き付け、最後に山羊の皮でくるんだものです。
これらを使うスポーツがプロット(Pelote)です。
プレイヤーはこんな奇妙な姿になります
プロットは、フロントンと呼ばれる前面の壁にシステラでボールを打ち合う競技です。スカッシュに似ていますが、テニスの原型になったと言われるジュ・ド・ポーム(jeu de paume)から派生した様々なゲームが入り交じったもので、地域によっても呼び名が異なります。またシステラではなく、素手で行ったり、卓球のラケットのようなものを使うのもあります。このラケットも様々な種類があり、呼び名も異なります。また、それに合わせてボールの種類も変わってきます。
人口約38,000人の町アングレット(Anglet)には、フランスで最後のシステラを作る工房があります。
映像は→こちら
この工房では、1887年からシステラを作っています。現在は三代目にあたります。
栗の木で骨組みを作ったら、そこに柳の枝を編み込んで行きます。最後に革の手袋を縫い付けてできあがり。
もともとは重たい革の手袋で行われていたプロットですが、1857年に、より軽く、ボールを上手く拾って打つことができるこのシステラが発明されました。
このスポーツ、フランスだけでなく、スペインはもとより、アメリカ、ラテンアメリカ諸国でも行われており、4年に一度、世界大会も開かれているそうです。
バスク地方の旅も次回で最終回になりますが、次回はおいしそうな羊のチーズが登場します。お見逃しなく!
「今日、健康診断に行った。すると医者がこう言った。『率直に申し上げて、体重オーバーですな。何かスポーツをすることを考えた方がよろしい』
こう見えても
私は体育の教師です」
全てが自然の素材を使っていて良いですね。
私も身体を動かさなければ・・・。
by RobertCole (2010-10-02 22:32)
プロットという名前なんですね。
何かの映画でみたことがあるような気がします。
こんな構造だったんですね。
by orange (2010-10-02 23:41)
RobertColeさん
そう言われるとそうですね。全部自然の素材です。
涼しくなったので、スポーツするなら今ですね^^
by carotte (2010-10-03 09:42)
orangeさん
これ、名前がほんとにいろいろらしいんです。バスク語までからんでますからややこしい.....。フランスでは全国的にプロットで通じてるんだと思うんですよ。
なんとフィリピンでも同じようなスポーツがあって「ハイヤライ」と呼んでるそうです。スペインから伝わったんでしょうね。
by carotte (2010-10-03 09:47)
名前は忘れましたが、昔、よく似たおもちゃを持ってました。
形はそっくりのプラスチック製で、丸いところでボールに勢いをつけて、キャッチボールをして遊んでました。
ひょっとしたら、これからヒントを得て作ったのかもしれませんね。
by 島酔潜人 (2010-10-03 13:16)
島酔潜人さん
そんなおもちゃがあったんですね。やはりルーツはこのプロットかも。
この形だとボールを落しにくいですし、勢いもつけやすいような気がします。
by carotte (2010-10-03 18:03)
変った面白い道具を使ったスポーツ始めて知りましたが難しそう~
by マンチ軍団 (2010-10-03 21:07)
マンチ軍団さん
やはり、こんな奇妙なものを振り回してゲームをするためには、少し訓練が必要そうですね。
by carotte (2010-10-03 21:27)
フランス人のつぶやき、いしいひさいちのマンガ「がんばれタブチ君」を思い出しました(笑)。
by opas10 (2010-10-09 12:30)
opas10さん
なつかしいですね、「がんばれタブチ君」。
そう言われるとこういう雰囲気でしたっけね。
by carotte (2010-10-09 18:44)