18世紀の発明 [フランスのモノ]

「キュニョーのファルディエ(fardier de Cugnot)(キュニョーの砲車)」と呼ばれています。
1769~1771年に、フランスの軍事技術者だったニコラ=ジョゼフ・キュニョー(Nicolas-Joseph Cugnot)が大砲を運ぶために製作した運搬車で、世界最初の自動車と考えられています。
動力は蒸気機関。初めてのテスト運転ではブレーキをかけられずに壁に激突。にも関わらず二回目のテスト運転が予定されていましたが、資金援助を受けられなくなり、エンジンは修復されたものの、プロトタイプはそのままお蔵入りとなり忘れ去られました。現物は、現在、パリ工芸博物館(Musée des arts et métiers)に保存されています。
かなり大型で、長さ7.25m、幅2.19m、後輪の直径は1.23m。本体のみの重量は軽く見積もって2.8トン。推進システムである「鍋」と呼ばれた部分は直径が1.5mほど。2気筒の蒸気エンジンで動いたそうです。「鍋」の中の蒸気はすぐに冷めてしまうので一回で走れるのは12分ほど。さらに走るためには、再度、薪でお湯を沸騰させなくてはなりませんでした。時速は4キロほどだったそうです。しかし、当時これだけのものを開発するためには莫大な資金が必要だったと言われています。
今年、この「キュニョーのファルディエ」が、キュニョーの生まれ故郷であるムーズ県ヴォワ=ヴァコンで、忠実にかつ完全に機能する形で復元されました。動いている映像をご覧ください。
映像は→こちら
なんだか蒸気まみれで運転してました。前方視界不良でこの上なく危険な気もしますが、村の人たちは誇らしげでした。よく見ると、ブレーキは当然ながら、バックもできるようです。
地元の職人とパリの学生が協力して3年がかりで完成させたそうです。すべての部品は、キュニョーの設計図どおりに作られました。
「今日、渋滞に巻き込まれた。しばらくすると、私の車がゆっくりとバックし始めたので、焦ってブレーキを思い切り踏み込み、サイドブレーキを力一杯ひっぱったのだが反応なし。なんのことはない、前の車が前に進んだだけのことだった」
たいへんな装置ですね。
こんな車だったらもう街中渋滞でたいへんでしょうね。
雨が降ったら水蒸気モクモクになるのでしょうね。
いつも色々と楽しませていただいています。
ありがとうございます。
by orange (2010-10-19 22:13)
orangeさん
当時の先端技術を実用化しようとしたんでしょうけど、この有様です。12分たったら、薪をくべてお湯を沸かしてからしか走れませんから、歩いた方が早いって話ですね。
by carotte (2010-10-20 00:19)
carotteさん、おはようございます。キュニョーの砲車、どこかで見たような記憶・・・トヨタ博物館に模型が展示されています。
http://www.toyota.co.jp/Museum/data/a03_02_1.html#2
by wattana (2010-10-20 06:22)
wattanaさん、おはようございます。
やはり世界最初の自動車という認識なんですね。
このあたりは議論があるらしいのです。これより一世紀前にベルギー人の書いた自動車と思われる絵が存在していて、これが最初ではないかとか....。
面白いことに、Wikipediaの英語版には、このベルギー人の絵の自動車が一番かもしれないと書いてあり、仏版には、これは実際には作られていないから世界初ではないと書いてあります。日本版は、世界初と認定されていると書いてあります。どれが真実なのやら.......。
by carotte (2010-10-20 10:07)
重量物を運ぶというはっきりした目的がないと、運転する人にとってはタマラナイ車ですね(笑)。ブレーキがかけられず壁に激突(!)、当時はすごいニュースになったのでしょうね(笑)。
by opas10 (2010-10-20 20:51)
opas10さん
こりゃあちょっと運転してられませんよね。
ただ、激突と言っても、時速4キロですから、その程度の激突です。その事故の絵が仏版のWikipediaに出てましたから、やはりニュースになったんでしょう。
by carotte (2010-10-20 22:16)