セーヌ川でパリ見物 その4 〜セーヌ河岸〜 [パリ]



ここに最初の船着き場が作られたのは16世紀初頭のこと。水運による商業(主に食料品の交易)の発展を願って作られました。それからやっと200年後になって、次の船着き場がセーヌ側の両岸に作られます。1870年には、15本の橋がかけられ、水運が発達するにつれ船着き場も増えて行きました。
現代では、静かに読書をする人、歩き疲れて一休みする旅行者、そして口づけを交わすカップルがいたりと、くつろぎの場になっています。
映像は→こちら
1920年にロワイヤル橋とイエナ橋で行われた水上祭の様子を撮影した白黒の古い映像が出てきました。
また、映像の後半では、セーヌ川の水の意外な使い方を教えてくれています。
近隣の公共施設のビルを涼しくするためにこの水が使われているのです。そのシステムが河岸に設置してあり、半年に一度、点検と清掃が行われます。この時の潜水作業で、川底に様々な物、たとえばシャンパンやワインの瓶や栓が沈んでいるのを発見するそうです。時には自転車も。それでもセーヌ川の水はだいぶきれいになったのだそうです。1970年代には、2、3種類の魚しかいなかったのが、今では32種類にまで増えました。セーヌ河岸は釣りをする人でもにぎわっています。
のんびりできる河岸ですが、川の増水で浸水してしまうこともたびたびです。
下記は1910年の時の増水時の様子です。前回のシリーズその3で登場したアルコル橋(フランス人のカップルがインタビューを受けていた橋)です。
こんなになってしまっては、パリ見物どころか、生活自体が危ないですね。
アレクサンドル三世橋の二つ隣のアルマ橋には、この増水の目安になる像があります。
橋桁のところに像がある 像を拡大
この像の足が水につかってしまったら、セーヌ川は増水したことになります。1910年の増水時には、水が肩のところまで来ていたそうです。最近でも増水で一部の河岸が通行止めになることがよくあります。
「私は水泳のインストラクター。今日、水を怖がる大人のためにレッスンをした。参加者の一人で高齢の男性が私を呼んだので行ってみると、困ったような顔をして言った。『水の中に入れ歯を落としてしまったんだがね……』」
昨夜の台風は、如何でしたか?
穏やか川面が旅情を誘いますね。
ジュースキントは、あまり詳しくないのですが、
南仏にもいたようですね。
次作はDie Taube 鳩という邦題です。
人間と社会の関わりを変った角度から小説の題材にして
いるようですが...
公園のベンチや、カフェでゆっくり小説でも読みたい季節ですねぇ。
by orange (2010-10-31 13:24)
orangeさん
ありがとうございます。台風は大したこともなく過ぎて行きました。
このところ曇りや雨の日が多いですね。お天気になったら、枯れ葉でも眺めながらコーヒーでも飲みたいものです。
ドイツ語タイトルはDie Taubeですね。鳩を怖がる主人公が出てきましたが、なんとなく分かるような気がします。なんとも無表情のあの目がちょっと怖いです。
by carotte (2010-10-31 18:41)