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ブルゴーニュワインの首都ボーヌ その4 〜オスピス・ド・ボーヌの葡萄園〜 [フランスのワイン]

 前回紹介したオスピス・ド・ボーヌは、自身がドメーヌでもあります。

 シリーズ四回目は、このドメーヌとしてのオスピス・ド・ボーヌを紹介します。

Paris_Beaune.jpg



オスピス・ド・ボーヌの葡萄園とワイン

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 オスピス・ド・ボーヌは、22の葡萄園のドメーヌであり、自身も葡萄園を所有しています。全面積は60ヘクタール以上にも及び、区画は160もあるそうです。160区画あるということは、160種類の風土の中で葡萄が育つということになります。因に葡萄の品種は、赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネ。どの葡萄園もオスピスに寄付されたものです。


 Hospices de Beauneのドメーヌ名で作られるワインは、様々な風土で育った葡萄を一つにまとめたもので、いずれも一級(premier cru)や特級(grand cru)のワインだそうです。


 ここで生産されるワインは年間数百万ユーロの売上をもたらすそうですが、すべてが病院の運営のために使われます。


 映像は→こちら


 最初に登場し、いろいろお話をしてくれた年配の男性が、ドメーヌの管理責任者です。


 次に登場したカーヴは、Joseph Drouhinというドメーヌのカーヴです。映像に登場した男性は、Joseph Drouhinの孫で、三代目に当たります。父親は1944年当時レジスタンスの活動家で、カーヴのおかげで辛くもナチの手から逃げのびたそうです。このカーヴには、1942年に「自由への扉」と名付けられた逃げ道が掘られてあり、父親はここから抜け出しホスピスへと避難し、そのまま6ヶ月ほどホスピスが彼をかくまってくれたそうです。そして、彼は自分の葡萄畑3ヘクタールをホスピスに寄付しました。


 また、今年4月にオスピスに葡萄園を寄付したアメリカ人も登場しました。2年前に亡くなった奥さんの思い出にと、SantenayのAOCを持つ葡萄畑の一区画をオスピスに寄贈したのだそうです。


 ホスピス・ド・ボーヌのワインは飲んだことがありますが、こんな背景など想像もしませんでした。

 あのニコラ・ロランは、自分たちが天国に行くために慈善事業を始めたのですが、今では多くの人が、天国に行くことを期待して寄付するのではなく、自分の名前が未来永劫ワインの名前として残ることを期待して寄付しているのだそうです。


 

******** フランス人のつぶやき *******

「今日、一頭の牛が、その生涯にピリオドを打った。不幸なことに、この牛は、天国に行くのに私が乗ろうとした列車を選んだ。おかげで、列車は1時間も遅れ、私は大切な面接試験に間に合わなかった」

VDM (Vie de merde)より


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wattana

carotteさん、おはようございます。
オスピス・ド・ボーヌでの150回目のワインオークションは昨日 (現地時間)行われ、そして今日、Les Trois Glorieuses の最終日はムルソーで大晩餐会などが行われるのですね。フランス観光開発機構のオフィシャルサイトにある11月のイベントを見ると、Les Trois Glorieuses は載っていますが、Beaujolais Nouveau のことは載っていません。伝統、格が違うということでしょうね。
by wattana (2010-11-22 07:36) 

carotte

wattanaさん、こんにちは。
ワインオークションの映像があるかなと思って調べたのですが、まだ出てないようです。今日の番組に出て来るかもしれませんが、日本で見られるようになるのは22時以降です。
Beaujolais Nouveauの方は、18日の主な話題の合間の20秒か30秒に、映像が出てきました。その日の0時過ぎにLyonで飲んでる映像でした。大きなtaste-vinにボトル2本分くらいのワインを注いで飲んでましたよ。安いお酒は安いなりの楽しみ方があると思うのですが、妙に高額になっているのが気になります。
by carotte (2010-11-22 13:25) 

wattana

carotteさん、こんにちは。
Beaujolais Nouveau(船便)を1本だけ買ったことがあります。1998年のことです(エチケットが残っています)。その後は買っていません。理由は1998年に初めてフランスへ行った時、現地での価格の安さに驚いたからです。
2006年~2008年の3年間続けていったLyonではBuchonと呼ばれる居酒屋/家庭料理店などで毎日、高くないワインを楽しみました。carotteさんの言われる通り、ワインにはそのワインにあった楽しみ方があると思います。
ワインオークションの映像があったら教えてください。
by wattana (2010-11-22 17:52) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
フランスでの値段を見たことのある人なら、皆びっくりしますよね。
輸送費だの諸経費が上乗せされたにしても、どうなんだろう?と疑問になる値段が多いです。
ワインオークションの映像ですが、YouTubeでみつけたのを、シリーズ その5にアップしました。映像としてはいまひとつですが、雰囲気はつかめますので、見ていただけたらと思います。
by carotte (2010-11-22 22:52) 

wattana

carotteさん、おはようございます。
フランスへ行って驚いたのはBeaujolais Nouveau の価格だけでなく、ミネラルウォーターの価格でも驚きました。日本ではcontrex がevian よりもかなり割高な価格設定となっていますが、フランスでは逆でした。contrex、evian、volvic はいずれもダノングループの商品なので、ダノンの日本市場における戦略なのかもしれません。
それよりも驚いたのがChateldon というミネラルウォーターの価格です。ボンマルシェの食品館 Le Grand Epicerie de Paris で見たら、記憶があいまいですが、日本の価格の1/5とか1/10の価格でした。信じられなかったので、自分の目を疑いました。
by wattana (2010-11-23 08:29) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
日本人ってカモにされてるんじゃないかと思う時ありますね。
evianもvolvicも自販機で買えるサイズのは日本の水とほとんど変わらない価格で売っている時があります。どういう値段の付け方なんでしょう?
結論として、水は日本の水で充分ですね。^^
by carotte (2010-11-23 09:15) 

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