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ノルマンディー地方の料理 その2 〜ハムのオージュ渓谷ソース〜 [フランスのグルメ]

 ワインオークションの話題で頓挫してしまったノルマンディー地方の料理シリーズを再開します。
 シリーズの二回目は、ハム料理。


ハムのオージュ渓谷ソース

(Jambon braisé Vallée d'Auge)

jambonauge.jpeg


 今回この料理を作ってくれるのが、カルヴァドス県ノートル=ダム=ド=クルソンにあるレストラン"Le Tournebroche"のシェフです。

Paris_notredame.jpg


 ノートル=ダム=ド=クルソンはトゥック川沿いにある人口約400人の小さな村です。


 地元のオージュ渓谷ソースと言えば、シードルを使うソース。この地域では、シードルにするのに最適なリンゴが穫れるそうです。品種の数も30とバラエティーに富んでいます。この30種類のリンゴをブレンドして様々な味のシードルができあがるそうです。そして、ブロンドの女性が好きな人もいれば、黒い髪の女性が好きな人もいるのと同じように、ブルターニュのシードルが好きな人もいれば、ノルマンディーのシードルが好きな人もいるそうです。要は、好みの問題ということですね。

 もちろん、リンゴは、コンポットやタルトなどそのまま料理に使う場合もあります。


 前置きはこのくらいにして、今回の料理の作り方は、まず、シードルを煮詰めてアルコールをとばし、フォンドヴォーをベースにしたソースと生クリームを加えます。ここに、マッシュルーム、グリンピース、ニンジンを加え、一度火を通して暖めたハムの上からかけます。さらに、グルイエールチーズ、かりかりっとした食感を与えるためのパン粉をかけたら出来上がり。


 映像は→こちら


 レストランの二人の料理人(父子)はシードルの生産者を訪ねて、リンゴやシードルの味を確かめていました。

 

 ハム料理の他にレストランのキッチンで作られていたのは、リヴァロというチーズの入ったオムレツ(とろとろとカリカリの両方の食感が楽しめる)、カーン風トリプ(牛のモツ煮込み、カーンは地名)、リンゴ風味の鴨のヒレ肉。さらに、リンゴとアンドゥイユが交互に重なっている料理もでてきました。どれも地元の食材を使った料理です。


 ここのモットーは「地元の、充分な量の、見た目にも美しくおいしそうな、それでいてリーズナブルな値段で食べられる料理」だそうです。


 登場したデザートは、もちろんリンゴのお菓子。普通のリンゴのタルト、ブルダン(ノルマンディ地方のリンゴのタルト)、タルトタタンです。


 お店のサイトはみつかりませんでしたが、住所等は下記のとおりです。


 Le Tournebroche

 1 route d'Orbec

 14140 Notre-Dame-de-Courson

 Tel&Fax. 02 31 32 31 65

 定食は18〜38€


 最後に、オムレツで登場したチーズ“リヴァロ(Livarot)”について。

livarot.jpg

 リヴァロという村で生まれた、牛乳で作られたウォッシュタイプ(塩水で洗う)のチーズ。熟成時に型くずれしないように3~5本の葦が巻き付けられています。かなり個性的な味です。独特の強い匂いがありますが、チーズ好きにはこたえられない味です。日本でも手に入ります。


 

 次回はカマンベールを使った料理が登場します。


******** フランス人のつぶやき *******

「今日、村の宝くじで、ハム4キロが当たった!とは言うものの、私はベジタリアンなのだった」

VDM (Vie de merde)より


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コメント 8

島酔潜人

シードルが効いたソース、ハムに合いそうですね。
強い匂いのチーズ.. 魅力的!(笑) 
by 島酔潜人 (2010-11-23 21:58) 

wattana

carotteさん、おはようございます。
ハムといえば、豚モモ肉を原料として使った加熱食肉製品です (非加熱の場合、生ハム)。しかし、日本では‘ハム’というと、ロースハムのことを指すようです (モモを使ったハムは‘ボンレスハム’と呼ばれています)。フランスで最大規模のハム工場を見学したことがありますが、フランスでは日本よりもハム、ベーコンなどの加熱食肉製品の規格 (加水率の上限)が厳しいことを知りました (日本のロースハムのスライスパックを開封して冷蔵庫にしばらく入れておくと、水分が飛んで反り始めます。水分が多いからです)。
アンドゥイユのリンゴ重ね (リンゴのアンドゥイユ重ね?)、どんな味になるのでしょうか?
by wattana (2010-11-24 06:54) 

Booちゃん

Cheese繋がりで飛んで来ましたッ(笑’
凄いCheeseですね(@_@;)
by Booちゃん (2010-11-24 07:48) 

carotte

島酔潜人さん
同じオージュ渓谷ソースでも、こちらのソースはひと工夫してありますね。それにハムがおいしそうです。
リヴァロはすごい匂いですが、おいしいですよ〜。オムレツに入れるとどんな感じになるんでしょうね。
by carotte (2010-11-24 14:26) 

carotte

wattanaさん
日仏のハムの違いはそんなところにもあったんですね。
生ハムを日本でみかけるようになったのは最近になってからですよね。ハムと言えば、火が通ったハムばかりでした。今でもそのイメージは変わりません。
アンドゥイユがどんな味なのかが問題です。薫製にしてあるので、ある種の香がして美味しいんじゃないでしょうか。そこにリンゴの甘酸っぱい味がからんで......。こればっかりは食べてみないことには分かりません ^^
by carotte (2010-11-24 14:34) 

carotte

Booちゃんさん、ようこそお出で下さいました\^o^/
はい、すごいチーズです。回りがオレンジ色になってて、きつーい匂いが漂います。でも、おいしいんです。中がとろっとしてて、奥ぶか〜い味がするんですよ。
by carotte (2010-11-24 14:38) 

opas10

ハムのオージュ渓谷ソースも魅力的ですが、その横でジュワっとソテーしていた鴨肉がものすっごく美味しそうで悶絶しちゃいました(笑)。
>ブロンドの女性が好きな人もいれば、黒い髪の女性が好きな人もいる・・
唯のようなのほほんとした女性が好きな人もいれば、澪のようなしっかりとした女性が好きな人もいるし、・・・・みたいな感じでしょうかね(笑)。
by opas10 (2010-11-28 13:53) 

carotte

opas10さん
う〜ん、文学的ですね。
好みということですから、そういうことになりそうです^^
あの、鴨のヒレ肉は最初から気になりますね。ちゃんと出来上がったところを見せてくれたので少し安心しました。
by carotte (2010-11-28 17:35) 

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