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フランスの遺産を巡る vol.2 その4 〜ブザンソン〜 [フランスのお宝]

 シリーズの四回目に登場するフランスのお宝は、ブザンソンの古い建物の中にあります。 


Paris_besancon.jpg


 ブザンソンは人口約14万人の都市。ドゥー県の県庁所在地であり、指揮者のコンクール「ブザンソン国際音楽祭」が開催される都市として知られています。


Panoramique_Besancon.jpg


  ここの隠れたお宝を見るためにはお金は入りませんが、建物の中に入るのに、扉の鍵を開ける暗証番号が必要です。


escalier01.jpeg   escalier02.jpeg


escalier04.jpeg   escalier03.jpeg


 お宝は、階段です。実際に今でも人の住む建物に設置され、毎日人が上り下りしている階段、単なる実用としての役割にとどまらない、デザインも魅力的な階段です。このような階段のある建築は、ブザンソンだけで100以上あるそうです。


 しかし、ブザンソン市や観光案内所のサイト、さらには旅行ガイドブックを見ても出てきません。何はともあれ、動画をご覧ください。


 映像は→こちら

 ブザンソンの中心街にある古い建物の多くに、このように屋外に設置された階段があるそうです。このスタイルにすることで、住居の一角を占有することなく、四方を取り囲まれたスペースに、明るい日差しを取り入れながら、階段を作ることができました。


 一番古い階段はルネッサンス時代のものだそうです。


 女性がお花に水を上げていた階段は、18世紀のもの。タイル貼りの壁面も印象的です。建物にはエレベーターがないそうですが、住民はここに住むことができて満足しているとか。


 ブザンソンは第二次世界大戦時の破壊を免れたため、このような建物が数多く残っています。そして、この階段が、そこに住む人たちの社会的階級を知るバロメーターにもなっているそうです。


 パリからやってきたカメラマンが、片っ端から階段を撮影していましたが、設置される場所も様々なら、その素材もデザインも様々でした。100以上もあるそうですから、全部を写真に納めるにはまだまだ時間がかかりそうです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

「今日、ボーイフレンドが私に嘘をついていたと白状した。彼がアパートのエレベーターが故障していると言ったから、私は三ヶ月間、8階にある彼の部屋までずっと階段を使っていた。そうすれば私がやせると思ったらしい」

VDM (Vie de merde)より


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コメント 8

orange

細部の装飾、手すりの描く曲線が綺麗ですね。
そして街の屋根を写した風景がいいですね。
雨の日も素敵だろうなって思います。
やせさせるために?エレベーターが壊れたと??
それで効果あるなら…でも上半身には効きそうにありませんね。
by orange (2010-12-05 01:12) 

wattana

carotteさん、おはようございます。
フランシュ・コンテ (ジュラ)地方は、以前にも書いたかもしれませんが、行ってみたいところです。ブザンソン、地図で見るとドゥー川に囲まれていますね。洪水の心配はないのでしょうか?
黄色いワイン 「バンジョーヌ」は未だ飲んだことがないので、ぜひ現地で試したいと思っています。そして、鶏とモリーユのバンジョーヌ煮込みも。
by wattana (2010-12-05 08:14) 

carotte

orangeさん
私はこの階段に引きつけられました ^^
本物を見に行きたいですが、実際、ピンポイントでどこにあるのかが分からないところが難です。
階段では上半身は無理ですね。ただ、以外とエネルギーを消費するらしいので、それなりの効果はあるのでは?それにしても3ヶ月も8階をよく往復したなあ〜と思います。

by carotte (2010-12-05 09:55) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
ブザンソンは以前、欧州サイクリングロードのところでちょっとだけ登場しました。
あの地域はそんな美味しそうなものがあるんですか?
そうなるとやはりぜひ一度行ってみないといけないですね。^^
洪水ですが、1910年にフランスの各地で川が増水し浸水したようですが、その時にブザンソンも同様だったようです。その後は、特別な記述がみつからないので、大きな洪水は起きていないのではないでしょうか?
by carotte (2010-12-05 10:17) 

opas10

これは建築マニアにとってはたまらないネタですよ!ごはん3杯モノです(?)。あわせて建物の構造や部屋の配置にも興味が湧きました。ところでフランス人のつぶやきの彼氏、彼女が痩せられたから白状したのか、それとも全く効果がなかったので諦めて白状したのか、どっちなんでしょうね??(笑)
by opas10 (2010-12-05 17:44) 

carotte

opas10さん
ほんとですね。これは放っておけないです。^^
ネットでいくつか写真が出てますが、建物の隙間にいい感じで作っている階段もあるんですよ。なんでしょうねえ、この魅力。

つぶやきですが、どうも効果なしの公算が強そうな気が......。

by carotte (2010-12-05 22:32) 

wattana

carotteさん、フランシュ・コンテ地方は観光案内書を見ても、ページ数が少なく、日本人にはあまりなじみがない地方だと思います (ジュラ地方というと、ジュラ紀を連想される人がいるかもしれませんが)。
私がこの地方に興味を持ったのは、ずいぶん前に「ヴァンジョーヌ」という黄色のワインがあることを知ったこと、岐阜県高山市清見町でハム・ソーセージ工房「キルノンチュエ」を創設した人がジュラ山地のモルトウで修業したと聞いたこと、岐阜県郡上市高鷲町にあるたかすファーマーズが「カンコワイヨット」というフランシュ・コンテ地方のチーズの製造販売を始めたこと、・・・などからです。
でも、フランスで行きたいと思っている地方はフランシュ・コンテだけではないので、どこを優先させるかというのが難題ですね。
by wattana (2010-12-06 07:27) 

carotte

wattanaさん
ジュラはちょっと地味ですね。森や山が多いというイメージです。
フランシュ=コンテはブルゴーニュのお隣ですし、ちょっとだけ足をのばして.......などどやっていると際限なく広がってしまいますね ^^;
日本から時間とお金をかけて行くのに、滞在期間は限られている、だからあちこち行きたい!なんですけど、それをやってしまうと、観光バスの中から外を見ているだけのような旅行になってしまいますね。やっぱり欲張らない方がいいですね。
by carotte (2010-12-06 10:25) 

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