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12月のごちそう その1 〜コキーユ・ドゥ・ノエル〜 [フランスのお菓子]

 昨日12月6日は、聖ニコラ(Saint-Nicolas)のお祝いの日でした。


 聖ニコラは、一説にはサンタクロースの起源になった人物とも言われています。そして、貧しい人たちに食べ物を与えたり、死刑になりかけた無実の人を助けたりなど、さまざまな伝説に彩られていますが、一般にフランスでは子供の守護聖人になっています。


 この聖ニコラの日からクリスマスまでの間に食べられる菓子パンがコキーユ・ドゥ・ノエル(coquille de Noël)です。


コキーユ・ドゥ・ノエル

(coquille de Noël)

coquille_noel02.jpg


 今回は、ノール県のムヴォーにあるパン屋さんが、この菓子パンを作ってくれます。

Paris_Mouvaux.jpg

 

 元の名をpain de Jésus(パン・ドゥ・ジェジュ)(「イエスのパン」の意味)またはcougnou(クヌー)といい、ブリオッシュの生地を、生まれたばかりのキリストを産着にくるんだような形にして焼いたもので、ベルギーやフランス北部に伝わる菓子パンです。中に干しぶどうやチョコチップ、砂糖のかたまりが入っているものもあるそうです。


 映像は→こちら


 映像に出て来たコキーユ・ドゥ・ノエルには砂糖のかたまりが入っていました

 小麦粉1キロ、バター600g、牛乳、卵、イーストで生地を作ったら、砂糖のかたまりを回りに付けて、別の生地で包み込み、卵の黄身を回りに塗ったら切り込みを入れ焼きます。砂糖がトロリと溶け出すくらいで焼き上がるのがいいそうです。


 地元の人たちは、このパンを食べると年の瀬を感じるそうです。


 聖ニコラの日には、学校でこのパンが配られたようですが、クリスマスの朝、ホットココアと一緒に子供たちが食べるのが伝統だそうです。


 因に、フランス北部とベルギーでは、子供がおもちゃを貰うのはクリスマスというより聖ニコラの日です。聖ニコラは、おもちゃの入ったカゴを背中にしょって、いい子にはおもちゃをくれます。悪い子には、聖ニコラの後からやってくるペール・フエタール(Pere Fouettard)という恐ろしい人物が鞭を当てるという言い伝えがあるそうです。




feuille.jpg本日のクリスマス・イルミネーションcadeau.jpg


☆ マントン ☆

Paris_Menton.jpg

mentonnoel.jpg

写真をクリックすると動画が見られます


* 少しの間、フランス人のつぶやきはお休みします




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コメント 14

emuzu

ロビン・フッドやねずみ小僧みたいな方、、、だったんですねv(^皿^♪)
by emuzu (2010-12-08 10:48) 

orange

なるほど。フランスではニコラは鞭を持っていないのですね。
ドイツの聖ニコラウスは飴と鞭です。日本のなまはげのようですね。
お砂糖の消費が増える季節です…気をつけなくっちゃ。

by orange (2010-12-08 13:15) 

carotte

emuzuさん
結果的には同じですかね。
ただ、聖ニコラの方は、「盗み」じゃなく「奇跡」を起こした方のようです ^^;
by carotte (2010-12-08 15:19) 

carotte

orangeさん
ドイツでは一人二役ですね。
フランスではどうも分業のようです。
日本でも海外でもごちそうの季節がやってきました!食べた分だけ動けばいいんですけど、なかなかねえ〜。

by carotte (2010-12-08 15:24) 

wattana

carotteさん、12月というと、クリスマスですね。
記念日、非日常、ハレの日といった機会に利用したいレストランは、フランス料理店という方が多いようで、日本のフランス料理店にとってクリスマス前後が1年の中でもっとも稼ぎ時のようです。
でも、(フランス人よりもフォークとナイフを上手に使えるようになるために?)日常的にフランス料理店を利用している私にとっては、ノエルは、1年でもっとも地味に外食する時期です。
by wattana (2010-12-10 08:12) 

carotte

wattanaさん
こういう時期、大勢の人が外食するのでお店はてんてこ舞いですね。それでもがんばっているお店がほとんどでしょうけど、いつものお料理と同じというわけには行かないのでは?どうしても「効率よく大量生産」になりがち......。
フォークとナイフで思い出しましたが、wattanaさんのブログでテーブルセッティングが話題になっていた時、フォークは伏せておくか?上むきに置くか?が問題になったことがありましたね。
で、数ヶ月前、ベルサイユ宮殿でルイ14世の夕食を再現するというイベントの模様をTF1で取り上げていたのですが、それに出て来た映像の中に、フォークを伏せているのが一瞬映っていました。
となると、フランスではフォークは伏せて置くが正式???
上向きに置くフォークはどこからやって来たのでしょう?
by carotte (2010-12-10 10:36) 

wattana

carotteさん、フォークを伏せておくのがフランス/上向きはイギリス、伏せておくのは古典/上向きは現代という情報がありましたが、どちらが正しいかはわかりません。
by wattana (2010-12-10 22:13) 

carotte

wattanaさん
ほんとのところは分からないということですね。
いつか真実を突き止めたいものです。
by carotte (2010-12-11 10:20) 

wattana

carotteさん、明日、図書館へ行くので調べてみます。
by wattana (2010-12-11 19:35) 

carotte

wattanaさん
私も少し調べてみました。
どうもフランスでは、フォークの尖った歯を下に向けて置くというのが正式のような感じがします。
もう少し調べてみます。
by carotte (2010-12-11 23:47) 

opas10

大人が楽しそうに食べていたのが印象的です。ノスタルジーをくすぐるお菓子でもあるのでしょうか。カロリーは相当高そうなので、やはり本来は子供のお菓子なんでしょうね(笑)。
by opas10 (2010-12-12 11:23) 

carotte

opas10さん
あれだけのバターに、あれだけの砂糖のかたまりですからねえ、調子にのって大人が食べていると、余計なものがくっ付いてきます。^^;;
by carotte (2010-12-12 15:57) 

wattana

carotteさん、こんにちは。
フォークの置き方についてのコメントをありがとうございました。コメント返しに書いた 「正統のテーブルセッティング」 (今田美奈子・著、講談社)には、テーブルセッティングの写真がたくさん載っています。
フォークを伏せて置くのはフランスだけのようです。エリゼ宮のフランス大統領官邸公式晩餐会、フランス大使館(東京)の公式晩餐、ロゼール城の正餐では、伏せて置いてあります。でも、ホテル・リ・ブリストル(パリ)の夕食では、上向きに置いてあります。今田美奈子さんが言う‘テーブルクロスを傷つける’からなのか、ホテルでは上向きに置くところが増えてきているのかもしれません。
フランス以外、イギリス (リッツホテル・ロンドンも)、イタリア、ドイツでは、上向きです。
by wattana (2010-12-12 16:42) 

carotte

wattanaさん
家にある食器を見てみると、細工が施されているのは、もっぱら表側(上向き)です。やはりフランスが例外なんですね。
なんとなく、上向きに置く方が置きやすいですね。まあ、伏せて置く方が多少上品かなと思わなくもないです。
by carotte (2010-12-12 16:55) 

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