がんばるフランスの中小製造業 その2 〜ドアノブ〜 [メイド・イン・フランス]
今週は、人件費のかからない他国で製造されることの多い日用品を、まだまだフランス国内で作り続けている会社を紹介しています。
シリーズの二回目は、磁器のドアノブです。工場があるのは、あのリモージュ焼きで知られるリモージュの郊外の町フェティア(Feytiat)。
ちょっとレトロなドアノブ。リモージュの人たちは、こんなドアノブを見ると、これを作っている熟練工を思い浮かべるそうです。
リモージュ市街から7、8キロのところにあるフェティアは人口6,000人弱の町。
会社の名前はJ.MERIGOUS。創業は1954年。従業員は30人ほど。もともとは磁器職人で、その技術を金物に生かせないかと始めたのがこの工場です。現在は三代目が経営に当たっています。
製造過程は18~19段階に分かれていて、それぞれ熟練の職人さんが担当します。上記写真をクリックして番組をご覧下さい。
昔よりはずっと近代的になりましたが、それでも製造過程のほとんどが手作業です。さらに近代化してリストラした方がいいと言う営業担当者もいましたが、受け入れることはできなかったそうです。家族経営の小さな工場は、丁寧な物作りが大切で、その技術を次の世代に受け継いで行くことが必要と三代目は言います。
部品をきちんと組み立てられるように作り上げるには、思いのほか人の手を必要とするようで、これ以上の機械化は難しいそうです。
ここには大きな販売店の担当者もやってきます。彼らは海外の製品も調査した後、必ずここに戻って来るそうです。
ここでは、ドアノブの他にも調度品の把っ手など、シンプルなものからデザインを加えたものまで、様々な日用品に磁器の技術を応用しています。
「今日、カップぎりぎりまでココアをそそいで、応接間に運んで行く途中、ドアノブに上着の袖口がひっかかり………その後どうなったかはご想像におまかせします」
VDM (Vie de merde)より
こんな握りの付いた水栓のあるバスルームは素敵だなと思います。
リモージュではこんな日用品も作っているのですね。
猫足のバスタブにこんな陶器の水栓。いいですねぇ。
by orange (2011-01-28 01:32)
orangeさん
これもリモージュ焼きの一部なんでしょうね。
ちょっと付けたくなりますよね。
部屋の雰囲気が急に洋風になっちゃいそうです。
by carotte (2011-01-28 12:10)
ドアノブにもずいぶんたくさんの工程があるのですね、たしかにこれは機械化できないかもしれません。
by opas10 (2011-01-29 15:17)
opas10さん
単純そうに見えて、なかなか手がかかるようです。
磁器なので焼き上がりが微妙にそれぞれ違ってくるのかもしれません。
by carotte (2011-01-29 18:14)