ペリゴール地方を巡る旅 その4 〜製糸工場でキルト作り〜 [ペリゴール地方]
シリーズの四回目は、キルト。
「フランスの最も美しい村」の一つ、ベルヴェス村を訪ねます。
村の人口は約1,500人ほど。数々の侵略や戦争を経験して来た村でありながらも、7つの鐘楼と趣のある中世の街並が残っています。
屋根付きの市場(15世紀頃)
12世紀の貴族の館 19世紀末のネオ・ゴシック建築
そして、この村は羊毛の製糸工場(Filature de Belvès)があったことでも知られています。
1996年まで稼働していましたが、今は見学用です。ここでは、羊毛が糸になる過程を見学したり、自分で毛糸を作ることもできます。(Centre d'Interprétation Filature de Belvès)
また、羊毛を使った手芸を教えてくれる教室が定期的に開かれています。その一つが、キルトです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
キルトは、二枚の布の間に羊毛をはさみ、中の羊毛が動かないように、縦横に縫い合わせたもの。まずは一枚目の布をぴんと張った状態で枠に固定します。そこに羊毛を置き、二枚目の布をかぶせます。これで準備は完了。ここから鍼で縫う作業が始まります。
手縫いのキルトのベッドカバーは安いものでも300€はします。この教室では70€で自作のベッドカバーが手に入ります。布と指ぬきは自前、羊毛を含むその他の必要なものは教室が提供してくれます。
この教室のためにトゥールからやって来た人もいます。50年前の結婚の時につくったベッドカバーを今でも使っているという女性もいました。
最後に出て来た赤いキルトのベッドカバーは、二人で三日かかって仕上げたものだそうです。
次の最終回は、ジット(gîte)と呼ばれる田舎の宿を訪ねます。
「今日、セーターの毛玉を取った。全部を取るのに3時間もかかったのに、気がついたら、なんと裏側だった」
VDM (Vie de merde)より
昔はこうやって多くの人手をかけて、時間をかけて作っていたので、モノの値段も高くて、それだけに大切に使う文化があったんでしょうね。こうしたモノづくりがどんどん廃れていってますが、そろそろ揺れ戻しがきそうな予感がしています。
by opas10 (2011-02-11 13:07)
opas10さん
手縫いのキルトは暖かくて丈夫なんでしょうね。
そうなると少々高くても、手作りのものの方がいいのかもしれないと最近思うようになってきました。買い替えることを思えば、結局、コスト的には同じだったりしますね。それに、手作りのものを大事にするということは、人間(ひいては自分自身)の仕事を尊重することにもなりそうです。
by carotte (2011-02-11 16:25)