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冬の料理 その1 〜 ポ=ト=フー 〜 [フランスの郷土料理]

 今日から冬の料理シリーズを5回に渡って紹介します。

 第一回目は、ポ=ト=フー(pot-au-feu)。フランス北部ソンム県のカピーを訪ねます。

Paris_Cappy.jpg

 

ポ=ト=フー

potaufeu.jpg 

 肉と野菜を鍋に入れ、時間をかけてことこと煮込んだ、日本でも馴染みの料理ですが、フランスではそれぞれ工夫を加えて独自の味を作っています。


 この町に住む料理人クロディーさんも同じです。お鍋一杯に水をはったら、ブーケガルニ、香りの野菜(ネギ、玉ねぎなど)を入れ、沸騰させます。ブーケガルニの基本はタイムとローリエですが、ここにパセリ、セージ、ローズマリー、コリアンダー、オレガノ、セイボリーなどを好みで加えます。クロディーさんの場合には、クローブ、ジェニパー、こしょうを加えるそうです。


 鍋が沸騰したところで牛肉を入れます。すね肉、タン、あばら肉、肩肉などバリエーションを付けます。こうしておけば、好みの違う人たちが集まっても対応できるし、美味しい出汁が取れて、他の料理にも使えるそうです。


 二時間ほどかけて煮込んだところで、骨の髄を入れたら、最後に野菜を加えます。玉ねぎ、カブ、ネギ、ジャガイモ、にんじん、セロリなど、アミアンの湿地帯で栽培された野菜です。この中には、ちょっと珍しい昔の野菜もあるそうです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2009年11月放送)


potaufeuTV.jpg


 どうやら山芋のような根菜が昔の野菜のようです。ちょっと変わった皮むき用のナイフを使っていました。


 具とスープは別々にして食べます。お肉や野菜はマスタードを付けながら食べるのが一般的ですが、クロディーさんの場合は、特製ソースがあります。


 みじん切りにしたエシャロットを炒め、新鮮なトマトソースとビネガーを加えます。そこに、刻んだピクルスを入れたら出来上がり。


 クロディーさんにとってポ=ト=フーは子供の頃の思い出の味。おばあさんが畑の野菜を穫って料理を作ってくれたそうです。

 


******** フランス人のつぶやき *******


「今日、明日戻って来る妻のために夕食を作って待っていることにしました。出たとこ勝負は苦手なので、本番さながらの予行演習をしていると、妻が一日早く帰って来てしまいました。おかげで、愛人がいるわけじゃないってことを納得させるのに苦労しました」


VDM (Vie de merde)より



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wattana

carotte さん、ポアロがよく出てきますね。
carotte さんの文を読んだ時、骨髄をどのようなタイミング/どんな形で使うのかと思いましたが、映像を見てよくわかりました。骨髄は、いい出汁になると思います。
by wattana (2011-02-09 21:53) 

carotte

wattanaさん
わたしも骨髄をいつ入れるのか、ちょっと気になったので、何回か映像とナレーションを確認してみたんですよ。
ナレーションの内容と映像の流れから考えると、やはり野菜を入れる直前なんです。最初から入れるより、お肉が柔らかくなってから入れるのがいいんでしょうね。
by carotte (2011-02-09 23:27) 

wattana

carotte さん、こんばんは。
もう一度映像を見てみました。骨髄は、このタイミングで入れるのがコツなのでしょうね。ところで、クロディーさんは料理人ということですが、レストランでシェフとして働いている (またはオーナーシェフ)方なのでしょうか?
by wattana (2011-02-10 21:30) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
映像には料理人という以外に情報がなかったのですが、検索をかけたところ、出てきました。Cappyにあるレストランl'Escale de Cappyのシェフのようです。下記がそのサイトです。

http://www.picardieresto.com/escale/escale.htm

探すと出てきますねえ〜。
by carotte (2011-02-10 22:22) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
ありがとうございました。TF1の映像を見て疑問に思ったことがあります。それは;
①キッチンにある鍋などの調理器具が多い、サイズが大きい (→一般の家庭ではない)
②でも、レストランにしては雰囲気が家族的すぎる
この疑問が、 l'Escale de Cappy のホームページを見て解りました。といっても、書いてある内容はほとんど解りませんが、Restaurant / Traiteur / Boutique / Gîte となっていたので、納得がいきました。
by wattana (2011-02-11 07:39) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
そうなんですよ、普通の家のキッチンでありながら、設備が普通じゃないんですよ。字幕にはcuisinièreとしか出てないので、いろいろ想像してしまいました。結局、お店のシェフでした。お店の名前は出したくなかったのかな。
サイトはペリゴール地方を紹介するサイトの一つで、このお店はレストランとして紹介されています。近くに川があり、かつてここには曳舟の馬の中継所(?)のようなものが建っていたそうです。
by carotte (2011-02-11 10:30) 

opas10

さすが料理人、鍋がエライ大きいし、投入する肉の量が半端じゃなく多い。これはいいダシが出るでしょうね。それだけで食べても美味しいでしょうけど、ラーメンスープにしたらさぞや贅沢で旨かろうと、おかしな想像をしてしまいました(笑)。
by opas10 (2011-02-11 13:37) 

carotte

opas10さん
あの肉の量はちょっとすごいですよね。野菜もそれなりの量ありました。ナレーションで、これは何回かに分けて食べられるとか言ってました。
あのスープは絶対おいしいですよ。ラーメンはもとより、いろんな料理に使えそうです。^^
by carotte (2011-02-11 16:54) 

エトワール

初めまして。
wattanaさんに紹介していただき、訪問させていただきました。

私がソーセージ入りのポトフしか食べたことがないとwattanaさんにコメントしたらこちらを教えていただきました。

本場はお肉を入れて作るんですね☆

とっても興味深そうな記事が沢山あるのでゆっくり拝見させていただきます★


by エトワール (2012-01-10 11:29) 

carotte

エトワールさん
ご訪問ありがとうございます。
ゆっくりして行って下さいね。^^
ポ=ト=フにソーセージを入れるのはたぶん日本人の発明かもしれませんよ。それはそれで美味しいそうですよね。フランスの場合はお肉を入れます。この時の番組に出て来た家では、いろんな部位を使って変化をつけていました。
by carotte (2012-01-10 13:17) 

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