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冬の料理 その3 〜 土鍋で作る伝統料理 〜 [フランスの郷土料理]

 シリーズの三回目は、アルザス地方の伝統料理。

 アルザス地方の小さな村ニーデルモルシュヴィール(Niedermorschwihr)を訪ねます。

Paris_Nieder.jpg

baeckeoffeTV.jpg

 料理の名前はベクオフー(baekeoffe)。「パン屋のかまど」という意味です。

 フランス人にとって発音は難しくても、作り方は簡単。

 主役は、子羊肉、豚足、牛肉。脇を固めるのは、野菜(ジャガイモ、にんじん、玉ねぎ、ネギ)、エルブ・ドゥ・プロヴァンス、塩・こしょう、白ワイン。

 肉は、エルブ・ドゥ・プロヴァンスをまぶして一晩寝かせます。上記写真をクリックして番組をご覧下さい。

 まずは土鍋に薄切りのジャガイモをしき、その上にスライスした玉ねぎを置き、肉をのせ、塩・こしょうします。さらに同じようにジャガイモ、玉ねぎ、肉の順にのせて行き塩・こしょうします。

 最後に、にんじんを端に詰めたら、ネギをのせ(ネギは刻んではいけないそうです)、玉ねぎのスライスを加え、ジャガイモをかぶせ、アルザス産白ワインを注ぎ、フタをします。

 次に、パン生地を作ります。この生地を使ってフタと本体をしっかりくっけます。

 これを180℃のオーブン入れ、3時間から4時間かけてじっくり焼きます。

 焼き上がった鍋のフタを開けると、ぐつぐつ煮える音が聞こえます。

 肉、ジャガイモ、玉ねぎが、一塊となってお皿にのっているのを見せられてはたまりませんね。白ワインを開ける音もかろやかでした。

 作ってくれた女性がこんなお話をしてくれました。

 昔、この料理の準備をしたら、鍋を持ってパン屋さんに行ったそうです。パン屋では、パンが焼けたあとの熱いかまどに土鍋を入れて火を通してくれました。火が通るまで時間がかかるので、その間、女性たちは川に洗濯に行ったそうです。「パン屋のかまど」はここから来たんですね。

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、物理の面接試験だった。『バイオインピーダンスの質量分析法と超音波非線形システム論によるジャガイモの脂肪質量の分析』と言われたが、理解できたのは『じゃがいも』だけだった」


VDM (Vie de merde)より



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コメント 8

wattana

carotte さん、こんばんは。
フランス人というと肉食というイメージが強いのですが、このシリーズを見て、肉も使うけど野菜もかなり使うという印象が強くなりました。それと、見たこともなかった野菜がでてきたので、勉強になりました。
by wattana (2011-02-11 21:10) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
野菜と言えば、付け合わせにジャガイモかインゲンが山のように付いてくるのを思い出しました。
今回はあまりみかけない野菜が出てきました。食べたことがないので一度味わってみたいです。
by carotte (2011-02-11 22:00) 

orange

小麦粉を捏ねてお鍋の隙間を密閉していますね。
蒸し焼きになり美味しそうですね。
美味しい豚肉を手に入れられたらやってみたいです。
これなら土鍋のサイズを小さくすれば少量でもできそうですから。
白ワインを使っているのが印象的でした。
by orange (2011-02-11 22:34) 

wattana

carotte さん、もう一度映像を見ました。
小さな村の肉屋さんなのに、結構混んでいましたね。それから、土鍋の隅に詰めた人参のカット方法、これも印象的です。日本料理では、このように長いカットは使わないですね。でも、フォークとナイフを使って食べる場合、ナイフで自分の好みのサイズにカットできるので (経験したことがあります)、この長さは問題ないと思います (箸では切れないですね)。
carotte さんが、ご紹介してくださったTF1の映像を何度か繰り返し見ていると、食文化の違いがわかり、新しい発見もあります。
by wattana (2011-02-12 07:27) 

carotte

orangeさん
そうですね、オーブンの温度もそれほど高くありませんし、中は蒸し焼き状態。小さい土鍋だったら火が通るのに3時間もかからなさそうです。私も作ってみようかな。
by carotte (2011-02-12 09:23) 

carotte

wattanaさん
やはりお箸とナイフ&フォークでは料理の仕方も違ってきますね。ニンジンもジャガイモも皮をむいたらそのまま鍋に入れるというパターンが多いですね。
さらに、レストランは別にして、食事はたいてい大皿に盛られていて、それを順に取っていくパターンです。お箸の中国でもこのパターンなのに、日本は一人分をお皿や小鉢に盛ったものが大半です。
by carotte (2011-02-12 09:33) 

opas10

ご紹介のとおり、今回は”音”が良かったですね。鍋のフタをあけた時の「グツグツ」音が食欲をそそります。そして、ワインの栓を抜く音、あれ反則です(笑)。猛烈に白ワインが飲みたくなりました(笑)。
by opas10 (2011-02-13 17:42) 

carotte

opas10さん
あのワインを開ける音は罪作りですよね〜。
なんだこの音は!と思ったら、取り分けてる横で、おじさんがしっかりワインを開けていました。
by carotte (2011-02-13 20:43) 

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