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冬の料理 その4 〜 ガルビュール 〜 [フランスの郷土料理]

 シリーズの四回目は、以前、ピレネー近郊の料理として紹介したことのある煮込み料理ガルビュール。

 同じ料理でも今回のはまた少し違っています。(以前の記事は→こちら

 ジェール県の町カステルノ=バルバランスを訪ねます。

Paris_CastelnauB.jpg

GarbureTV.jpg

 材料は、ネギ、セロリ、かぶ、ニンジン、じゃがいも、白インゲン豆、キャベツ。そして、壷に入った鴨やガチョウのコンフィ。

 まずは野菜を角切りにし、先にセロリ、ネギ、かぶを鍋に入れて茹でます。そこに、前もって湯がいた白インゲン豆とキャベツを加えます。さらにニンジンを加えたらフタをして4時間半ほどかけて煮込みます。

 水分がある程度蒸発したところで、とろとろの脂で包まれたガチョウと鴨のコンフィを入れ、さらに45分ほどとろ火で煮込みます。

 普通ならここで出来上がりですが、今回は秘伝の味付けがあります。

 鴨の脂とニンニクを混ぜたものをフライパンで炒め、ガルビュールの上からたらします。上記写真をクリックして番組をご覧下さい。

 料理を作ってくれたマリー=ノエルさんは、鴨やガチョウを育ててフォワグらやコンフィなどの保存食を生産しています。また、お料理の講習会も定期的に開いているようです。

 フランス料理でたびたび登場する鴨のコンフィ。時間のある方は下記のビデオで、その作り方をご覧下さい。英語のビデオです。


 この男性、作り方をフランスで教わって来たそうです。

 鴨のもも肉に、塩、エシャロット、ニンニク、タイム、4種類のスパイスミックス(代表的なのがコショウ、クローヴ、ナツメグ、ショウガ)で下味をつけ、一晩、冷蔵庫で寝かせます。

 翌日、全部をきれいにふきとります。

 一方、鴨の脂を鍋いっぱいに溶かしたら、その中にもも肉を入れます。この時の脂の温度は109℃か110℃程度。唐揚げの時の温度が180℃前後ですから、だいぶ低いですね。

 このまま1時間くらいしたところで、脂の中にニンニクとクローブを入れて(香りが良くなるとか)、また2時間ほど待ちます。

 火が通ったら冷まして保存します。出来立てもおいしいそうですが、保存した方がさらにおいしくなるそうです。このまま冷蔵庫に入れておけば3ヶ月はもつそうです。

 ガルビュールで使っていたコンフィは、壷の中に入れて保存されていました。 


******** フランス人のつぶやき *******


「今日、窓を開けたままで眠ることにした。夜中になって、何か大きなものがベッドの上をうろついているのに気がついて飛び起きた。あまりの恐ろしさに「助けて!」と叫ぶと、両親がやってきて明かりをつけた。ベッドの上では鴨が静かに眠っていた」


VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

orange

2つめの画像で見るととても柔らかくなってひる様子がよく
わかりますね。美味しそうです。鴨肉の骨付き…入手できれば…ですが。
骨無しは時々見かけます。
by orange (2011-02-12 23:45) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
今回の冬の料理シリーズで多くの野菜が登場しますが、野菜のカットから料理が始まっています。日本のスーパーマーケットの野菜売場を見ると、袋入りバーコードラベル付きのカット野菜が増えていて、野菜のカットは料理の一部ではなくなりつつあるようです。carotte さんがご紹介してくれる TF1 の映像を見ると、食材の違い、食文化の違いがよくわかると前に書きましたが、料理に対する考え方も仏日で違うのでしょうか? フランスでも日本のような傾向 (料理に時間をかけたくないという傾向)があるのでしょうか?
by wattana (2011-02-13 09:07) 

carotte

orangeさん
鴨自体が手に入りにくいですね。
コンフィは鶏や豚でも同じ要領でやれるらしいです。
コンフィの鴨をフライパンで焼いたのは、回りがカリカリでおいしそうでした。
by carotte (2011-02-13 09:42) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
料理に時間をかけたくないというのはフランスでもあると思いますよ。ただ、あちらの食事というのは、もともとわりに手がかからないものが多いような気がするんですよ。たとえば、パンに、ハム+サラダですませてしまうこともできますし、別にこれが手抜きの食事というわけでもないし、充分満足できる味だったりします。サラダも、スーパーに行くとビニールに入ったミックスサラダみたいなのがあります。このタイプは日本でも最近よくみかけるようになりました。そう言えば、パリのスーパーの野菜売り場にポトフセットもありました。スーパーはいずこも同じでしょうか?
by carotte (2011-02-13 10:42) 

opas10

マリー=ノエルさんは娘さんに作り方を教えているのでしょうか?とても丁寧にステップごとに解説していたような気がします(フランス語だったので理解できず)。
コンフィの作り方、なんだかうれしそうに解説してますね(笑)。ちょっと誇らしげにも見えました。
by opas10 (2011-02-13 17:57) 

carotte

opas10さん
マリー=ノエルさん、はりきって教えてました。
あの若い娘さんは、料理を習いに来た人みたいです。教えてもらって本当に良かったと言ってました。
コンフィの作り方を教えてくれるアメリカ人は、おいしかったので自分で作ってみたくなったとか言ってますから、よほど気に入ったんでしょうね。いろいろ映像を探してみたのですが、この人の教え方が一番良かったんですよ。
by carotte (2011-02-13 20:51) 

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