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バチカンの舞台裏 その4 〜 秘宝 〜 [バチカン市国]

 シリーズの四回目は、バチカンのお宝です。

 

Italy_Vatican.jpg

 

 

 バチカンのお宝はバチカン美術館で見ることができます。しかし、延々と続く列に並び、辛抱強く自分の番が回ってくるまで待たなくてはなりません。

 

 特に、ミケランジェロのフレスコ画のあるシスティーナ礼拝堂は長蛇の列。中も黒山の人だかり。

 

 美術館の責任者は、見学者の吐き出す二酸化炭素と湿気がほこりと混じって壁や天井に貼り付いてしまい、作品の維持に影響が出ると心配していました。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年4月21日放送)

 

chapellTV.jpg

 

 バチカンには他にも貴重な秘宝があります。それは、サン・ピエトロ大聖堂の地下5〜12メートルのところにある大規模な地下墓地。

 

 1940年〜49年にバチカンが行った発掘で、紀元前2世紀頃のローマ時代の墓地の一部がみつかったのです。ローマ人には自分たちの住まいに通じる地下道に死者を葬る習慣があったそうです。

 

 発掘が行われたそもそもの発端は、第259代目の教皇ピウス11世が、この近くに葬られたと言われているキリストの弟子ペトロの墓の傍らに、自身も葬られたいと願ったことにありました。

 

 2回の発掘でたくさんの骨が発見されましたが、1950年、教皇ピウス12世はペトロのものだと証明するのものは何もなかったと宣言します。ところが、1968年、教皇パウロ6世がペトロの聖遺物が発見されたと発表します。

 

 現在、ペトロの墓は大聖堂の一階フロアにある祭壇のような建物の足下にあるそうです。

 

 この墓は、ペトロが殉教したとされている西暦60年ころのものであることが実証されており、これが本物のペトロの墓である可能性が高まっています。

 

 地下墓地の見学には事前の予約が必要です。1時間半ほどのガイド付き見学のようですが、1回に10〜15人ほどのグループしか入れないそうです。

 

 次回は、バチカンで催される復活祭の儀式についてです。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、祖父の埋葬の日だった。埋葬が始まったその時、隣のお墓に花を供えていた小柄なおばあさんが嬉しそうに叫んだ。『ねえ見て、ロジェ、新しくお隣さんが増えたわよ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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opas10

国家収入のほとんどが美術館入場料というのに驚きましたが、これだけの人が毎日見学しているのなら「さもありなん」という感じですよね。あれだけの入場者があるとマメに清掃しないとフレスコ画もすぐに汚れてしまいそうですね。
by opas10 (2011-04-24 20:10) 

月夜のうずのしゅげ

見学者の口から立ち上る湯気は愉快でした。わざとフイルムを細工して湯気が見えるようにしたのでしょうか(笑)
墓地を訪ねると、今自分が生きていることが鮮明になる気がしてぞくぞくします。
ペテロの墓があるとしたら、確実に生きていたことになりますね。
by 月夜のうずのしゅげ (2011-04-24 20:56) 

carotte

opas10さん
確かに、これだけの入場者があるとなると、普通の美術館と同じというわけじゃあなさそうです。でも、メンテナンスにかなりのお金がかかりそうな気もします。それに警備には300人近い人が雇用されてますし.......やはり入場料だけではきびしいのではないでしょうか?寄付とか別の収入がありそうな......。
by carotte (2011-04-24 22:43) 

carotte

月夜のうずのしゅげさん
突然こういう特撮をやらかすんですよね。あのふわふわは、一瞬、なんだろうと思ってしまいました。^^
墓地というのは不思議な空間ですね。
これがペテロのお墓だときっちり証明されたら本当にすごいことです。
by carotte (2011-04-24 23:04) 

soraaane

所変わればですね。
死に対する考え方の違いを感じました。
特にお隣さんが増えたには(^^ゞ
by soraaane (2011-04-25 08:14) 

carotte

soraaaneさん
死者の葬り方も様々ですね。
そして、キリストの弟子に対する聖職者の想いには並々ならぬものがありそうです。
by carotte (2011-04-25 08:48) 

orange

小柄なおばあさん、どうやら来世での生を信じておられるようですね。
微笑ましいですね。日本でもこんな風に語りかけていらっしゃるお年寄りを
時々見かけます。いつも心の中で対話をしているのでしょう。
バチカン、システィーナ礼拝堂の中へ入るととても荘厳なものを感じますね。偶像崇拝を行わないとしているのに?と不思議に思ったこともありましたが、やはり人間、何らかの「証し」を信仰対象に示したいのでしょうね。
それが心の支えとなるのですから。
by orange (2011-04-25 10:52) 

carotte

orangeさん
お墓に話しかけるってことは良くありますね。
バチカン全体が荘厳で権威を感じます。初めて見たときは、あの柱の大きさと数に驚きました。
信者にとってはこのような場所が必要なのでしょうね。そして、教皇自身を間近で見て、その言葉を聞くことで、心が満たされるんでしょうね。
by carotte (2011-04-25 19:59) 

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