ソーヌ=エ=ロワール県の小さな村 その2 〜 ソリュトレの岩山 〜 [ブルゴーニュ地方]
シリーズの二回目は、前回のベルゼ=ル=シャテルから南へ15キロほど下ったところにあるソリュトレ=プイイ村。
下記地図の赤い印のあるところです。
村の人口は400人足らず。ここのお宝は断崖絶壁のある岩山。
故フランソワ・ミッテランは、1981年5月10日に初めて大統領に選ばれて以来、その在任中、毎年ペンテコステの日に約1時間ほどかけてこの岩山にのぼっていたそうです。
この村は、ミッテランと妻ダニエルさんが初めて出逢った場所。ちょうどレジスタンスの頃でした。
そしてこの岩山、有史以前からこの地にそびえたっており、石器時代には、ここを通ってソーヌ川の水を飲みに行っていた野生の馬を、人間が狩っていたとか。下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月10日放送)
この岩山の下に広がる草原で山羊を飼い、チーズを作っているギー・ファヴィエさん。岩山は馴染みの風景になってしまい、あらためてじっと眺めるということはあまりありません。
とは言うものの、古代と現代の二つの史実が刻まれたこの山に引きつけられ、標高493mの頂きまでの険しい山道を登る人たちは大勢います。その数、年間で20万人。
カリーヌさんはこのソリュトレの岩山を眺望できる場所で民宿“La Grange du Bois”を営んでいます。
カリーヌさんの話によると、一日中磁気を放出してきた岩山が、夕方になると次の日のために磁気を溜め込み始めるので、夕方は登らない方がいいと言う人もいるそうです。
岩山ばかりが有名になって、ちょっと置いてけぼりの村ですが、その歴史を記録にとどめようと、村人にインタビューを続けながらがんばっている女性もいます。
また、自分の生まれたこの村一帯を知ってもらおうと、務めていたスーパーセンターを辞めてガイドになった男性もいます。ハイキングの休憩には名産のワインを試飲することもできて、上々の評判だそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、釣りに出かけた。自然の中で晴天に恵まれ、魚も釣れてご機嫌だった。ちょうどその頃、地方のテレビ局がロケに来ていた。上司によると、ビール片手に歩いている私がテレビに映っていたそうだ。その日私は病欠で仕事を休んでいたのだった」
VDM (Vie de merde)より
なんだか「豊かさとは何か」という本のタイトルを思い出しました。
ゆったりとした時間が流れ、自然に囲まれ、美味しい物を丁度いいだけ
楽しみながら頂ける。それで人間は充分に幸せなんだろうなって。
ヨーロッパの国々のそのバランス感覚が羨ましいです。
by orange (2011-05-15 22:53)
carotte さん、おはようございます。
ベルゼ=ル=シャテル村とソリュトレ=プイイ村は、地図で見ると、TGV専用線に近いようですね。ということは、パリからリヨンに TGV に乗ったた時、近くを通ったことになるわけですね。マコン近くの景色は、ぶどう畑がかりだったと記憶しています。
by wattana (2011-05-16 08:02)
orangeさん
私も同じようなことを感じています。
たとえば仕事。適度に働いて適度に休む。合理性に基づいた、バランスを取る習慣が自然と身に付いているような気がするんですよ。
by carotte (2011-05-16 10:02)
wattanaさん、おはようございます。
そうですね、今回紹介する村は全部TGVの線路沿いにありますね。線路からの距離を見ると2キロから4キロくらいあるので、列車から見るのは難しそうです。マコンはブルゴーヌワインの南端で、まだまだぶどう畑が広がってますね。
by carotte (2011-05-16 10:33)
相変わらずヘンなところにばかり目が行ってしまい(笑)、インタビューの際に使っていたICレコーダーが、マイクをモチーフにしているのはわかるのですが、ものすごく大きかったのがとても気になっちゃいました。
by opas10 (2011-05-22 12:18)
opas10さん
確かに、大きいですね。ラジオのマイクみたいな感じです。撮影班も気になったのか、どアップになってました。これだけ大きいのはあまり見ませんね。
by carotte (2011-05-22 21:30)