フランスの地方都市 その1 〜 ユゼス 〜 [ラングドック=ルシヨン地方]
今日から4回シリーズでフランスの地方都市を紹介します。第一回目は、フランス南部ガール県のユゼス。
ユゼスの人口は8,200人ほど。フランス文化省から「歴史と芸術の町と地域(Villes et pays d'art et d'histoire)」としての指定を受けています。
町は、北東数キロのところにある水源地からニームまで水を運ぶ水道橋ポン・デュ・ガールの建設(1世紀頃に開始)と供に生まれたと言われています。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2010年5月17日放送)
灌木林に覆われたこの地方独特の石灰質の大地はガリッグ(garrigue)と呼ばれています。
このガリッグの中に作られた町ユゼスの中心街には、16世紀から18世紀の素晴らしいファサッドを持つ建物が並んでいます。小さな通りを見学コースに沿ってのんびり歩いていると、あちこちで面白い建物に出逢えます。
ユゼスはフランスで最初にできた公国で、その城Le Duché d'Uzèsが今も美しい姿で残っています。
城は1000年ほど前から代々クリュソル公爵家に受け継がれてきました。この公爵家はフランスで最も位の高い貴族だったそうです。現在の所有者で17代目にあたるジャックさんが中を案内してくれました。
最初に見せてくれたのが甲冑の頭の部分。これだけで8キロあるそうです。全体ならゆうに40キロはあったそうで、ひとたび馬から落ちれば二度と馬上には戻れなかったはずとのこと。
サロンにはご先祖の肖像画も飾られています。内装を修復し、代々伝わる家具や調度品を設置しなおして、かつての様子を再現しているそうです。
またここには天守閣を備えた11世紀の塔があり、地上40メートルのテラスから町を眼下に見渡すことができます。城は一般に公開されており、ガイド付きで17ユーロ、天守閣のみなら12ユーロ払えば見学することができます。
また、2つの塔のある領主の館の中庭では、中世の庭が再現されています。当時の文献やデッサンなどを参考にして作られたそうです。見学の最後にはハーブティを飲んで一休み。
町の博物館には、この町を愛したアンドレ・ジッドの遺品や、ユゼスの名産でもあった18世紀の家具や陶磁器が展示されています。
広場Place aux Herbesには土曜日(全日)と水曜日(午前のみ)に市が立ち、夏はちょっとしたお祭りのように賑やかになるそうです。
ここで買い物をしているのが、近くでレストランを営んでいるフランセットさん。お客さんに出していたのは、山羊のチーズにオリーブ油をさっとかけ、マッシュ(ハーブ)とタプナードを添えた一品。
映像の最後を飾っていた美しい丸い塔は、サン=テオドリ大聖堂(Cathédrale Saint-Théodorit)の鐘楼です。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、お城のガイド付き見学中に退屈になって、一緒に行った彼女のお尻をそっと触ったとたん、彼女が隣にいた男をなぐって気絶させてしまいました。それ以来、僕は怖くて本当のことを話していません」
VDM (Vie de merde)より
ゴシック様式がまだ固まりきっていない時期の建物が多いようで、とても魅力的です。フランス人のつぶやき、破壊力のあるパンチをもつ彼女は、もしや南海キャンディーズのしずちゃん?
by opas10 (2011-05-22 12:59)
opas10さん
街中を歩いている人たちが建物を見ながら楽しそうなんですよ。きっと面白いものがたくさんあるんだと思います。
一発で気絶させたらしいから、しずちゃんかも。最近、ボクシングやってますからねえ。
by carotte (2011-05-22 21:45)