フランスの地方都市 その3 〜 オンフルール 〜 [ノルマンディー地方]
シリーズの三回目は、ノルマンディー地方の港町オンフルール。
町は、セーヌ川が英仏海峡に注ぎ込む河口岸にあります。灰色のスレート、海の青、白い雲。19世紀、多くの画家たちがこの町を訪れ、その風景を作品に描きました。
今では、パステルカラーの建物の建ち並ぶ港の向こうには、セーヌ川にかかる近代的なノルマンディー大橋がその勇姿を見せています。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月19日放送)
この番組が放送された当時、様々な船が係留されているVieux Bassinと呼ばれるドックの回りは、たくさんの観光客でにぎわっていました。
町の人口は8,200人ほどですが、毎年、約350万人の観光客が訪れるそうです。
パリからは車で2時間ほど。都会を離れてのんびりできます。港でスケッチをしている地元の人もいました。町の風景も少しずつ変わっているとか。
15世紀から17世紀にかけての大航海時代には重要な船の拠点として、19世紀には重要な交易の町として栄えましたが、現在は、セーヌ川を数キロさかのぼったところにあるルーアン港に付随する港という役割でしかないそうです。
かつては50隻はあった漁船も今では12隻ほどに減ってしまいました。そのうちの3〜4隻がエビを穫る船だそうです。
ドックの入り口にある店は、ユーモア作家アルフォンス・アレー(Alphonse Allais)の両親が営んでいた薬局で、彼はここで生まれました。店の上が記念館になっています。
本人が発案した四角いミルクパンなる鍋の設計図がでてきました。ここにミルクを入れておけば腐らないという意味なのですが、これはちょっとした駄洒落です。フランス語でtournerは「回る」という意味と「変質する(つまり腐り始める)」という意味があり、四角なら回りにくくて、ミルクは腐らないというわけです。
他にもエリック・サティ記念館、ウジェーヌ・ブダン記念館などがあり、ちょっと個性的なアーティストが町の歴史に名を連ねています。
毎週土曜日の朝、サント=カトリーヌ広場では市が開かれます。ここには、サント・カトリーヌ教会という木造の教会があります。側廊が2つという珍しい教会です。
サント=カトリーヌ教会の正面
カフェ兼レストランを経営しているピエールさんは、2001年の町長選に立候補したことがあるそうです。港から船を追い出し、ドックをアイススケート場にするとか、金魚を飼う池にするなどというとんでもないマニフェストを掲げたそうですが、それでも20%近い得票率だったそうです。
こういう奇抜な発想を受け入れる気風がここにはあるのかもしれません。
オンフルールにはまだ洗濯場が残っています。赤いジャケットのジャクリーヌさんは8歳の時からこの洗濯場に通っているとか。ここへ来ると昔のことを思い出すそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「私はお笑い芸人になってかなりになります。今日、ステージにあがろうとして、階段につまずいてしまいました。でも、こんなに皆さんに笑ってもらったのは初めてです」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、おはようございます。
港の露店で売っていた魚 carrelects 、
カレイのことですか?
by wattana (2011-05-21 08:32)
今も昔の絵画も変わらぬ観光客の多さですね。
観光と言うと、どこかを見てまわらなきゃいけないと思う私にとっては、
バケーションに集まる人たちが不思議な感じに見えてしまいました。
by soraaane (2011-05-21 12:04)
wattanaさん、こんにちは。
そのようです。
carrelet(カルレ)で、発音が日本語と似てますね。
by carotte (2011-05-21 14:35)
soraaaneさん、こんにちは。
休暇の過ごし方がちょっと日本人とは違っているかもしれません。長期で同じところに滞在してゆっくり過ごすというのが一般的ですね。
オンフルールは観光地で、遠く海外からも人がやってくるようですから、本物の観光客が集まっていたみたいです。中国人も大勢いました。跳ね橋がすずなりになっていて驚きました。
by carotte (2011-05-21 14:40)
印象派の絵に出てくるような趣ある港町ですね。観光客が殺到するのもわかります。洗濯場が残っているというのがまたいいですね~。
by opas10 (2011-05-22 14:07)
opas10さん
ドックの回りに立ち並んでいる建物と、ドックの中に停泊している船の組み合わせが魅力的な町です。あの赤いジャケットのおばさんは今でもあの洗濯場で洗濯してましたからりっぱです。
by carotte (2011-05-22 22:00)