コレーズ県の宿 その4 〜 夕食が楽しみな宿 〜 [フランスのお宿]
シリーズ四回目の宿は、「フランスで最も美しい村」の一つテュレンヌ村にあります。
下記地図の水色のところです。
人口800人ほどの小さな村テュレンヌ(Turenne)は、小高い丘に階段状に出来た村です。ここに今日の宿Le Clos Marnisがあります。
宿の自慢は、ご主人の作るクルミのタルトと、奥様の作るグリンピースの甘辛煮。ご主人のお母さんから教えてもらったレシピだそうです。
自慢は料理だけではありません。宿は1739年のものを修復したという歴史ある建物。革命時までは、Confrèrie des pénitents blancs(白い告解者の会)という団体が使っていたそうです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年6月9日に放送)
Confrèrie des pénitents blancs(白い告解者の会)とはあまり聞き慣れない名前ですね。白い服でも着て、集団で懺悔でもするのかと思いきや、ちょっと違っていました。
熱心なカトリック教徒である一般市民の集まりではありますが、その目的は懺悔ではなく、カトリック教の促進と慈善活動だったそうです。
このような団体はフランス各地にあり、その背景にはプロテスタントとカトリックの争いがあったようです。
このテュレンヌは、16世紀末、国王アンリ四世がカトリックに改宗したことでカトリック勢力圏になり、その勢力維持のためにこのような団体が活動していたそうです。
また、この団体は地方毎に色分けされ、白の他に、赤、青、黒、灰色などがあったそうです。
テュレンヌは、15世紀から18世紀前半までは子爵領として栄え、丘のてっぺんにはテュレンヌ城がそびえていました。しかし、最後の子爵が賭け事で借金を作ってしまったため、領地を国王であるルイ15世に売却してしまいます。そしてルイ15世は城塞の取り壊しを命令します。
領地を売らなくてはならないほど賭け事に夢中になっていたとは……どんだけ!って言いたくなりますね。
現在、残っているのは12世紀に作られたセザールの塔(旗が立っている塔)と、13世紀に作られた時計台の塔のみ。住居部分は壊されてしまい、今はフランス式庭園になっています。
宿の入り口。画像の右側に宿泊用の建物がある。真ん中は庭。
丘の上に時計台の塔が見える。
宿では、夕食の前に庭で食前酒をふるまってくれるようです。この日は、ブラックワイン、梨の果実酒、スモモの果実酒の三種類でした。
宿泊客とオーナー夫妻がそろって賑やかな夕食会でしたが、お客さんの中にシャンパーニュ地方の方がいたようで、お持たせのワインを皆さんでお飲みになっておりました。
朝食込みの二人で一泊59ユーロ。夕食は飲み物すべて込みで一人25ユーロ。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、自動車学校の先生からシャンパンをもらった。試験に合格したからではない。めでたく150回目の教習を迎えたからだ」
VDM (Vie de merde)より
綺麗な陽光の中での食事、心地よさそうなお部屋での食事。
それぞれの食卓でみなさん楽しんでいらっしゃいますね。
スパークリングワインが美味しそうです。
by orange (2011-06-17 12:20)
orangeさん
日本で言えば、ペンションみたいな家庭的な雰囲気の宿ですね。個人的には甘辛煮のグリンピースがどんなお味なのか気になってます ^^;
by carotte (2011-06-17 17:04)
carotte さん、こういう地方の宿泊施設に泊まるお客さまは、何泊くらいするのでしょうか?1泊ずつして移動をするのか、ゆっくりと連泊するのか、どうなんでしょうか?
by wattana (2011-06-18 17:02)
wattanaさん
今回の宿泊客は週末を利用して来ているような気がします。そうなると、一泊か二泊じゃないでしょうか?夏休みや冬休みなどの長期の休みとなると、一泊で移動というのはあまり考えられないですね。連泊すると思います。
by carotte (2011-06-18 19:57)
まだ日の高いうちから屋外で食前酒って、贅沢で羨ましい時間です。そして持ち込みのシャンパーニュワインがとても美味しそうで・・・。
by opas10 (2011-06-19 20:41)
opas10さん
やはりシャンパンがあると場が華やぎますね。
食事も入れて宿泊代が二人で15,000円も行かないくらいですから、かなりお得です。
by carotte (2011-06-19 22:54)