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400歳の灯台 [フランスのお宝]

 前回のラ・ロシェルから約70キロほど南下したジロンド河口に、建設から400年と言う年代物の灯台があります。

 

Paris_Cordouan.jpg

 

 ボルドーを横切って流れるガロンヌ川が、ドルドーニュ川と合流し、ビスケー湾へと流れ込んでいる全長75キロの河口がジロンド河口です。

 

 地図でみると、6角形をしたフランスの国土の一辺に、はさみで切り込みを入れたように見えます。

 

 この河口の入り口に建っているのがコルドゥアン灯台(Phare de Cordouan)。別名「海のヴェルサイユ宮殿」と言われるほどゴージャスな灯台なのです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年6月12日放送)

 

PhCordouanTV.jpg

 

 高さ68メートル、土台の直径は16メートル。フランスでは、以前に当ブログで紹介したことのあるイル・ヴィエルジュ(Île Vierge)の灯台についで二番目に高い灯台です。(以前の記事は→こちら

 

 7階建てで、最上階までは311段の階段があります。

 

 一階は玄関、二階は「王の家(appartement du Roi)」と呼ばれる部屋があり、床は白と黒の大理石に覆われ、天井はアーチ型、本物の暖炉が設置され、壁の柱は国王ルイ14世とその王妃マリー=テレーズのモノグラムで装飾が施されるという豪華な作りになっています。残念ながら、ここには国王の誰一人として滞在したことはないそうです。

 

 三階は礼拝堂。こちらも天井はアーチ型。八つの窓とステンドグラスを含む豪華な装飾は、中途半端な建物ではないことを物語っています。

 

 四階は白と黒の大理石の床でできた明るい広間、五階、六階は踊り場、そして七階にライトが設置されています。

 

 五階と六階の間に当直用の部屋があり、かつては灯台守のための収納式のベッド2台が設置されていたそうです。

 

 現在この灯台は、フランスで最後の有人の灯台(三人の交代制で、常に二人が滞在するシステム)ですが、宿泊所は別の場所にあります。また、ランプは自動制御運転。有人の目的はメンテナンスと破壊行為防止のためだそうです。

 

 この辺りは海の墓場と言われたほど危険だったそうです。施工から27年目の1611年に最初の明かりが点されました。その後、幾度も修復が行われ、今年で400周年を迎えます。

 

Cordouanchastillon

 17世紀始めの完成前後の灯台

左端に見える小さな塔は、これより以前に造られた灯台

 

 この灯台には常にその時代の最先端技術が使われて来たそうです。1790年にはパラボラ型反射鏡を備えた回転式光源が、また1823年には灯台としては初めてフレネルレンズが使われました。

 

 1862年に、あのパリのノートルダム大聖堂などとともに、早々と国の歴史的建造物として文化財に指定されました。

 

 毎年15,000人ほどの見学者が訪れるそうです。訪れた人の中にはリピーターも多いようです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、彼女とディズニーランドに行った。そして、タワー・オヴ・テラーに乗った。怖かったけど男としてノーとは言えなかった。出口のところで彼女が、女の子がずっと悲鳴を上げていたとバカにしたように言った。でも、それは僕なんです」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

orange

灯台とはいえ、なかなかの造りですね。
本当に教会の中を思わせる様な構造です。
歩いて灯台へ行くための道もなかなか趣がありますね。

by orange (2011-06-26 11:02) 

opas10

灯台のインテリアが凄いですね~。ホントに宮殿か、と思うくらいの豪華さでした。建設するには苦労が多そうな立地ですね。
by opas10 (2011-06-26 17:05) 

carotte

orangeさん
昔は実用一点張りじゃあなかったんでしょうね。礼拝堂のある灯台なんて初めて見ました。日本だったら神棚ですかね。
あの道は、満ち潮の時は海に沈んでしまうみたいです。

by carotte (2011-06-26 21:11) 

carotte

opas10さん
仏版のwikipediaにはかなり詳しく出ていて、ほんとに建設は大変だったようです。あの海の中に足場を作るのは簡単ではないでしょうし、資材を運ぶのも手がかかりますね。人夫を動員するとなると、食料、宿泊所等々でだいぶ大掛かりになります。一代では完成できず息子が後を継いで続けたようです。
by carotte (2011-06-26 21:20) 

soraaane

灯台とは思えない豪華さに驚きました。
ジロンド河というと、ワインしか思いつかないのですが(^^ゞ
こんなに素敵な灯台があるんですね♪
by soraaane (2011-06-27 09:36) 

carotte

soraaaneさん
そのワインやらなにやらを運ぶための船がここらあたりを行き来していたのではないかと思うんですよ。
時代とともに外側の装飾はどんどん簡素化されていったみたいですが、中は豪華なままですね。
by carotte (2011-06-27 12:04) 

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