昔ながらのエコな製品 その2 〜 肝油 〜 [メイド・イン・フランス]
魚の肝臓から取れた油が肝油(かんゆ)。
「かんゆ」と聞くと小さい頃を思い出します。学校で週一回だったか、回りに甘いお砂糖のついた肝油ドロップ2粒ほどが配られ食べた記憶があります。自宅にも缶入りのが置いてありました。目的はビタミンの補給。
しかし、これも時の流れとともにいつの間にか姿を消してしまい、肝油ドロップを口にすることはなくなりました。この肝油を今でも作っている工場がノルマンディの港町フェカン(Fécamp)にあります。
フェカンは、かつてはタラ漁が盛んだった港町で、ここで肝油が作られていました。
タラの肝臓を蒸気で蒸し、細かく砕き、そこから抽出したのが肝油です。今ではここでタラの姿をみかけることはなくなりましたが、一軒だけ肝油工場が製造を続けています。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2009年10月1日放送)
肝油の製造には匂いがつきもの。さらに、皆、飲むのを嫌がっています。あまり美味しいものではなさそう。しかし、ビタミンAとDがたっぷり含まれています。良薬口に苦し?
現在も製造を続けている工場は、肝油をアイスランド、ノルウェー、デンマークなどから輸入しています。輸入量は年間600トンほど。
輸入した肝油は何度かフィルターにかけられ不純物が取り除かれます。
フィルターに残った白い塊は、靴墨や牛や馬の蹄の手入れ用薬品の製造に使われます。
不純物が取り除かれた肝油は、さらに脱臭・漂白され瓶に詰められます。
この肝油を使って作られた製品が薬局で売られています。
まずは切り傷などに効く薬用クリーム。赤ちゃんのお尻にも塗ったりするそうです。次に飲みやすいようにカプセル状にしたもの。また、そのままスプーンで飲めるように改良されたものもあります。昔に比べればだいぶ飲みやすくなっているそうです。
そして、牧場に運ばれ、牛のエサに混ぜられる肝油もあります。
因に、牧場主のステファンヌさん、肝油を飲むのはご勘弁願いたいそうです。牛には食べさせても自分では飲みません。牛が美味しく食べているかどうかは不明。
完成した肝油を、かつてタラ漁にでかけ肝油を作っていたご夫婦に味見してもらいましたが、やっぱり「まず〜い」だそうです。
日本で食べていた(今も河合製薬が作って販売している)肝油は、子供でも摂取しやすいように甘いドロップにしたものだったようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、そしてもう二週間も前から、毎朝、ビタミンたっぷりで美味しいというミックスジュースを妻に飲まされている。そのミックスジュースとは、リンゴと梨とアボカドとトマトとキュウリとバナナを混ぜたもの。味はご想像におまかせします」
VDM (Vie de merde)より
肝油ドロップ、なつかしいです。
夏休み前に、購入申込用紙が配られた記憶があります。
でも、買ってもらえなかった。(笑)
by 島酔潜人 (2011-07-01 13:24)
島酔潜人さん
肝油ドロップご存知ですね。これはある年齢以降の方でないと分からないかもしれません ^^;
ドロップの方は甘くて美味しいのでついつい食べ過ぎてしまいそうになったりしました。買ってもらえなくて残念でした。
by carotte (2011-07-01 17:10)
まだopas10がホッペタの赤い可憐な少年だった時代(!)、最後に1粒もらえるカワイの肝油ドロップ目当てにオルガン教室に通ったものです。それにしても今回画面に登場した皆さんがみんな顔をしかめているのがものすごく笑えました。
by opas10 (2011-07-03 11:37)
opas10さん、ご存知でしたね。
肝油は甘くて美味しいものというイメージしかなかったのですが、どうやらあの中には、苦くてまず〜いものがたくさん入っていたみたいです。司会のペルノーさんも、「イヤーな思い出がある人もいるかもしれまんが」と言ってました。
by carotte (2011-07-03 17:57)