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ランドの闘牛 [アキテーヌ地方]

 あの牛追いで知られるスペインのお祭り「サン・フェルミン祭」が始まりましたが、少し変わった闘牛がフランスのランド県で行われています。

 

Paris_Larbey.jpg

 

  

 調べてみると、どうも世界には4つの種類の闘牛があるようです。

 

1. いわゆる一般にスペインなどで行われている闘牛

2. 闘牛士が馬にのって雄牛と戦う闘牛(ポルトガル)

3. 競技者が牛の前頭部につけられた3種類の小さな飾りのようなもの(attributsと言う)を素手で取るという闘牛。(南仏カマルグ地方)

4. 今日、紹介するランドの闘牛。

 

 ランドの闘牛の特徴は2つ。まず雄牛ではなく雌牛を使います。そして、スペインの闘牛とは異なり、後にも先にも牛を殺すことはありません。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年6月20日放送)

 

landTV.jpg

 

 ご覧のとおり、ランドの闘牛士には二種類あります。一つは、走って来る牛を待ち構え、ぶつかる寸前にすばやく跳び上がって牛を跳び越す闘牛士(sauteur)(「跳ぶ人」の意味)。もう一つは、走って来る牛を立って待ち構え、ぎりぎりのところで身をかわす闘牛士(écarteur)(「かわす人」の意味)です。

 

 闘牛用の牛は、それ専門の牧場で育てられます。映像に登場した牧場では300頭を育てているそうです。

 

 闘牛の日の朝、アリーナに送り出す牛を選びます。当然ながら野性的で攻撃的な気質の牛が良いそうです。選ばれた牛の角にはテープが巻かれます。

 

 闘牛士は、衣装を身に着け、音楽とともにアリーナに登場します。皆が揃ったらいよいよ闘牛の始まりです。なにやら町の一大イベントといった雰囲気。

 

 さて、跳び上がって牛をやり過ごす競技では、両足をヒモで縛ったり、ベレー帽に両足を突っ込んだまま跳び上がるなどいくつか種類があるそうです。

 

 いずれもタイミングを間違えると、牛と正面衝突。大きな事故にならないとも限らない危険な競技です。

 

 競技の間、牛の角にはロープがかけられ、担当者がロープを操作して牛をコントロールします。熟練の技が要求される仕事です。

 

 そして、一頭だけロープなしで自由に走れる牛がいます。それは初めてアリーナに上がる牛。

 

 ランドの闘牛は、15世紀頃にはすでにあったことが確認されています。当時は、通りに牛を走らせ、その上を飛び越すという、今よりずっと原始的な競技だったようです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、14歳になるむすこの部屋を掃除していたら、学校に提出する進路調査票をみつけた。『なりたい職業は?』の質問に対する息子の返事を読んで愕然。『大きくなったら、雌牛をたくさん飼って、Kiri(チーズ)をたくさん手に入れたい』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

orange

角に布が巻いてあるとはいえ…危ないですねぇ。
踏みつけられている人もいましたが、なにしろ重たいですからね。
血を流さないのがいいかもしれません。
避けている格好がちょっとユーモラスですが、命がけですね。
by orange (2011-07-08 21:00) 

carotte

orangeさん
なにしろ牛の身体ぎりぎりにすりぬけるのが一番いいらしいんですよ。ちょっと子供っぽい遊びのようにみえますね。でも、命がけなんですよねえ。あんな巨体の下敷きになってしまったら肋骨の一本や二本、折れてしまいそうです。
by carotte (2011-07-08 22:00) 

opas10

あ~面白い・・けど怖いですね~。闘牛士が胴巻きをするのに、人間がクルクルまわって巻きつけているのがちょと笑えました。
by opas10 (2011-07-10 12:05) 

アヨアン・イゴカー

こういう闘牛は面白いでしょうね。
by アヨアン・イゴカー (2011-07-10 15:34) 

carotte

opas10さん
牛がまっすぐ向かってきますから怖いですよ〜。
長い胴巻きでした。5メートルはあるんじゃないですかね。
by carotte (2011-07-10 21:13) 

carotte

アヨアン・イゴカーさん
刃物もなければ血も出ませんから、またちょっと雰囲気の異なる闘牛ですよね。
by carotte (2011-07-10 21:15) 

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