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ローカル線の小さな旅 その2 〜 海へ向かう小さな列車 〜 [ブルターニュ地方]

 緑の党のエヴァ・ジョリー氏の「7月14日の古くさい軍事パレードはもうやめにしよう」発言から始まった騒動は、昨日はまた違った展開になってきました。

 

 首相のフィヨン氏が、ジョリー氏が生粋のフランス人ではないことを理由に「彼女はフランスの伝統や文化を理解していないのでは?」と言ったため、今度はフィヨン氏が野党側の攻撃の的になるはめに。

 

 「出生地や国籍で人を判断するのは首相としていかがなものか?」とか「そういう考え方は極右的だ」などなど。

 

 考えてみると、サルコジさんだってお父さんはハンガリー人で、ご先祖さまをたどって行くとユダヤ人の血も混じっているとか。フランス人自体いろんな国の血が混じっていて、生粋のフランス人ってどこにいるの?という気もします。

 

 さてさて、「人」の話は別にして、「土地」の話にもどりましょう。

 

 今日は、ローカル線の旅の二回目。ブルターニュ地方モルレーからロスコフへ向かうローカル線です。 


Paris_RosMor.jpg

 

より大きな地図で 海へ向かう小さな列車 を表示

 

 車両は一両だけ、所要時間30分ほどの短い鉄道ですが、窓のむこうにはブルターニュ地方独特の風景が広がっています。遠くには海も見え隠れしています。そして、珍しいのがアーティチョーク畑があること。

 

 1883年に開通したこのライン、ぎりぎりで廃線を免れました。現在は観光列車として営業しています。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年7月12日放送)

 BretagnetrainTV.jpg

 

 この列車、毎年8,000人の観光客をロスコフまで運んでいるそうです。

 

 ロスコフは港町。私掠船の町として知られています。歴史を感じさせる石造りの街並を見物し港をそぞろ歩いたら、今度は観光船に乗って海を散策です。

 

 最初に登場した小さな島はルエット島(l'île Louët)。島の灯台の横にある建物は最近ジット(民宿のような宿泊施設)になったそうです。なんかちょっと面白そうですね。泊まってみたい気がしますが、嵐の時が大変そうです。

 

Baie de Morlaix - Ile Louët - château du Taureau-012

 ルエット島とトロー城

 

 そのルエット島のすぐそばには、海に作られた城塞トロー城(Château du Taureau)があります。対イングランドの防衛の要所として16世紀に造られました。

 

 1522年、フランス軍の留守を狙ってイングランドの兵士がこの地に上陸し、商人になりすましたまま、まんまとモルレーまで侵入してきます。翌日、この知らせを聞いたフランス軍がかけつけると、住民を殺害し、家々を焼き払い、略奪を働いたイングランドの兵士たちは、勝利を祝うため奪ったワインをしこたま飲んだ上げく眠り込んでいました。おかげで難なくフランス軍はイングランド兵を撃退。しかし、この事件をきっかけに、油断してはならじと、この城塞が造られたそうです。

 

 続いて、船は湾の中へと進んでいきます。湾岸の景色を楽しんでいるうちに、出発地モルレーへ戻ります。

 

 今回の観光コースは、行きは列車で帰りは船で、という趣向になっていました。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、旅行鞄を持ったアパートの隣人に出くわした。関係改善のために愛想良く話しかけてみた。『ははあ〜、バカンスにおでかけですね』すると隣人が言った。『いいえ、離婚したんです』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

orange

ローカル線でもカッコイイですね。
デザインが素敵です。
小さな要塞の島。フランスにはこんな風景もあるのですね。

by orange (2011-07-17 21:42) 

carotte

orangeさん
一両しかないので軽快に走ってました。
この辺りはイングランドとの戦いが激しかった地域なんでしょうね。石造りの要塞は丈夫そうです。
by carotte (2011-07-18 09:03) 

opas10

ルエ島の宿は気になりますね。夏は気持ちよさそうですが、確かに嵐の時はスリル満点なんでしょうね(笑)。ジョリー氏と首相の発言への国民の反応、なんだか成熟した感覚を感じます。狭量などこかの国だと、首相がしたような発言の方が歓迎されそうですから(笑)
by opas10 (2011-07-18 17:12) 

carotte

opas10さん
嵐のブルターニュ地方の海はすごいですからねえ。相当スリルあると思いますよ。
生まれが日本じゃない人がジョリー氏みたいに日本のしきたりについて否定的な発言をしたら、日本ではかなり抵抗がありそうですね。どこの国にもよそ者にとやかく言われたくないという感覚はあると思うのですが、フランスだと、必ずそれに対して別の意見が出て来て、一つの方向に流れてしまわないようになってるような気がします。
by carotte (2011-07-18 21:43) 

wattana

carotte さん、大森由紀子さんが書いた「フランスお菓子紀行」を今読んでいます。その中に ~最果ての町ブレストで、最高のクレープに出合った~ と書いてあり、本場、本物のガレットを食べてみたくなりました。
ブルターニュ地方へは何度も行きましたが、フェニステール県まで行ったのは2回ほどです。モルレーは車で通過したことがあります。
by wattana (2011-07-21 11:00) 

carotte

wattanaさん
私はまだこの半島には行ったことがないので、ぜひ行ってみたいです。もちろんクレープも食べてみたいです。本場へ行く味が違うんでしょうかね。ブルターニュ地方はクレープも名物ですが、荒々しい自然の風景もまた独特ですね。そう言えば、だいぶ前にBretagneが商標登録されたというようなニュースを聞きました。名前も商品価値があるんでしょうね。
by carotte (2011-07-21 19:33) 

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