ローカル線の小さな旅 その5 〜 高架橋を走る列車 〜 [フランシュ=コンテ地方]
シリーズの最後は、フランス東部ジュラ県を縦断するローカル線、ドールからサン=クロードを結ぶ123キロです。
1862年に着工、1912年に開通。完成までに50年の歳月が流れました。
かつてはこの地域の産業を支えるために造られた鉄道ですが、今は子供の通学の足として、また観光用として利用されています。観光用の列車はガイド付きで、見どころなどを解説してくれます。
ドールを出た列車は、しばらくは平らな緑の草原を走りますが、後半から徐々に高度を上げ、標高948メートルまで登って行きます。
トンネルの数36、鉄道橋18。山の中にそびえ立つ何本もの鉄道橋をすいすい走っていくその姿から「つばめライン」と呼ばれています。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年7月15日放送)
パストゥールの生まれ故郷ドールで列車に乗り込み、車窓の風景を楽しんでいると、ワインの産地で知られるアルボワ(Arbois)の葡萄畑が見えてきます。
昔はここで列車を止め、シャンパンを飲みながら美しい風景をながめたそうです。ちょっとやってみたい気がします。
列車はさらにいくつかトンネルをぬけながら旅を続けます。
リュックを背負った子供たちが乗り込んできたのはショー=デ=クロトネの駅。ここには林間学校が4つもあるそうです。カフェのお姉さんが誇らしげに言っていました。
人口400人ほどの小さな村にはカフェが一軒とちょっとさびれてしまってますが、近くには美しい姿を見せる鉄道橋があります。
列車はこのあたりから徐々に高度を上げて行き、それに従って鉄道橋の数もトンネルの数も増えて行きます。
ここからが「つばめライン」のハイライト。
モルビエ(Morbier)からサン=クロードまでにかけられた鉄道橋は、ちょっとしたジェットコースターのよう。文化財にも指定されています。
この鉄道橋を下から眺めるガイド付きツアーもあるそうです。
映像に登場したのはモルビエの鉄道橋。20世紀初頭、仕事を求めてフランスにやって来たイタリアの石工によって作られました。これだけの高さの橋を造るとなると危険と隣り合わせ。事故で亡くなった人もいたそうです。
ここまでして列車を通したのは、この地域にある産業を支えるためでした。ここには映像に登場したようにメガネ工場があります。
松の木の茂る山々を走る列車は、いよいよ終点のサン=クロードに到着です。ここは、職人の町。特に、パイプの製造、ダイヤモンドや宝石のカットで知られているそうです。
映像には登場しませんでしたが、この「つばめライン」の途中には、世界遺産に指定されているアル=ケ=スナンの王立製塩所があります。(上記地図の赤いピン)
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、あわてて家を出てしまいメガネをかけ忘れてしまった。そのまま車を運転していると運悪く警官に止められ免許証の提示を求められた。しまった!と思っていると、警官が言った。『メガネは頭ではなく目にかけるように』」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、おはようございます。
ジュラは行ってみたいところです。パリ・リヨン駅からドールまでTGVで2時間くらいですね。アルボワで泊って、ブザンソンへ・・・などと旅程(案)は作ってありますが、なかなか実現できないです。
by wattana (2011-07-21 10:46)
wattanaさん、こんにちは。
アルボワはキレイなところみたいですね。ワインも飲めそうです。
日本からフランスはやぱり遠いですね〜。なにしろ日本は「極東」ですから。
列車の旅は好きなので、今回のローカル線シリーズはどれも乗ってみたいです。
by carotte (2011-07-21 19:25)
列車と止めてシャンパンを飲みながらあの景色を愛でるとは、すごい贅沢ですね。石の鉄道橋、規模といい数といい半端じゃないです!それにしても日本だとハイカーが線路に入る画は、危険だと言って絶対にオンエアされないでしょうね。
by opas10 (2011-07-24 14:40)
opas10さん
わざわざ列車を止めてシャンパンで風景を楽しんだというのは、ちょっと可笑しい気もしますね。線路に立ち入ってる映像を見て大丈夫なのかなと思ったのですが、本数がそう多くないのかもしれません。
by carotte (2011-07-24 16:59)