エッフェル塔 その１ 〜 建設から現在までの歴史 〜 [フランスのお宝]
フランス最大の名所、パリのエッフェル塔を３回シリーズで紹介します。まずは、その建設と構造についてのお話です。
1900年のパリ万博の様子をおさめた白黒映画。ここに映るエッフェル塔は、脚と一階部分だけですが、当時は会場を代表するアトラクションになっていたそうです。
エッフェル塔に初めて観光客が上ったのは、それからさかのぼること11年、一つ前のパリ万博開催中の1889年5月15日のことでした。
当時の高さは312メートル。世界一高い建築物でした。そしてその座を41年間守ったそうです。
これを作ったと言われているのがギュスタヴ・エッフェル。動くエッフェルさんを見たのは今回が初めてです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。（フランスのTV局TF1で2009年5月11日放送）
建設当時は、「非常識！」「こんなもの作れっこない！」などと言われたそうですが、当時、あちこちで作られた鉄骨構造の橋を塔作りに応用すれば良かったので、エッフェルには確信がありました。
そして、上空の強風に耐えうる建築物となるとこの形に落ち着いたのだそうです。
日本なら風だけではなく地震も考慮しなくてはなりませんが、あちらは風が一番の懸念材料だったんですね。
1887年に始まった建設には250人もの人々が動員され、完成までの2年間、冷たい風にさらされながら高所での作業にあたりました。
20,000個にもなるパーツは別の工場で作られ、現場の作業員がリベットを使って組み立てました。
この時の白黒写真は1888年頃に撮影されたもの。残された写真や銅版画などから、蒸気クレーンでパーツを持ち上げながら組み立てて行き、てっぺんまで上がって行ったことが分かります。鉄骨は今もその時のままのものです。
芸術家からはパリの風景を台無しにしてしまうと非難されましたが、完成とともに一般市民は大喜びでこの塔に上ったそうです。
白黒の映像には、鉄骨の間から昔のシャイヨー宮が見えていました。今とはだいぶ違っていますね。
エッフェル塔の名物の一つがエレベーター。当時のままに今も蒸気で動いています。当時は画期的だったそうです。
このエレベーターがたくさんのお客を運んでくれたおかげで、1年も立たないうちにエッフェルは、自腹で出した工事費700万フランを回収したそうです。
技術責任者のイヴさんは、「部品を取り替えたりはしているが、システムは昔のまま。120年も大きな事故もなく動いているのは素晴らしいことだ」と言っていました。
そんなエッフェル塔ですが、1909年以降には壊される可能性もありました。
実はエッフェル塔の経営権は、1890年〜1909年までエッフェル個人にあり、1909年以降は解体の可能性もあったのですが、この塔で行われる科学実験が評価され、さらに70年の経営権の延長が認められたのだそうです。
エッフェルさん、建築家というだけでなく企業家としても優れた人だったのですね。
テレビの地デジ化により、イル・ド・フランス圏の信号はすべてこのエッフェル塔からのものだそうです。
さて、エッフェル塔はパリ市の所有ですが、その経営権は現在SETEという株式会社が持っています。株の60%はパリ市が、残りの40％はいくつかの民間企業が所有しています。
なんとその民間企業の中にあのルイ・ヴィトン・グループが入っていました。手広くやってますねえ。
＊＊＊＊＊＊＊＊ フランス人のつぶやき ＊＊＊＊＊＊＊
「今日、たくさんの荷物を持って小さなエレベーターに乗り込んだ。そして思った。『もし、ドアがお尻に触ったらダイエットするぞ！』しかし、それどころか、お尻がひっかかってドアは閉まらなかった」
VDM (Vie de merde)より
建築家だけでなく経営者としても優れていたエッフェルさん、日本でいうと三越や昔の東京証券取引所を設計した横河民輔みたいな存在だったようですね。それにしても今回一番心奪われたのは、番組冒頭のベタなCMでした。フランス人のつぶやきのネタからしてcarotteさまも同じだったようで（笑）。
by opas10 (2011-07-30 12:24)
opas10さん
日本にもエッフェルさんみたいな人がいたんですね。
そのCMは、緑色のコレステロール君が出て来るCMですね。確かに気になります、コレステロール。で、ジム通いが続いております。念のため付け加えますと、エレベーターの扉は余裕で閉まっております ^^;
by carotte (2011-07-30 18:58)