サクレ=クール寺院 [フランスのお宝]
エッフェル塔と同じようにパリの街を見下ろしているのが、モンマルトルの丘にあるサクレ=クール寺院。
今では巡礼者より観光客の方がその数で上回っているそうです。しかし、ひとたび寺院の中に入ってみると、その宗教的な荘厳さに圧倒されます。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年4月11日放送)
一番に目を引くのが、後陣の天井に描かれた大きなキリストの絵。
初めてこの寺院の中に入った時、ぼーっと見とれていたら、日本人のシスターの方が中を案内してくれたことがありました。
おかげで、ここが寺院なのだということを再認識したのでした。
シスターの役割はいろいろありますが、お祈りにやってくる信者のお世話もその一つ。
土曜日の夕方、洗礼のためにやってきた40人ほどの信者を宿泊用の部屋に案内します。ここには宿泊施設もあったんですねえ。知りませんでした。
寺院は夜11時に門が閉じられ消灯されますが、宿泊している信者は夜の間も祈りたい時にここへきて祈ることができます。これが毎日、125年間続いています。
翌日の日曜日には、別の巡礼者がやってくるのを出迎えます。出迎えると言っても、門の中から。シスターは寺院の外には出ないと誓っているので門の外には出られないそうです。
そして、食事会のために150人分の配膳をするのもシスターの仕事です。
また、サクレ=クールには8人の神父が暮らしており、日曜日のミサに参加するため地方からやってきた子供の指導に当たります。
今回は、4人の子供たちが「堅信」をうけます。
ミサが終わって寺院の扉の外に出れば、眼下にパリの街が広がっています。
神父の一人は、この眺めを前にすれば、人生はさらに豊かで素晴らしいものだと思えるようになるとおっしゃっていました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、5歳になる息子をミサに連れて行った。カトリックのミサがどんなものか教えようと思ったのだ。お祈りが終わって寄付の時間になった。その時、『ちぇっ、これもお金払うのか!』息子の声が教会中に響き渡った」
VDM (Vie de merde)より
この白い姿がとても素敵ですね。
そしてなによりもサクレクールと言う言葉の響きが好きです。
季節のお花をあしらったテーブルセッティング。温かさを感じます。
やはりパリは魅力的な街ですね。
by orange (2011-07-29 22:57)
>『ちぇっ、これもお金払うのか!』息子の声が教会中に響き渡った」
お金やら人間関係やらビジネスを考えないで接することのできる宗教はないのか、と言う本質的な疑問のように聞こえます。
サクレ=クール寺院、俗人とこれだけ接すると・・・なんだか永平寺などを連想してしまいました。
by アヨアン・イゴカー (2011-07-30 08:15)
orangeさん
サクレクールって最初はいったいなんだろうと思っていたのです。綴りを見て初めて意味が分かりました。あの門から一歩も外に出られないなんてもったいない ^^; 皆さんそれぞれに神の啓示があったんでしょうねえ。
by carotte (2011-07-30 09:31)
アヨアン・イゴカーさん
つぶやき、ちょっとシニカルだったですかね。この子は恐らくお母さんかお父さんの口癖をまねたんじゃないかと思うんですよ。
こういう映像を見ていると、宗教は神聖な精神世界と俗世間のどちらも必要なんじゃないかって思いますね。どちらが欠けても成立しないという気がします。
by carotte (2011-07-30 09:39)
もう礼拝堂のフレスコ画が見事!これは実物を前にしたら絶対に見とれちゃいますよね。宗教には舞台装置が非常に重要な役割を果たします。carotteさまがおっしゃるように、礼拝堂内部のような荘厳な精神世界と、丘の上から眺めるパリの街のような俗世間との繋がりの二つとも必要なんでしょうね。
by opas10 (2011-07-30 12:55)
opas10さん
とにかく教会というものは、これでもかっていうほどいろいろな装飾で盛り上げますよね。それ自体が俗っぽく見えたりする時もあるんですけど。
パリはいろんなものがごちゃ混ぜになったような街でとても面白いところなんですよ。
by carotte (2011-07-30 19:18)