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要塞都市 その3 〜 サン=マロ 〜 [ブルターニュ地方]

 シリーズの三回目は、予告通りサン=マロ(Saint-Malo)を訪ねます。

 

 サン=マロについては、昨年、私掠船の町として紹介しましたが(以前のブログは→こちら)、今回は要塞の町が中心です。

 

Paris_StMalo.jpg

より大きな地図で 要塞都市サン=マロ を表示

 島のような要塞都市。要塞の中に入れば安全な気もしますが、津波がきたら?とついつい考えてしまいます。やっぱり危ないでしょうね。

 しかし、幸い、この辺りで津波の起きる確率は低そうです。

 サン=マロは、ブルターニュ地方で一番の観光地。毎年200万人ほどがやってきます。

 路地を歩けば、ストリートミュージシャンの歌が聞こえて来たり、世界中の香辛料の入ったお菓子の香りが漂ってきたりと、バカンス気分が盛り上がります。

 そして、要塞の周りにはビーチもあります。

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年8月10日放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 

 番組の冒頭には、去年の番組と同じ私掠船の実物大レプリカが登場しました。船長さんも同じ方です。

 

 砂浜で日光浴を楽しんでいらっしゃった奥様方、りっぱな体格でしたねえ。そのまま土俵に上がれそうな......。

 

 それはさておき、サン=マロの要塞は全長2キロほど。壁の上をぐるりと歩くことが出来るそうです。

 

 サン=マロに伝わる昔話に詳しいフレドさん。サン=マロ生まれで90歳になる義理の母親から、漁師や農民に語り継がれて来た昔話を教えてもらったそうです。

 

 要塞は加工のしやすい砂岩で出来ているそうです。そして、昔、新大陸までタラ漁に出かけていた漁師は、石をちょっと濡らしてナイフを研いでいたそうです。

 

 フレドさんが案内してくれた木造のベランダのある家は、アンヌ・ドゥ・ブルターニュが暮らしていた家です。町の建物は第二次大戦で80%が壊れてしまいましたが、それに耐えて残っている家の一つがここです。

 

 また、町から北へ400メートル沖には、軍事要塞Fort Nationalがあります。英国からの攻撃に備えて、17世紀に活躍した建築家ヴォーバンが造ったもの。

 

 最後に、階段が7段ある建物の前にやってきました。ここはかつての留置所。サン=マロでは「留置所に入る」とは言わないで「階段を7段上がる」と言ったそうです。「留置所に入る」ではちょっと聞こえが悪かったのかもしれません。

 

 有数の観光地のせいか、要塞都市の中にはレストランやホテルがあちこちにあります。その中の一つがHôtel Restaurant de la Porte Saint Pierre。75年前から代々同じ家族が経営してきました。

 

 海の幸を使った料理、特にアワビ料理が名物。フライパンで作っていたのはアワビのバター焼き。

 

 オーナーのアナイクさん、最近のダイエットブームにも関わらず、バターの量に手心を加えたことはないそうです。そして、お客さんも気にせず食べにやってくるそうです。お客さんの中には30年間も通い続けている人もいるほど。

 

 アナイクさんのように生まれも育ちもサン=マロという人もいれば、別のところから移り住んだ人もいます。

 

 ミレイユさんはマイエンヌ県(Mayenne)生まれ。15年ほど前、大潮の日にやってきてサン=マロの魅力にとりつかれてしまいました。それ以来、ここの住人になりました。毎日変わる海岸の風景を楽しんでいるそうです。

 

 ミレイユさんの視線の先には、サン=マロ生まれの作家・政治家シャトーブリアンのお墓のあるグラン・ベ島(Grand Bé)が静かに夕日に照らされていました。

 

 上記地図には目印をつけてあります。時間と興味のある方は、ストリートビューで要塞都市の中をお楽しみください。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、友人と車でバカンスに出発した。友人は交差点オタクで、交差点に来ると必ず写真を撮った。目的地まではまだ500キロもあるというのに、高速も走れない」

 

VDM (Vie de merde)より



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wattana

carotte さん、サン=マロは、ブルターニュでの宿泊地の一つで何度も行ったことがある街なので、親しみがあります。もっとも印象に残っているのは、要塞都市の中の街のことではなく、サン=マロ港に停船していた Brittany Ferries のフェリーのことです。このフェリーに乗ればイギリスへ行ける、イギリスは近いと実感しました。
ところで、ガレットのことを先日調べていたら、Galettes de St Malo というブルターニュ産品認定品 Produit en Bretagne があることを知りました。
http://www.galettesdestmalo.fr/index.php
by wattana (2011-08-17 08:31) 

soraaane

グーグルマップで、しばし観光へ行った気分に浸れました(*^^)v
by soraaane (2011-08-17 09:27) 

orange

アワビのバター焼きに@@!
豪快ですね。美味しそうです。
なにやらお盆(?)に乗せて運ばれていた魚介類も豪快でしたね。
漁師風なのでしょうか。それにしても夕日が綺麗でした。
by orange (2011-08-17 09:32) 

carotte

wattanaさん
英仏海峡側に来ると、地元の人の顔つきがあきらかに違ってきますね。不思議です。やっぱり血が混じっているんでしょうか。ただ、ブルターニュからのフェリーだと思いのほか時間がかかるみたいです。ノルマンディー側の方がやはり近いようです。
Galettes de St Maloは、クレープのガレットですね。そのまま買って帰って家で食事として食べられるということですね。
by carotte (2011-08-17 10:16) 

carotte

soraaaneさん
楽しんでいただけて良かったです。
ここはストリートビューがわりに充実してるんですよ。ただ、壁の上を歩くところをもっと増やして欲しいですね。
by carotte (2011-08-17 10:18) 

carotte

orangeさん
アワビのバター焼き、日本だったらバターにしょう油ですが、こちらはなにやら香草が入っていました。お盆の魚介類は茹でた(もしくは蒸した)だけのシンプルな料理。どちらも美味しそうでした。
by carotte (2011-08-17 10:28) 

の

お久しぶりデスデスゥ~(^^)/
by (2011-08-17 10:38) 

carotte

の さん
ほんとに、おひさしぶりで〜す。また楽しいお話聞かせてもらえるんですよね。楽しみにしてます。^^/*
by carotte (2011-08-17 19:37) 

opas10

>砂浜で日光浴を楽しんでいらっしゃった奥様方、りっぱな体格でしたねえ。
>そのまま土俵に上がれそうな......。

文章を読んでから映像を見たのですが・・・PCの前で盛大に噴いてしまいました(笑)。
by opas10 (2011-08-28 12:47) 

carotte

opas10さん
左側に座っていた方が、土俵下の控えの席で出番を待ってる関取みたい見えました ^^;
by carotte (2011-08-28 17:50) 

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