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船上の一騎打ち [ラングドック=ルシヨン地方]

 フランス南部、地中海沿岸の町セット(Sète)。今年8月18日から23日まで、船上の一騎打ち“サン=ルイ・グランプリ(Grand Prix de la Saint-Louis)”が開催されました。

 

Paris_Sete.jpg

 
 舞台はカナル・ロワイヤル(Canal Royal)とよばれる運河。長いポールと盾を持った二人の選手が、それぞれの船に乗ったまま接近し、ポールのひと突きで相手方を水の中に落とします。

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年8月23日放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 

 この大会、今年でなんと269回目。

 

 毎年開催されるようになったのは1743年からですが、記念すべき最初の競技は、1666年7月29日、町の開港を祝って行われたそうです。

 

 2隻の船は赤と青に色分けされ(これが日本だったら赤白になるところですね)、こぎ手がそれぞれ8~10人、スキッパーが2人乗り込みます。また、それぞれの船には二人まで楽師つまりミュージシャンを乗せることができます。

 

 船の後尾に取り付けられた細長いデッキには台座があり、そこにポールと盾を持った選手が立ち、試合に臨みます。ユニフォームは全身白で、履物も白でなくてはなりません。

 

 競技はトーナメント形式。勝負は一回限り。これを順に勝ち上がった人が優勝です。

 

 ポールでひと突きと言っても、相手方の身体や船ではなく、盾めがけて突かなくなりません。

 

 この競技、多少の違いこそあれフランスの各地で行われているそうです。このラングドック地方ではクラブチームがリーグ戦を行っているとか。

 

 今回は地元の人にとってはオリンピックと同じくらい大きな大会で、観光客や近隣の村や町から集まった観客の数は10,000人ほど。

 

 子供の頃からこの大会で優勝することを夢見て来たという選手は、各市町村を代表して出場します。よって、選手ごとに強力なサポーターがいます。観客がヒートアップするのも無理ありませんね。

 

 下記が決勝戦の模様です。

 

 

 優勝者はオレリアン・エヴァンジェリスティさん。過去に5回も優勝を決めている強者です。

 

 はみ出したお腹のお肉がちょっと気になりました。[目]

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、浜辺で息子が砂のお城を作っていた。突然、大波が押し寄せてお城ごと海に持って行かれてしまった。息子が、海で泳いでいる私に言った。『パパ、大きなお腹を動かしちゃダメだよ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 4

orange

これは楽しいですね。
水路の中に入って見物している人は臨場感がより
あるでしょうけど…水でふやけてしまいそうですね(笑)
押し勝った方が勢いで落下しないのが不思議です。
かなり足腰を鍛えているのでしょうね。
by orange (2011-08-26 08:44) 

carotte

orangeさん
二人ともおちてしまうこともありそうですが、映像には出てこなかったですね。最初のぶつかり合いで決まる確率が高いのかもしれません。二度三度と突いてはいけないので、盾にひと突きしたまま押す感じなんですよね。訓練でそれなりの技を取得しているのかもしれません。
by carotte (2011-08-26 10:48) 

opas10

これは面白い、海上の格闘技ですね。しかも足腰の強さだけでなく、相手の力をうまく逃がす気転とバランスが必要な、高度な競技ですよ!!回りが盛り上がるのも納得です。

>はみ出したお腹のお肉が
決勝戦の映像はたしかにちょっと・・・ですね(笑)。
by opas10 (2011-08-28 14:02) 

carotte

opas10さん
単純な格闘技だけに、技には奥の深いものがあるのかもしれません。しかも子供の頃から訓練するらしいので相当です。
映像を何回か見ていると、妙な所に注目してしまうんですよねえ。ズボン、ずれ落ちそうにも見えました ^^;
by carotte (2011-08-28 22:03) 

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