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カンタル県の温泉の出る村 [オーヴェルニュ地方]

 フランス中南部カンタル県のショード=ゼグ村(Chaudes=Aigues)は、人口1,000人ほどの、山に囲まれた小さな村。これといって人目を引くようなものはありませんが、熱い温泉がこの村のお宝です。村の名前のショードは「熱い」という意味。

 

Paris_Chaudesaigues.jpg

より大きな地図で カンタル県の温泉の出る村 を表示

  温泉の湧き出ている場所は30カ所ほどありますが、中でもパルの湯(source du Par)が最も有名です。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2010年6月23日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 

 

 勢いよく流れ出るお湯。どれくらい熱いのか知りたくなるのが人情。でも、油断するとやけどしかねません。地下5キロから湧き出るお湯の温度は82度。

 

 15世紀に書かれた文書から、当時、病に苦しんでいた人たちがこの村に湯治に訪れていたことが確認されています。

 

 効能は、主にリューマチや変形性膝関節症。

 

 村にある肉屋さんは六代にわたって同じ家族が経営してきた老舗です。できるだけ良い肉をお客さんに提供するというのがモットー。分厚いお肉はTボーンでしょうか?

 

 保養に欠かせないのはお湯だけではありません。おいしい料理もその一つ。

 

 登場したのはレストランSerge Vieira。開店からほどなくしてミシュランの星一つを獲得しました。なにしろこのシェフ、2005年の料理の世界選手権でボキューズ・ドールを獲得した方のようです。

 

 ここは村の高台にある中世のお城クフール城(Château de Couffour)を改築して作られたレストラン付きホテルです。

 

 最初に城が造られたのは14世紀頃。革命時から19世紀までの間は手入れもされず放棄され傷みが激しく、2008年になってやっと修復が行われ今に至っています。そして、城の塔は文化財に指定されているそうです。

 

 このレストランにあの美味しそうな牛肉を提供していた牧場も登場しました。

 

 村の各通りには、800年も前から守護聖人の像が掲げられています。こうしておけば安心して暮らせるということでしょうか?

 

 そして、古い共同洗濯場も残っています。もちろん温泉のお湯を使います。

 

 なんだかもったいない気がしますね。日本だったら、共同浴場になるところです。

 

 しかし、温泉を使うようになったのは1929年とわりに最近のことだそうです。源泉からここまでに2つの貯水槽を通り、ここへ到着するころには62度ほどになっているとか。主に毛糸を洗濯したそうです。

 

 唐突に登場した赤い鉄骨の高架橋ガラビ橋は、1884年、あのエッフェルの会社が造ったもの。村の近くを流れるトゥルイエール川を40キロほど北上したところにかかっています。列車が走っているところを見ると今も現役のようです。

 

 この村の温泉は湯治のためだけではなく、住居の床暖房にも利用されています。

 

 あるお宅の床のタイルをはがしてみると、下を温泉が流れていました。このおかげで、年間2,000ユーロ(約24万円)ほどの節約になっているそうです。

 

 最後に登場したカフェ。壁の絵は200年も前のもの。あまりの保存状態の良さに驚きです。そして、カウンターで用意されていたミドリ色の飲み物は、あのアブサンでした。(アブサンに興味のあるかたは過去記事をどうぞ→こちら

 

 今回も上記地図に番組に登場した場所に印をつけました。時間と興味のある方はストリートビューでお楽しみください。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、高級イタリア料理店で食事をした。お皿の中のパスタの数を数えることができたのは、今日がはじめてだった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

wattana

carotte さん、こんにちは。
Chaudes=Aigues は、ショード=ゼグと発音するんですね。ショード=ゼグ村は、一度行ってみたいですね。出てきた牛は、シャローレーでも、リム―ザンではなさそうなので、オーブラックという牛かもしれませんね。
http://www.boeuf-fermier-aubrac.com/fr/race-aubrac.php
http://www.race-aubrac.com/index.php
Serge & Marie のレストランもよさそうです。
突然でてきた鉄骨、エッフェル塔かと思ってしまいました。
by wattana (2011-08-30 17:59) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
司会者もナレーターもそのように発音してました。
牛はナレーションでオーブラックと言っています。サイトを拝見しましたが、同じ種ですね。生の草か干し草だけを食べさせて育てるそうです。
ホテル&レストランはストリートビューで確認すると、ほんとに人里離れた丘の上に立っている感じですが、車ならすぐの距離ですね。あの鉄橋は、エッフェル塔を造る時の参考になった橋らしいです。地図で場所を探し出すのに苦労しました。村からあんなに離れているとは思いもしませんでした。
by carotte (2011-08-30 20:33) 

orange

温泉のある村ですね。
日本の温泉地のような雰囲気とはちょっと違って、ひなびた湯治場のような
ところでしょうか?
82℃の源泉とは熱いですね。そう言えばペリエのあの炭酸も天然の、地下のマグマから生ずる炭酸ガスとのことですから、こんなに温度の高い温泉があっても不思議ではありませんね。
お肉。美味しそうです。厚さにビックリ!
by orange (2011-08-31 08:41) 

carotte

orangeさん
小さな村の湯治場のようですが、近代的な設備がきちんと用意されているみたいです。日本の温泉はお風呂に入るのと同じですが、ここの場合は身体のケアのためにという感じが強いですね。娯楽施設としてはカジノもあるみたいです。温泉だらけの日本ほどではありませんが、わりにあちこちに熱い温泉の出るところがあるようです。

by carotte (2011-08-31 18:45) 

opas10

温泉を使った共同洗濯場!?なんだか贅沢ですが勿体ないですね~。温泉成分にもよるのでしょうけど、含有成分によっては却って洗濯に向かないお湯もあるでしょうから、ここのお湯独自の利用方法なのでしょうね。
by opas10 (2011-09-04 13:35) 

carotte

opas10さん
温泉を洗濯に使うなんて日本じゃ考えられないですよね。
向こうの温泉はおそらく硫黄臭さがないんでしょう。それで洗濯に使うのに抵抗がないのかもしれません。
by carotte (2011-09-04 18:21) 

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