アルザス・ワイン街道 その4 [フランスのワイン]
シリーズの四回目は、逆にまた北上し、二回目に登場したハイリンゲンシュタインの目と鼻の先にあるミッテルベルガイム(Mittelbergheim)を訪ねます。(下記地図の黄印)
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村は「フランスの最も美しい村」の一つです。
聞いたことのある名前だなと思っていたら、昨年末、この村を大寒波が襲ったというニュースを紹介したのでした。(以前の記事は→こちら)いったいどんな村なんでしょう?
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月1日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
村は、山に囲まれた石灰岩の丘の頂きにあります。
人口は670人ほど。そのうちの半分以上がワイン農家。村のあちこちにその看板が出ています。
ここのワインはアルザスワインの最上級(グラン・クリュ)に入り、Zontzenbergの名で知られています。
その歴史は古く、1372年にはすでに有数のワインとして書物に取り上げられていたそうです。15世紀になり、ワインの交易が盛んになった頃、ワインの値段が記録簿に残されるようになり、それは今でも続いているそうです。
その記録簿を見せてくれたのが、パトリックさんです。
最初はワインの値段だけが記録されていたそうですが、そのうち、その年の天候やブドウの収穫状況について、またワインの評価なども書かれるようになったそうです。
ワイン農家Domaine Wittmannのニコラさんが自身のワイン蔵に案内してくれました。村でも最も美しい蔵の一つだそうです。
大きな樽の栓が開けられ、頭にライトをつけたスリムな男性アントニーさんが樽の中にするするっと入って行きました。今年の仕込みのために中をキレイにするのだそうです。
樽の中は初めて見ましたが、デコボコですね。
白ワイン用に使っていた樽を、その後、赤ワイン用に使っていたそうですが、その跡がしっかり残っていました。
水で洗い流しますが、ごしごしこすったりはしません。水の勢いではがれ落ちてくるものだけを取り除きます。
ニコラさんは樽の外でお手伝い。中に入るのはちょっと無理ですねえ。
また、ニコラさんはツーリストの見学でガイドも務めます。
村にはアルザス地方独特の木骨構造の建物もあちこちにありますが、むしろルネッサンス期の石造りの家がここの特徴です。地下室を作る時に切り出した石で建てたそうです。
また傾斜のあるイギリス風の屋根のついた建物もあります。
古くからあるワイン農家の中に、“自動ボトル運搬機”という近代的設備のある蔵を持つ農家Domaine Boeckelがあります。おじいさんの代から取り付けてあるそうです。
昔は、全部で2,500本ものボトル入りワインを人の手で運ばなくてはならなかったそうですから、当時この設備は革新的だったそうです。
ボトルが運ばれていく様は、スキー場のリフトのようにも見えますね。
村の中心街を出て、ワイン畑ならぬブドウ畑を歩けば、遠く丘の上に、崩れかけた中世のお城アンドロー城の姿を見ることができます。
ストリートビューは下記地図を拡大してお楽しみください。
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******** フランス人のつぶやき *******
「今日、駐車場の利用客が自動支払機にお札が挟まったと言って来た。機械を開けたら原因が分かった。客はコインを入れるところにお札を四つ折りにして入れたのだった」
VDM (Vie de merde)より
自動ボトル運搬機は、万国共通のメカ好き男子の心をくすぐるような設備ですね。かくいう自分も結構惹かれました(笑)。
by opas10 (2011-09-11 15:29)
opas10さん
これは楽しいと思いますよ。ここのおじいさんはそのタイプの男子だったのかもしれません。設置の工事中はどんな感じだったのかなあなんて想像してしまいます。
by carotte (2011-09-11 18:04)