シャンパーニュ地方の旅 その3 〜ランスの山〜 [シャンパーニュ地方]
シリーズの三回目は、畑の広がる平野のど真ん中に横たわる山「ランスの山(Montagne de Reims)」。
前回登場したマルヌ川沿いの村エペルネーとランスの間にあります(下記地図の薄緑色の地域)。
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山と言ってもなだらかな曲線を描いて少し高くなっている森といった風情。一番高いところで標高286メートル。なだらかな斜面にはブドウ畑もあります。
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月28日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
坂道をのぼって森の中へと入って行けば、小さな古い教会がひょっこり姿を現します。
振り向けば、遠くにランスの街を見渡すこともできます。大聖堂の鐘楼が霧の中にかすんで見えていました。
この森の端から端まで知り尽くしたオリヴィエさんによると、この地域は、農作物の畑、ブドウ畑、森の3つがバランスよく共存しているのだとか。
「一般農家、ワイン農家、林業のそれぞれが、自身の持ち場についてよく理解し、責任を持って仕事をしているから、うまく共存しているのです。調和と共存がこの地域を豊かにしている秘訣です」とおっしゃっていました。
丘から見下ろすと、安野光雅さんの絵に出てくるような風景がありました。
ワイン農家のジェロームさんは、数年前に広大な農場を買い取り(上記地図の赤印)、ニワトリ、馬、羊、ウサギなど、様々な動物を放し飼いにしています。
飼うと言っても食べるためではありません。こうやって広い野原で動物を飼うのが子供の頃からの夢だったそうです。動物が自由に生きている世界.........仏版ムツゴロウさん???
農場の名前はLa Ferme de Vertuelle。サイトを見ると、入場料が5ユーロ。13歳未満なら無料。一般のありとあらゆる家畜が飼われているようです。
そしてこの日、この農場から気球を飛ばし空の散歩を楽しむことに。
空から見ると、ブドウ畑と一般の畑がみごとに分かれているのが見て取れます。
また、マルヌ川沿いやランスの山の回りに小さな集落が点在しているのも分かります。
上記地図を写真モードにすると、ランスの山の回りの斜面にブドウ畑が、その回りに一般の畑がモザイク状に広がっているのがよく分かります。
さらにヴェルジー村(Verzy)に向かって北へ進むと、Faux de Verzyと呼ばれる森があり(上記地図の緑印)、ここには曲がりくねったブナの木が群生しています。
魔法お使いのおばあさんでも出てきそうで、ちょっと怖い森ですね。稲光と豪雨の嵐なら、さらに恐怖が増しそう。
シャンパーニュ地方と言えば、華やかなパーティなどで出されるあのシャンパンしか思いつかなかったのですが、こんなに豊かな自然があったんですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、6歳になる娘を連れて森へ散歩にでかけた。小さなバケツを娘には渡して、きれいなものを集めてくるように言った。娘は15分ほどして戻って来た。バケツの中にはカタツムリとナメクジが………。絶対、家に連れて帰ると言う」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、シャンパーニュ地方をフランス地図で見ると、アルザスよりも北に位置しているのですね。ということは、葡萄が受ける太陽の光はかなり弱い地方だと推察されますが、それが発泡ワインという製法につながったのでしょうね。
by wattana (2011-10-03 08:17)
wattanaさん
葡萄の栽培についてはこのあとの映像で登場するので、詳しくはこれから下調べしようと思っていますが、冬は思ったほど低温にはならないようなことが書かれてある資料もあります。そして、あの斜面に畑を作ることで太陽の陽射しを受けやすいような.......。
by carotte (2011-10-03 09:35)
数年前にシャンパーニュ地方に行き、エぺルネーでお昼を食べて、モエシャンドンのカーブを見学したことがありますが、一面のブドウ畑が丘にひろがっていて印象的でしたが、また同じ光景に出合えました。ほんと素敵な田舎町でした。川にはいかなかったのですが、船に乗ってブドウ畑を見上げるのもまたよさそうですね。
by yuzuhane (2011-10-03 17:34)
yuzuhaneさん
わあ、モエシャンドンのカーヴに行かれたんですねえ。当然、試飲もされたんでしょうね。
私はランスまで行ったのですが、この辺りにはまだ行ったことがありません。モザイクのような畑がキレイですし、牧歌的な村がまた素敵ですよねえ。こんなにキレイなところだとは思っていませんでした。ぜひ次回はこのあたりまで足をのばしてみたいと思っています。
by carotte (2011-10-03 20:59)
小話、面白いですね。
ナメクジと蝸牛を集めてくるなんて、なんて可愛いんでしょう!
by アヨアン・イゴカー (2011-10-03 23:42)
アヨアン・イゴカーさん
「美」とは、やはり人それぞれですね。
私としては、カタツムリは仕方がないとしても、ナメクジはちょっとご勘弁願いたいところです。
by carotte (2011-10-04 14:43)