シャンパーニュ地方の旅 その4 〜セーヌ川の上流〜 [シャンパーニュ地方]
シリーズの4回目は、ブルゴーニュ地方に近いオーブ県南部を訪ねます。
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ここはパリを流れるセーヌ川の上流に位置します。川沿いには小さな村、その回りには農地、葡萄畑、森があります。
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月29日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
葡萄畑の中の、大きな格納庫から出て来たのは小さなプロペラ機。ワイン農家のジャン=ミッシェルさんの趣味は、このプロペラ機に乗り、上空を散歩すること。
今日は、フォレドリオン自然公園の中にある大きな湖のあたりまで飛んでいました(上記地図の青印)。
セーヌ川の流れるこの地域、平らな土地には一般の農地が、斜面には葡萄畑が広がっています。日当りのいい斜面では葡萄がよく熟すそうです。
映像に登場した葡萄はピノ・ノワール種。ブルゴーニュ地方の赤ワインの一つがこのピノ・ノワールで作られますが、ここではロゼのシャンパンになるそうです。
クルトロン村(上記地図の赤印)でシャンパンを作っているジャン=ピエールさんが葡萄畑を案内してくれました。
石を積み上げて出来た小屋はカドール(Cadole)と言います。主にブルゴーニュ地方で数多く見かけられますが、かつて葡萄栽培者が休憩を取るために作ったもの。
ジャン=ピエールさんが案内してくれたカドールは、中でも大型で、公有地に建てられており、農民が共同で使っていたそうです。
天井には穴があいていますが、暖炉の煙を出すために開けられているそうです。
このカドールの歴史は古く、中世の頃から雨風をしのぐため農民の手で作られるようになりました。
地面に落ちている石の中から合いそうなものを選び、雨が内側に入らないように少し斜めに積み重ねて行くそうです。
入り口は低い位置にあり、向かい風を避けるために東につけられています。
19世紀末には害虫フィロキセラの被害にあい、放置された畑は森に変わってしまいましたが、カドールはジャン=ピエールさんのような有志の手で保存され残っています。
このクルトロン村から北東へ8キロほど行ったところには、以前にも登場した、ルノアール一家が暮らしていたことで知られる小さな村エソワ(上記地図の緑印)があります。(以前の記事は→こちら)
エソワはルノワールの妻アリーヌの生まれ故郷。妻を介してこの村を知ったルノワールは、1887年から約30年間、毎年夏をここですごしたそうです。
ルノワールを引き付けたのは美しい村の風景だけでなく、村の暮らしぶりでもあったようです。
画家のアトリエは現在見学者に開放されています。(外階段の付いた白い建物)
また、ルノワールが描いた村の風景を実際に散策しながら確認することもできます。
今年は、村の美術館ではルノワール家を特集した展覧会も開かれているそうです。
セーヌ川の中に立てられたシャンパンは、ポリゾ村(Polisot)のものでした。(上記地図の紫印)
ストリートビューで見られますが、残念ながらシャンパンは立っていません。ということは、最近、あそこに立てられたんですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、シャンパンのせいでひどく頭痛がした。飲み過ぎたわけじゃない。ボトルを開けた時、あのフタが頭に当たったからなのだ」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、こんにちは。
プロペラの小型機を見て、オーストラリアで牧場を空から見るためにプロペラ機に乗ったことを思い出しました。シャンパンのロゼは、ピノ・ノワールを使っているのですね。初めて知りました。
by wattana (2011-10-04 19:06)
wattanaさん、おはようございます。
オーストラリアの牧場は広大でしょうね。
シャンパーニュ地方の黒ブドウの品種にはピノ・ノワールとピノ・ムニエ(Pino Meunier)というのがあるのですが、ピノ・ムニエもロゼを作る時に使うのかどうかがはっきりしません。少なくともここではピノ・ノワールを使うと言っています。
by carotte (2011-10-05 09:34)
石積みのカドール、あんなに平べったい石を積み上げるんですね!落ちている石だけをくみあわせてあそこまで作るのは驚きです!
by opas10 (2011-10-09 12:54)
opas10さん
このあたりには平べったい石がたくさんあったようです。これだけで雨風をしのいでいたそうですから、モノは使い用ですね。
by carotte (2011-10-09 17:41)