ブルゴーニュ地方の小さな村 その3 〜ムルソー〜 [フランスのワイン]
シリーズの三回目は、ポマールから南へ5キロほど行ったところにあるムルソー(Meursault)を訪ねます。(下記地図の緑印)
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村の人口は1,600人ほど。ここはシャルドネ種のブドウから作られる白ワインが有名です。とは言うものの、ワインだけの村ではなさそうです。
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2009年9月30日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
古めかしい車が小さな村の中を走り回っています。その数約50台。
中でも一番有名なのが、消防車。1966年公開の映画「La Grande Vadrouille」(邦題「大進撃」)に出演した消防車だとか。
第二次大戦下のフランスを描いたコメディ映画で、ムルソーの役場にドイツの司令部が置かれたという設定でロケが行われたそうです。
そして、実際にムルソーの消防士たちも映画に出演しました。番組に登場したおじさま方がその面々。
「主演の俳優さんたちとお昼を一緒に食べて、冗談を言い合ったり、あの時は楽しかったねえ。」
皆さん、誇らしげに当時の話をしていましたが、胴回りの方は当時とだいぶ違っているような......。
この映画、未だにフランス人に人気の映画だそうです。
次に登場した古めかしい車は、ワイン樽工場Tonnellerie Damy et Filsのトラック。
1946年に開業した家族経営の工場です。当主のジャックさんは、1976年に開かれたフランス職人コンクールで金メダルを受賞。樽職人マイスターの称号を与えられたそうです。
ワインの味と香りの決め手になる樽だけあって、木材は発注者の要望に沿って選ばれます。
そしてもう一つ重要なのが、できあがった樽の内側を火であぶる作業。強めに焼くか、あまり焼かないか、これも発注者の要望通りに行われます。
「ほとんどのクライアントがあまりきつく焦がさないようにと言ってきます。ワインに少しだけバニラやカラメルの風味が生まれるくらいがいいらしいんです」
さて、今度はブドウ畑へと移動。
ミッシェルさんは友人たちと一緒に、隔月に一回、村の周辺を再発見するハイキングの会を開催しています。
今日は、ブドウ畑の中にぽつんと取り残された家の見学です。
今では空き家ですが、かつてお金持ちが週末を過ごすために立てた家でした。ここからは眼下に村が一望できます。
「1950〜55年頃、まだ車の交通量が少なかった時代は週末にここで過ごしているのを見かけたけど、今はぜんぜん見かけなくなったね」とミッシェルさん。
ハイキングが終わったら、当然ながらワイン農家のカーヴで試飲。ムルソーの白ワイン……。コルク栓の抜ける音もすばらしかったですね。
ここは音楽好きで愉快な方々が集まった村のようです。観光客も仲間に入れてもらって楽しくすごせそうですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、南仏でスパイ映画のロケが行われる日だった。私はパリから撮影用の小道具を運ぶため列車に乗った。車掌が検札にやってきたが、切符をスーツケースの内ポケットにしまい込んでいたことに気がついた。そして、スーツケースにはスパイ用の武器が目一杯詰め込んであった」
VDM (Vie de merde)より
ワインにとって樽は大切ですよね。どんな木材を使うかとか、中の火入れの程度によって味が変わってくるんでしょうね。樽職人のマイスター・・・ワインの国では重要人物ですね。…ワインと音楽があって素敵な光景です。
by yuzuhane (2011-11-05 22:42)
陽光を沢山浴びた白ワイン。美味しそうですね。
冒頭で通り過ぎていった大きな樽が印象的です。
by orange (2011-11-05 22:45)
carotte さん、おはようございます。
ムルソー、好きなワインの一つです。ポマールからムルソーまで約5kmということは、ボーヌからムルソーまで10kmほどですね。ボーヌからヴォルネ、ムルソーとぶどう畑を見ながら、歩いて行けますね。
by wattana (2011-11-06 07:29)
yuzuhaneさん
ワインの味を左右するので、やはり樽は重要ですね。そして、火入れの具合も長年の経験がものを言いそうです。マイスターの称号があるのもうなずけますね。
by carotte (2011-11-06 10:01)
orangeさん
白ワインがあまりに美味しそうでイヤになります (涙)
荷台に大きな樽をのせた黄色いトラックが、画面を横切りましたね。この村、年配の男性方が観光客誘致にがんばっているような気がします。
by carotte (2011-11-06 10:08)
wattanaさん、おはようございます。
ボーヌからムルソーまで歩きました。途中、ヴォルネだったと思いますが、村のカフェで一休みしました。ムルソーでは、いくらかお金を払って3〜4種類ほどのワインを試飲した覚えがあります。
by carotte (2011-11-06 10:16)
ワイン樽の工場、焼き込みを入れるのは完全に人のカンなんですね~。日本人だったら絶対に機械化しそう(笑)
by opas10 (2011-11-06 13:21)
opas10さん
フランス人の中に、一律じゃないところに質を求める傾向があるような気がするんですよ。だから、樽も一つ一つ焼いて行くのだと思うのです。
by carotte (2011-11-06 17:08)