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ドンブ地方の小さな旅 その3 〜修道院〜 [ローヌ=アルプ地方]

 シリーズの最後は、小さな村ル・プランテ(Le Plantay)にある、美しいレンガ造りの修道院ノートルダム=デ=ドンブ( l'abbaye de Notre-Dame-des-Dombeses)を訪ねます。(下記地図の緑印)

 Paris_Dombes.jpg

より大きな地図で ドンブ地方の小さな旅 を表示

 

 村の人口は500人ほど。修道院は、1863年、湿地帯という困難な地域で暮らしている人々を支援するために作られました。

 

 周辺は湿地帯で、森も石切り場もなかったため、建物はレンガ造りになりました。レンガはベルギーの職人によって作られたそうです。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月11日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 開設当時、44人のトラピスト会派の僧侶が南仏の修道院から派遣され、ずっとこの会派によって運営されてきましたが、2001年、別の会派Communauté du Chemin Neufに引き継がれました。
 
 シトー会の流れを組むトラピスト会派の修道院の生活は、祈りと労働が基本。この伝統は運営の主体が変わっても同じように続けられています。
 
 ここでは、チーズを始め様々な食べ物が作られています。
 
 そのうちの一つがミュスキュリンヌ(Musculine)。
 
 一見したところ、くだもののゼリーのように見えますが、実は原料は牛肉。
 
 牛肉に、マルメロとオレンジのジャム、砂糖、ハチミツを混ぜ、40日かけて乾燥させたものだそうです。
 
 ちゃんとした専門家が考案した食品で、1867年からこの修道院だけで作られ続けてきました。同年の万博に出品され、ナポレオン三世も食べたとか。
 
 現在は国から補助食品として正式に認められているそうです。
 
 お値段は、250gで8.95ユーロ(約950円ほど)。いったいどんなお味なんでしょう?
 
 チーズやミュスキュリンヌの元となる牛も修道院の自前です。
 
 修道院の農場で働いているピエールさんは、もともとは統計学が専門で、首都圏からこちらに引っ越してきました。文字通り180度の転換です。
 
 外で働くことが多くなり、一から農業について学ばなくてはなりません。
 
 また、ここにはリンゴ園もあります。秋の収穫の時期になると、近隣の人たちに解放されます。
 
 収穫したリンゴはその分のお金を払えば家に持って帰れるようです。
 
 リヨンからやってくる人もいて、都会では味わえない自然を楽しんで帰るそうです。
 
 晩秋のドンブ地方の夕暮れがとてもきれいでした。
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、婚約者の両親の家に招かれたものの、上手く会話に加わることが出来なかった。きまずい沈黙の瞬間、平静を装って、そばにあったリンゴをかじったら、なんと蝋細工」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

yuzuhane

川越しの景色が素晴らしいところですね。・・・ミュスキュリンヌ、初めて聞きました。ちょっとキャラメルかぜりーみたいな感じでしたが、牛肉が材料でジャムや蜜をを混ぜたものって・・・どんな味なのかすごい興味があります。ここだけで作られてきたということはフランスのどこででも手に入るものではないんでしようか。ラファイエットやボンマルシェには売ってないんでしょうね。

by yuzuhane (2011-11-18 00:12) 

carotte

yuzuhaneさん
ミュスキュリンヌは普通のお店には置いてないみたいです。通販で買えるようですが(上記の青字のMusculineをクリックするとサイトが出てきます)、こればっかりは試食してみないことには.......。肉にジャムに砂糖は、想像を超えた味?牛肉は日本でも甘辛に煮ることはありますが、ジャムとなるとどうなんでしょうねえ〜。
by carotte (2011-11-18 09:52) 

wattana

carotte さん、musculine、初めて見ました。乾燥牛肉の一種のようですね。(保存性を高めるために)牛肉を乾燥させる場合、脱水力のある塩を用いることが多いのですが、砂糖も保存性を高める効果がありますね (ジャムなどに使います)。ジャム、砂糖、はちみつを使っているので、カロリーは高そうですね。保存食であると同時に、カロリー補給食にもなる利便食なのでしょうか。
by wattana (2011-11-20 10:06) 

carotte

wattanaさん
私もこの食べ物は初耳でした。
結局、甘い食べ物なんでしょうかね?musculineという名称から、ほうれん草を食べたポパイがものすごく強くなる場面と同じようなイメージを思い浮かべてしまいます。戦場の兵士や囚人などに食べさせたこともあるらしいですよ。
by carotte (2011-11-20 10:47) 

opas10

ミュスキュリンヌ、どうみてもお菓子を作っているようにしかみえなかったです。七面鳥にジャムというのは聞いたことがありますが、牛肉にジャムと砂糖とは・・。やはり牛肉はスキヤキがよろしいようで(笑)。
by opas10 (2011-11-20 15:23) 

carotte

opas10さん
考えているうちに、牛肉にはこれと言った味は付けないで、ジャムやら砂糖やらで甘くしてお菓子として作っているような気がしてきました。しかし、こればっかりは食べてみないことには分かりません。依然として謎です。
by carotte (2011-11-20 22:02) 

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