売りに出された異例の物件 その1 〜修道院〜 [ミディ=ピレネー地方]
今日から、フランスで売りに出されている不動産シリーズを始めます。
もちろん普通の家やマンションではありません。お城や修道院など、日本では見かけないものばかり。
これらの物件を5回シリーズで、下記地図の青→赤→緑→黄→紫の順に訪ねます。
第一回目の今日は、ロット県のグルドンにある物件を見に出かけます。(下記地図の青印)
より大きな地図で 売りに出された異例の物件 を表示
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月14日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
グルドンの人口は4,000人ほど。町は丘の上にあります。
そして、国の文化財に指定されているノートル=ダム・デ・コルドゥリエ教会。空に向かってそびえ立つ一本の鐘楼が印象的です。
売りに出されている物件はこれではなく、この教会に付属する修道院です。
修道院ははるか昔にその役割を終え、ホテルに改築されていました。そして、二年前から買手を探しています。
この建物の歴史は古く、13世紀にさかのぼります。コルドゥリエ(cordelier)と呼ばれたフランシスコ会の僧侶が、1251〜1287年の間にここに修道院を立てたのが始まりです。
そして18世紀末、革命により修道院としての役割を終えます。
1960年代の半ばまでは神学校として使われていました。ここで寄宿しながら100人ほどの青少年が学んでいたそうです。
クリスチャンさんもここで学んだ生徒の一人です。かつての校舎を懐かしそうに見ていました。建物の上階が寮になっていたそうです。
その後ここは休暇センターになり、3ヘクタールほどの公園の中には2つのプールも作られました。建物の面積は4,000平方メートル以上もありますが、6年前から使われないままになっています。
「維持費はかかるものの一銭の収入もありません。使い道は他にないかと考えましたが、みつかりませんでした。となるとやはり売却するしかありません」と担当者。
取材班が訪れたこの日、物件を見に来た人がいたようです。
今のところ価格は2百万ユーロ(約2.2億円ほど)。日本の不動産の価格を考えたら、思ったほど高くはないような......。
しかし、この建物にふさわしい使い方を見つけ出すのはそう簡単なことではなさそうです。
神の御心に従い、辛抱強く理想的な買手が現れることを待つということでしょうか?
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、新しく住むことになるマンションの部屋の状態を確かめに行った。50歳くらいの不動産屋がシャワー室を見せながら言った。『ご覧の通り、ここには2、3人は入れますよ』???」
VDM (Vie de merde)より
歴史ある修道院が売りに出されているんですね。規模も大きそうだし、買い取ってもおっしゃるようにふさわしい使い道を考えるのが難しそうですね。なんか使われなくなって荒んでしまった感じのかつての教室や、プールがさびしそうに見えました。でも考えてみると、13世紀の建物はやはり貴重だと思うので何とかいい買い手に巡り合ってほしいとも感じました。
by yuzuhane (2011-11-21 22:58)
yuzuhaneさん
革命でお国に没収されて以来、いろんな目にあってきた修道院のようです。使われなくなったプールはわびしいですね。バカンス王国みたいなフランスですから、今でも使われていても可笑しくないような気がしますが、人が来なくなってしまったんでしょうね。
by carotte (2011-11-22 08:38)
建物は使われないと傷んでしまいますから、早く買い手が見つかって、貴重な建物が再活用されることを祈ります。でも、ホテルという業種に使われた内装は、ホテル以外の用途には使えなかったりするんですよね・・・。
by opas10 (2011-11-27 11:19)
opas10さん
いかにも使われなくなって荒れ始めてる感じがしますね。
宿泊施設を別の用途に作り替えるとなるとそれなりの費用がかかりそうなので、やはりそれを生かした使い方になってしまうような気がします。
by carotte (2011-11-27 21:28)