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売りに出された異例の物件 その5 〜国の不動産〜 [ロレーヌ地方]

 シリーズの最後は、国が所有する不動産。

 

 財政難から不動産を手放す教会や自治体が年々増加傾向にありますが、国も例外ではありません。

 

 今日は、フランス北東部のメッスで売却された又はこれから売却予定の、国の所有する物件を訪ねます。(下記地図の紫印)

 

 地方都市メッスの人口は12万人ほど。古い建物の再利用法は都市の需要に合わせたものになっています。

 Paris_vente.jpg

より大きな地図で 売りに出された異例の物件 を表示
 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月18日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 まず登場したのが、トレーヴ大通り沿いに建てられた元兵舎。
 
 この地域がドイツ領だった1878〜1880年に建てられました。
 
 第二次大戦までは兵舎として、その後は倉庫として使われていたこともありましたが、そのまま放置。しかし、4年ほど前から開発が始まりました。
 
 国は16万ユーロ(約1700万円)で業者に売却。業者はすでに10万ユーロほどを投資し、住居や業務用として再利用するために改築を始め、順に入居者を募集しています。
 
 アーチ型の天井をした兵舎は、壁も厚く広々としており、改築には適しているそうで、なかなか雰囲気のあるインテリアに変身していました。これに魅かれて入居を決める人もいるようです。
 
 そして、すでに、医者、工芸家、パン屋などが入居しています。
 
 「あまりにも大々的に工事をしているのでちょっと気が引けましたが、中を見せてもらって決めました」と女医さん。

 「ちょっと立ち寄って中を見せてもらい気に入りパン屋を始めました。しかも、昔このあたりには駐屯隊向けのパン屋があったんですよ」とパン屋さん。
 
 しかし、何事もすんなりとことが運ぶというわけではありません。
 
 国が売却する不動産は割安で手に入りますが、文化財に指定されている建物が数多くあります。
 
 たとえば、1880年に建てられたメッスの財務局の建物。1000平米、三階建て。
 
 1年ちょっと前に売却され、オフィスビルに作り替えられることになっていましたが、歴史的建造物の保護を担当する政府の役人から計画を差し止められました。
 
 そうなると計画を一から見直しです。

 国は毎年約10点ほどの物件を売却しています。オーブ県の小さなコミューンにあった裁判所は18万ユーロで個人に売却されたばかり。
 
 またモーゼル県のある裁判所は40〜50万ユーロで売りに出されているそうです。
 
 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 
 今日は、最後におまけの映像を。
 
 今週水曜日の夜、パリのシャンゼリゼ通りのクリスマスイルミネーションが点灯されました。いよいよ本格的にクリスマスシーズンに入ります。
 
 今年は、節電のため例年のイルミネーションとはちょっと趣が違っているようです。
 
Audrey Tautou illumine les Champs Elysées 投稿者 mairiedeparis

 

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「私は元気が取り得の不動産屋。今日、物件を見にお客さんを連れて2ブロックほどを歩いてふと振り返ると、客がいません。早く歩きすぎました。こうしていつも客を逃してしまうのです」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 8

wattana

carotte さん、おはようございます。
フランスでは不動産購入においてチャイナ・マネーの動きはあるのでしょうか?先週会った4年ぶりに来日したフランス人の知人(食品、特に豚肉の扱いが多い輸出会社の社長)の興味は今、日本市場よりも購買力があり、品質・規格が日本よりも厳しくない中国市場です。中国がメイン、日本は次という時代になってしまいました。
by wattana (2011-11-27 09:16) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
今回の物件に関しては中国人の話は出て来なかったですね。かつてバブリーな日本人がお城を買っていたような事実がありますから、中国人が動いていても可笑しくない気はしますね。
どの国も中国に市場を求めてるんですね。日本がその対象からはずれるのは悪いことではないような気がしますがどうでしょう?
by carotte (2011-11-27 10:19) 

opas10

シャンゼリゼ通りのクリスマスイルミ、流石ですね。節電といいながら、しみったれたところは微塵もなく、ヒネリが効いて却っていい感じです。ライトアップは、ギンギラに飾り立てればよいわけでない、というよいお手本です。
by opas10 (2011-11-27 12:02) 

wattana

carotte さん、こんにちは。
日本の食料自給率が低い (カロリーベースで2010年は39%)という現状からすると、これからも海外から食品を輸入し続けなければなりません。食品の国際市場において日本のポジションは今、とても悪いと思います。というのは、たとえば、日本人はエビを買う時、サイズ・品質で仕分けさせますが、他の国はサイズ分け無しで買います。豚バラの場合、日本は皮無し・軟骨除去などの規格のバラを要求しますが、隣国の韓国は皮付き・軟骨付きでOKです。その結果、規格・品質が厳しい日本向けの価格は他国向けよりも高くなります。それにもかかわらず、日本人は常に安くしろと要求します。食品が高くても輸入できているうちはいいですが、買えなくなるという状況が今後おきないとは言い切れないので心配です。
by wattana (2011-11-27 17:38) 

yuzuhane

パリは寒そうですね。シャンゼリゼのイルミネーション節電バージョンでもやはり素敵ですね。
by yuzuhane (2011-11-27 20:14) 

carotte

opas10さん
やはりさすがって思いますよね。古い建物の並ぶ街並にあの照明ですからねえ。全然違うパターンでばしっと決めてきます。
by carotte (2011-11-27 21:52) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
そういう事情があるんですね。食料の自給率を上げれば問題ないんでしょうけど、それもなかなか難しいですね。日本は大きな災害に見舞われてしまいましたし、不況とダブルパンチで、海外の国からするととてもものを買ってもらえるような国じゃないということになりそうですね。それに比べて中国はってことなんでしょうね。
by carotte (2011-11-27 22:00) 

carotte

yuzuhaneさん
日本よりは寒いみたいですが、あちらも暖冬らしいですよ。冬物が普通に売ってたんじゃ売れないとかで半額セールなんてやってるようです。
シャンゼリゼのイルミネーション、なかなかいいですよね。こんな感じのは初めて見ました。
by carotte (2011-11-27 22:03) 

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