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偉人の暮らした家 後編 〜マルセル・プルースト〜 [サントル・ロワール地方]

 小説「失われた時を求めて」の作者マルセル・プルースト(1871ー1922)が、子供時代にバカンスをすごすために滞在したというイリエ=コンブレの家を訪ねます。

Paris_Illiers.jpg


 イリエ=コンブレの人口は3200人ほど。

 

 かつて村の名前はイリエだけでした。この村を、プルーストがコンブレという名前で上記の小説に登場させたため、世界的に知られることとなります。

 

 プルーストの生誕100年を迎えた1971年、イリエとコンブレを合体させ、今の名前になったそうです。

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月22日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 村は、パリのモンパルナス駅から国鉄に乗って1時間半ほどのところにあります。

 駅からドクトゥール・プルースト通りにある家までは1キロほど。

 そこは父方の叔母にあたるエリザベト・プルースト(結婚してÉlisabeth Amiot)の家でした。小説の中では大叔母レオニーの家として登場します。

 この家とセットで登場するのが、あのお菓子マドレーヌ。

 小説の中で、母親がお茶のお供に出してくれたマドレーヌを食べた瞬間、主人公である語り手が、ある日曜日の朝、コンブレの家で大叔母レオニーがお茶にひたしたマドレーヌのかけらを、まだ幼かった主人公に食べさせてくれたことを思い出します。

 それと同時に、記憶の彼方に消えていたコンブレですごした日々が、あざやかに甦ってきます。

 全7巻に渡って書かれた小説の第一巻目の始めに出てくるシーンです。

 現在の家はマルセル・プルースト記念館(Musée de Marcel Proust)になっています。

 中は、プルーストが滞在していた19世紀頃のままに再現され、見学者が当時の雰囲気を体験できるようになっています。

 この博物館からすぐのところに、マドレーヌを作って売っているお店Maison de la Proustilleがあります。

 プルーストのおかげで、マドレーヌはちょっとした村の名物になってしまいました。

 お店のご主人によると、観光客はプルーストにまつわる場所を見学した後、必ずと言っていいほどここでマドレーヌを買って行くそうです。

 フランス文学の名作と聞いて、さらにタイトルに魅かれて読み始めてはみるものの、途中で挫折。これを何度も繰り返して、結局、ほったらかし。
 
 そんな私に、このシーンについてあれこれ語る資格はありませんが、これほどまでにこのシーンが取りざたされるのは、沢山の人が共感するからなのかもしれません。

 マルセル・プルースト記念館はガイド付き見学のみ。要予約。
 
 因にお菓子のマドレーヌの発祥の地はフランス北東部の町コメルシーです。詳しくは過去記事をご覧下さい→こちら

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、子供の頃に住んでいた町を車で通った。懐かしくなって、昔良く通ったオモチャ屋を探してみると、葬儀屋に変わっていた」


VDM (Vie de merde)より



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t-toshi

この作品は非常な大作みたいですね。フランス語原作で3000頁、日本語本で13冊。短気な私には、ちょっと無理だと直感しています。
by t-toshi (2011-12-01 11:48) 

kawasemi

お久しぶりです。
ブログ再開しました。
今後ともよろしくお願いします。

nice&コメントありがとうございました。


by kawasemi (2011-12-01 13:04) 

carotte

t-toshiさん
そうなんです、壮大な作品です。しかも、これと言った大事件が起きるわけではなくだらだらと話が続きます。面白くて夢中で読んだという人もいますが、どうも私はダメなようです。><
by carotte (2011-12-01 22:20) 

carotte

kawasemiさん
ご無沙汰しておりました。
ご訪問ありがとうございます。
ブログ再開されましたね。ではまたお邪魔させていただきます。
by carotte (2011-12-01 22:22) 

opas10

お茶にひたしたマドレーヌのかけらで記憶がよみがえる、っていかにもフランス文学ですね。日本だとどうでしょう、「玄米茶にひたした温泉まんじゅうのかけらで記憶がよみがえる」・・・わけないか(笑)。
by opas10 (2011-12-04 16:32) 

carotte

opas10さん
温泉まんじゅうをお茶に浸したらあんこまで溶け出してきそうな.......。日本だったらどうだろうって私も考えたんですよ。お茶のお供となると、まんじゅう、ようかん、もなか、果ては、タクワン。どれもいまひとつ。
by carotte (2011-12-04 19:23) 

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