暖炉をめぐる旅 その2 〜ユニークな暖房〜 [アルザス地方]
シリーズの二回目は、アルザス地方の南端にあるスンゴー地方(Sundgau)を訪ねます。
ここにはちょっとユニークな暖房器具があります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
あるお宅を訪ねると、部屋全体が穏やかな暖かさに包まれていました。
部屋の角にどんと置かれている白い円柱形のものが、その暖かさの源。
暖炉というより大型ストーブ。陶器で出来ています。
15世紀頃にヨーロッパに出現した暖房器具だそうです。
ブリジットさんは、犬の散歩から帰って、この部屋に入ると暖かくてとてもいい気分になれるとおっしゃっていました。
この大型ストーブなら、暖炉のように頻繁に薪を補充してやる必要はなく、毎日、朝と夕方の2回だけ火をつければ大丈夫だそうです。
このお宅にやってくるお客さんは、食事の後もなかなか帰らず、夜中まで居座り続けるとか。
そして、動物たちもサロンに大集合だそうです。
この陶器のストーブの製造を続けている工房があります。
ここでは、古いストーブの修復も手がけているそうです。
「納屋に放り込んだまま使われなかったストーブをまた使えるようにしてあげると、皆さんに喜ばれます。親の代やその前の代から使われて来たものですから、思い入れがあるんでしょう」と職人のクリスチャンさん。
ストーブの回りを覆っているのが美しいタイル。
タイルはドミニクさんの手で作られます。
まず粘土を型に入れ8〜10日間かけて乾燥させ、色付けをして、窯で焼きます。
焼くと赤い色が緑に変わります。
そして、このタイルを発注先の家に取り付ければストーブのできあがり。
焚き口は別の部屋にあって、美しいタイルの貼られた部分は食堂にあります。
そして、そこから暖かさが部屋に広がるしかけになっています。
ここの家のはベンチになっていて、直接すわって暖まることができるようです。
タイルの中には家紋がつけられているのもあるそうです。
家具と同じで、実用一点張りではなく、装飾的な役割も担っているのですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、病院の待合室にはタイルが3,462枚あることが分かった」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、おはようございます。
南アルザスのスンドー地方は、フンランシュ=コンテ地方と接しているんですね。スイスと接するこの辺りのイメージは、ソーセージなどの豚肉加工品(豚肉を長期保存するために燻し技術が発達した?)です。というのは、岐阜県高山市清見町に 「キュルノンチュエ」という豚肉加工品を製造販売しているお店があり、このお店の創業者 (現在はハム会社にお店を売却)からジュラ・モルトウ (Mortau )で3年間修業したと聞いたことがあるからです。
http://www.westsho.jp/kiyomi/curnontue.html
by wattana (2012-01-21 06:15)
wattanaさん、おはようございます。
サイト拝見しました。種類が豊富ですね。
豚肉加工品を見ると、私はついついアルザス地方の料理シュークルートを思い浮かべてしまいます。すっぱいキャベツの上に各種ハム、ソーセージがのっていておいしいんですよね。
by carotte (2012-01-21 09:03)
タイルのストーブ、これは暖かそうですね!それにしてもなぜこんないいものがあまり広がらなかったのか、ちょっと不思議な感じです。手作りだからお値段は相当なものになるでしょうけど・・・。
by opas10 (2012-01-21 15:39)
opas10さん
このタイルのストーブ、欲しくなりますねえ。でも、かなりの重量でしょうね。検索をかけると販売サイトが出てきますが、ちょっと現代的になっていてイメージが違うんですよ。年季の入った中古品の方がいい感じです。
by carotte (2012-01-21 20:51)