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冬のエトルタ [ノルマンディー地方]

 夏のリゾート地として知られるエトルタ。

 

 7,500人を数える夏の人口も、冬には1,500人と5分の1に減ってしまいます。

 

 しかし、英仏海峡に向かってそびえ立つ断崖と、自然の作り出した偶然の風景をじっくりと楽しむには悪い季節ではなさそうです。

 

 今日は、その風景をお楽しみください。

 

Paris_Etretat.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月18日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 アモンの断崖の上に立てば、エトルタの美しい海岸線と、そのむこうにアヴァルの断崖とアーチ型の岩、そして海から突き出たような岩“エトルタの針”が見えます。

 

 エトルタと言えばこの風景。

 

 そして、クールベ、モネ、ブーダン、コロー、マチスなどたくさんの画家たちが描いた風景でもあります。

 

 Claude Monet The Cliffs at Etretat

 モネ作

 映像とは逆の方角から見たアーチ型の岩とエトルタの針 

 

 アモンの断崖の上に建っているのはノートル=ダム・ドゥ・ラ・ガルド礼拝堂。

 

 1850年中頃、船乗りたち運んで来た材料で作られたのが最初ですが、第二次大戦中に破壊され、1950年に再建されました。

 

 この海岸も、近くのル・アーヴルと同じで、一日のうちに天気がめまぐるしく変わり、それによって光りも様々に変化するそうです。

 

 特に1月は特別だそうです。陰鬱に曇っていたかと思うと少し明るくなったり、そうかと思うと青い空が広がり、石灰質の白い断崖がさらに白く見えたり……。

 

 作家や画家が訪れた町として知られているエトルタももとは漁師町でした。

 

 リゾート地として発展し始めたのが19世紀。20世紀末には猟師はこの村から姿を消してしまったそうです。

 

 ナルシスさんは釣りが趣味。冬の間は自分のボートのお手入れです。こうしておけば、夏には楽しく釣りができます。

 

 海と緑と白い断崖が、たくさんの人を引き寄せるのでしょうか?

 

 生まれてからずっとエトルタで暮らしているジャン=クロードさん。1950年代のなつかしい白黒写真を見せてくれました。

 

 そして、本当にエトルタが好きだったら冬に来るべきとおっしゃっていました。


 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、英仏海峡のトンネル経由で、生徒たちを連れてロンドンから戻って来た。生徒たちはトンネルに入ると魚が見えるかもしれないと目を凝らしていた。来年には大学に通う年だというのに……」

 

VDM (Vie de merde)より



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yuzuhane

冬であること、北の海という目で見るせいもあるかもしれませんが、南仏と比べると荒涼とした雰囲気の海ですね。ただ海岸の石ころはニースと同じでした。エトルタの針…はほんと絵にしたくなる風景です。またお話のように光が変わる時期は画家にってはとても魅力的な場所だったことでしょうね。トレジョリーです。
by yuzuhane (2012-01-26 09:04) 

carotte

yuzuhaneさん
南仏とはまた違いますね。荒々しい感じがします。
画家にとって岩肌を絵に描くという作業が面白いのかもしれないなと思ったりしています。特に、ここは造形がユニークなので、どことなくドラマを感じさせる海岸ですね。
by carotte (2012-01-26 20:56) 

cycloo

carotteさん、こんにちは!
「エトルタの針」の中は、空洞になっている、とご存知でしたか?中は、何階にも分かれていて、各階に、フランス王家歴代の財宝がつまっています。別名、奇岩城と言って、追い詰められたルパンは、満潮を利用して、潜水艇で「針」から脱出・・・というのが、アルセーヌ・ルパンの「奇岩城」です。
手前味噌になりますが、cote d'Albatre 紀行は、私のカテゴリ「セーヌ紀行2004年」の「セーヌ紀行その後、ルアーブルからジエップまで」に載っていますので、一度ご覧頂ければ幸いです。
真面目な話に戻って、私も、ニースなどコート・ダジュールも、喧騒がないぶん、冬のほうが好きでした。
cycloo
by cycloo (2012-01-27 10:16) 

carotte

cyclooさん、こんばんは。
「エトルタの針」は中に入れると聞いたことがあります。
「奇岩城」もだいぶ昔、小学生か中学生の頃に読みました。あそこに財宝が隠されていると想像するだけでも楽しくなりますね。ここには一度だけ行ったことがあります。もう6年くらい前になりますが、9月に入ったばかりで、まだ夏の余韻が残っていました。
今、セーヌ紀行を少しだけ拝見させていただきましたが、あのノルマンディ大橋を自転車で渡られたんですね!私は車で通りましたが、あの迫力にだいぶ興奮しました。自転車となるとまた格別ですねえ。あれはカーブしてますから、最初は上り、後半は下りですね。
こちらは只今、パッサウからウイーンまでの自転車の旅を実現すべく、誰かを道ずれにしようと画策しているのですが、一番身近にいる人に「野宿はイヤだ!」と言われてしまいました。野宿じゃないですよね〜、キャンプ場ですから。
by carotte (2012-01-27 21:18) 

cycloo

carotteさん、お返事ありがとうございました。
キャンピングは野宿ではありません、とお友達にお伝えください。
私は、宏大な庭園のついたプチ・ホテルだと思って満足しています。ドイツ、オーストリアのキャンプ場を経験するのも、ヨーロッパ人の長期バカンスの過ごし方はこうなってるんだー!と嬉しい大きな驚きとなりますよ。勿論、安さを求めるひともいますが、だいたいは、本当にアウトドア・ライフを愛する人たちなのです。そのオープンな心持に接するのは格別です。何千万とするキャンピング・カーで旅している人もいます。私の4万円のテントの素晴らしさは、それ以上ですが!しかし、これこそ、人生の価値観の相違なので、仕方がありません。
是非、次のサイクリング・ロード・マップを買ってください。見ているだけで、走った気になる楽しい地図です。amazon.co.jpで購入できます。青い表紙の本です。
Donau-Radweg Passau-Wien 1,374円
残念ながら、ドイツ語しかありません。おっと、これは、英語版もありました。
Danube Bike Trail Passau to Vienna 1,843円
残念ながら、フランス語版はありません。
行かれる前に、連絡してください。是非立ち寄ってもらいたいところがあるので、その住所を連絡します。
私は、今年は切符がとれずチューリッヒ→黒海」を断念しました。かわりに、「ヨーロッパ中央部一周5,100キロ、100日間のんびり旅」をします。
長くなりました。済みません。
by cycloo (2012-01-28 09:17) 

carotte

cyclooさん、いろいろ情報ありがとうございます。
さっそくサイクリング・ロード・マップの英語版を注文しました。これでまた実現へと小さな一歩が進みました。旅行は計画段階も楽しいですね。こうやってあれこれ調べているうちに一緒に行く気になってくれることを期待しています。キャンプ場はテントというお城についている広大な庭園!
ヨーロッパ中央部一周5,100キロは想像しただけでも気が遠くなりそうです ^^; 100日ということは一日50キロほど進むという勘定になりますね。大変そうだなと思いつつ、もともと旅というのはそういうものだったのかもと思ったりしています。出発はもう少し暖かくなってからですね。
by carotte (2012-01-28 22:40) 

cycloo

carotteさん、おはようございます。
私も、旅行の計画段階のほうが、その実行よりも楽しいんじゃないか?と思っているくらいです。
キャンプ場は、その土地の絶好の場所を占めていると考えて結構です。そして、そばを悠久に流れるドナウ河・・・(長雨の時は怖い!)。この辺りはバロックの世界です。別名バロック・サイクリング・ロードです。
自転車+キャンピングは、イニシャル・コストがかかります。発注した地図に、レンタサイクルの宣伝がたくさん載っていますので、調べてみるのも手です。バッグも、ついている筈です。キャンピング用品のみ揃えれば済むとなれば手軽なのですが・・・いずれにしろ、アウトドアが好きならば、一回やったら、やみつきになるでしょうから、全部揃えても、元手はとれるはずです。ただ、愚妻のように、レンタカーでいいホテルに泊まっている方が好きという人は別です。
私は、5月15日発、8月27日帰国です。アムステルダム→ハンブルク→ドレスデン→プラハ→ウイーン→パッサウ(carotteさんのブログで紹介されています!)→レーゲンスブルク→ドナウ源流→ライン源流→バーゼル→ストラスブール→マインツ→ケルン→ロッテルダム→アムステルダムのルートです。100%サイクリング・ロードを走れるというのが驚きです。carotteさんが、今年実現すれば、ドナウ河畔のどこかですれ違うかも?

by cycloo (2012-01-29 10:34) 

opas10

切り立った断崖が海岸線から屹立する風景は画になりますね。しかも冬の穏やかな海もなかなかに味わいがあります。最後の方にチラリと写った、ハーフティンバーらしき古い建物につていた、手の込んだ木工の飾り柱がとても印象的でした。
そしてフランス人のつぶやき、それはまさにフランス版平沢唯ですね(笑)。
by opas10 (2012-01-29 14:27) 

carotte

cyclooさん、こんばんは。
旅は、いろいろ調べてわくわくしながら計画を立て、そして実行して、終わって、ああ終わっちゃったとなって、また行こう!!ということになるんですよね。^^
自転車は今のところレンタルでと思っています。いろいろ調べる必要がありそうですね。キャンプ用品らしきものはいくつか手元にあります。昔、少しだけ山歩きが面白くなって、煮炊きの道具を揃えたのが残っています。
ご出発は5月なんですね。ヨーロッパにぐるっと円を描く壮大なルート!ぜんぶ自転車道となると安心ですね。私も今年中に実現できるといいのですが......。とにかくいろいろ調べてみます。また、そちらのブログにもお邪魔させていただきます。
by carotte (2012-01-29 21:39) 

carotte

opas10さん
ハーフティンバーの家はたぶん19世紀初頭の別荘ブームで建てられたものじゃないかと思います。ドーヴィルにも同じようなのがたくさん建ってました。番組ではほんの少し出て来ただけで、詳しく説明がなかったのがちょっと残念です。
つぶやき、そう来ると思ってましたよ ^^ これは唯ちゃんの世界ですね〜。
by carotte (2012-01-29 21:48) 

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