冬の郷土料理 その4 〜アリゴ〜 [フランスの郷土料理]
シリーズの四回目は、オブラック地方の食べ物アリゴ(aligot)。
スイスやフランスに、ジャガイモにとろりととろけたチーズをのせて食べるラクレットという料理がありますが、アリゴは、ジャガイモとチーズが渾然一体になった食べ物です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月26日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
鍋をかき回して持ち上げると長〜く伸びているのが、オブラック名物のアリゴです。
「ジェール県にはカスレ、アルザス地方にはシュークルート、マルセイユにはブイヤベースがあるように、アリゴはオブラック地方に昔から伝えられて来た料理です」とオブラック地方の主のような方がおっしゃっていました。
材料のチーズは牛乳から作られます。
牛はスイスからフランスに伝わったと言われるシメンタール種。
干し草がチーズの味、ひいてはアリゴの味の決め手となります。
フランソワさんは、おじいさんの代から続いているチーズの生産者。
山に放牧行くときはお弁当にアリゴを持って行くそうです。
凝固した牛乳を濾して、プレスし、型にいれます。
一つの塊は30〜50キロにもなるそうです。このまま数ヶ月かけて岩の中のカーヴで熟成させます。
これが“トム(Tomme)”と呼ばれるチーズ。
アリゴに使うチーズは、これのフレッシュタイプです。
その他の材料は、ジャガイモ、生クリーム、塩。
ジャガイモを茹でたらつぶしてピュレ状にします。
これを鍋に入れ火にかけ、生クリーム、チーズ、塩を加え、すべてが一体になるまでかき混ぜます。
かなりの力仕事。しかも時間もかかりそうです。従って、アリゴを作るのは、屈強なオブラックの男の仕事。
アリゴは、焼いたお肉と一緒に食べるのが一般的。
日本のお餅のようになめらかで、弾力があり、良く伸びるのが美味しいアリゴとされています。
一度食べたことがありますが、ジャガイモが混じっているせいかあっさりといただけました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、社食で同僚たちとお昼を食べた。いたずら好きの同僚に言われるままに付け合わせのマッシュポテトの匂いを嗅いだその瞬間、顔中がジャガイモだらけに……」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、こんにちは。
シンメンタール種は日本では見かけることがない牛種ですが、社団法人全国肉用牛振興基金協会のホームページを参照すると、明治時代に褐毛和牛を作るのに使われた牛種だそうです。乳肉兼用種だそうです。
http://www.nbafa.or.jp/mame/sosen_shin.html
私は、20数年前にアメリカで見たことがあります。アリゴは食べたことがありません。
by wattana (2012-01-31 17:47)
wattanaさん、こんばんは。
シメンタールはこの後のシリーズにも登場します。どうもいろんな用途で飼育されているようです。
アリゴは、パリのレストランで一度だけ食べたことがあります。弾力があって良く伸びますが、お餅のようにべたべたしたところはなく、食べ易いです。
by carotte (2012-01-31 19:40)
イメージとしては、溶けたチーズ入りマッシュポテトという感じでしょうか。作り方を見ていると、たしかにこれは男性の料理ですね!ステーキの付け合わせにはものすっごく合うでしょうね。
by opas10 (2012-02-05 17:26)
opas10さん
そうです。マッシュポテトととろけたチーズが一体になった感じです。そして、フォークであっさり切り取れるので食べ易いのです。ステーキと一緒に食べたくなって来ちゃいますね。
by carotte (2012-02-06 01:04)