ジャン・コクトーの新しい美術館 [コート・ダジュール地方]
先週末、2月17日からレモン祭りが始まった地中海の町マントン。
ここに、ジャン・コクトーの作品を展示する新しい美術館がオープンしました。
マントンには、かつての要塞を修復して作られたコクトーの美術館がすでに存在しますが(興味のある方は過去記事を→こちら)、今回は、数年前にマントン市に寄付された作品を展示するために新しく作られた美術館Musée Jean Cocteau Collection Severin Wundermanです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月18日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
マントンからニース方向へ25キロほど行ったサン=ジャン=カップ=フェラ(Saint-Jean=Cap-Ferrat)にあるAlex Weisweillerの別荘“Santo Sospir”。
すべての部屋の壁にコクトーの絵が描かれています。
作家自身の言葉を借りれば、すべての部屋にタトゥーが施されたのでした。
コクトーは初めてここで色を使ったそうです。
Alec Weisweillerは、映画「恐るべき子供たち」で主演を務めた女優ニコル・ステファヌの従兄に当たります。
そして、その妻フランシーヌはコクトーの友人であり支援者でもありました。
コクトーは、1950年から11年ほどに渡り、この別荘で休暇をすごしています。
壁に描かれたイラストの一つをモチーフにした建物がマントンにできた新しい美術館です。
ここに1500点以上にも及ぶコクトーの作品が展示されています。
寄付したのはロサンジェルスに住むベルギー人の収集家Severin Wunderman。
時価にして750万ユーロほどにもなるそうです。
コレクションは1910〜1960年にかけて制作された作品で構成されています。
漫画のようなイラストから友人であるピカソの肖像画、さらにアヘン中毒の治療中に描かれた作品もあります。
MUSÉE JEAN COCTEAU COLLECTION SÉVERIN WUNDERMAN
2, quai Monléon - 06500 Menton
Tél. 04 89 81 52 50
開館時間:10~18時
休館日:火曜日、祝日
入場料:5ユーロ(常設)8ユーロ(特別展)
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、映画『アーティスト』を観に行った。後にいた男が、サイレント映画に飽きて来たのか、ずっと自分で台詞を吹き替えていた」
VDM (Vie de merde)より
厳冬のヨーロッパから陽光の穏やかな南仏へ。
お部屋の感じは穏やかな色彩でくつろげる感じですね。
白い壁面に伸びやかな線。圧迫感もなく素敵なお部屋です。
by orange (2012-02-21 13:07)
orangeさん
南仏は北部に比べるとやっぱり暖かい感じになりますね。こういう風土がコクトーにインスピレーションを与えたんでしょうね。
そして、ヨーロッパの厳しい寒さも緩んで来たみたいです。
by carotte (2012-02-22 07:53)
素晴らしい美術館ですね。
美術館全体がコクトーの作品、舞台のような空間。
by アヨアン・イゴカー (2012-02-23 09:28)
アヨアン・イゴカーさん
ここはコクトーファンには絶対に見逃せない美術館ですね。別荘の中も見学できるようですよ。一度行ってみたいです。
by carotte (2012-02-23 19:57)
同じ町の中に二つも美術館を作らせちゃうのですから、コクトーはスゴイですね!部屋にタトゥーとは言いえて妙ですが、黙ってそのまんまにしたAlex Weisweillerも太っ腹です。
by opas10 (2012-02-26 13:26)
opas10さん
これだけ壁に絵が書いてあると、見物する分にはいいですが、宿泊するとなるとなんとなく落ち着かない気がしますねえ。
by carotte (2012-02-26 22:30)