運河を巡る旅 その4 〜ミディ運河ステップ2〜 [ミディ運河]
シリーズの四回目は、中世の要塞都市とワイン。
前回の終点カステルノダリから40キロほど運河沿いを先に進むと、丘の上に美しい城壁が見えてきます。カルカソンヌの要塞都市です(ピンクの点)。
今日はここからスタートし、ヴァントナック=アン=ミネルヴォワ(Ventenac-en-Minervois)まで向かいます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2010年8月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
世界遺産のカルカソンヌの要塞都市は、名だたる観光地だけあって、毎年数十万人の観光客が訪れます。
水と緑のサイクリストの世界とはだいぶ違っています。
「何日も運河と緑の中を走って来ましたからね。突然、別世界に入り込んだ気分ですよ」と男性サイクリスト。
城壁の中は見学したのでしょうか?次の目的地へと出発して行きました。
10キロほど行くとトレブ(Trèbe)の村に到着します(上記地図のナイフとフォークのマーク)。
運河沿いのレストランで食事を楽しむツーリングの皆さま方。この地方のワインで乾杯でしょうか?
トレブは、オード県有数のワインの産地ミネルヴォワの玄関口。
ここから60キロ以上に渡ってワイン用のブドウ畑が続きます。
運河に水色の橋がかけられていたのはオンプス村(Homps)(上記地図のグラスのマーク)。
ミディ運河の開通でめざましい発展を遂げた村です。
「17世紀〜18世紀にかけて、運河のこちら側には樽屋、あちら側にはワインの仲買人がいました。仲買人は、ブドウ農家の作ったワインを買い取り、それぞれ異なるワインをブレンドし樽につめ、トゥルーズやベジエに向かう船に乗せ、ワインを卸していたのです」とミネルヴォワの組合長さん。
しかしそれは昔の話。現在はバカンス用のプレジャーボートが運河に並んでいます。
そして、ここまでくればサイクリストもワインの味を確かめないわけにはいきません。
適度のワインの試飲などしながらペダルを漕いでいると、ミディ運河の父リケが運河の建設中に6年間滞在した城シャトー・パラザが目に入ってきます(上記地図のグラスのマーク)。
ここにはルイ14世もやってきたとか。そして、運河へと続くテラスを作らせたそうです。
見晴らしが良く、運河の向こうにピレネーの山々も望むことができます。
現在は有数のワイン農家になっています。
そして、今日の終点ヴァントナック=アン=ミネルヴォワに到着です。
白い建物はシャトー・ヴァントナック。
「サイクリストの皆さんにここは教会か?とよく聞かれるのですが、ここはワイン農家の共同製造所です」と担当者の方。
となれば遠慮なくワインの試飲ができますね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、彼女がバカンスででかけるというので、またもや旅行カバンを貸すことになった。ニューヨーク、ラスヴェガス、サンフランシスコときて、今回はモーリス諸島へ行くらしい。僕の旅行カバンは僕よりあちこち旅してる」
VDM (Vie de merde)より
おはようございます。ご無沙汰いたしました。…ミディー運河、カルカソンヌの駅前からボートが出ていたのまでは見ましたが、念願の城のほうにばかり気が行って、また滞在時間の関係もあってゆっくり見ることができずにきました。すぐ近くまで行きながら世界遺産見逃したこと後悔しています。・・・自転車で走るかたには格好の場所でしょうか。途中でワインの休憩もできるし・・・。みなさんすごい荷物で長距離走られるので驚きました。リケという名前が遠い地パリのメトロに残っているのも知りませんでした。
by yuzuhane (2012-03-06 08:47)
運河沿いの道を走るのは心地良さそうですね。
水量の多さには驚きますね。日本ではあまり”運河”という発想はありませんから。
カルカソンヌの風景はいる見ても重厚ですね。
by orange (2012-03-06 09:35)
yuzuhaneさん、こんばんは。
私も同様です。カルカソンヌの城塞は堪能しましたが、運河にはほとんど目もくれませんでした。^^; でも、運河は運河でゆっくり楽しむのがいいような気もします。上手く運河をたどっていけば、いろいろ面白いものに出会えそうです。
私もパリの地下鉄にリケの名前があるのは初めて知りました。あの辺りはあまり頻繁に行くところでもないので、通ったことがないような気がします。
by carotte (2012-03-06 23:19)
orangeさん、こんばんは。
あちこちの川から水を引いて来ているらしいです。この辺りの土地に詳しかったリケの功績のようです。こんな運河は日本にはないですね。船を陸で引っぱっていくという輸送法は平地が多いからできることかもしれません。
by carotte (2012-03-06 23:24)
自転車でワインの試飲をして回るなんて、実にウラヤマシイ!でも酔いが回りそうな気もします(笑)
by opas10 (2012-03-10 20:24)
opas10さん
あれは完全に酔っぱらい運転......。
でも、ブドウ畑の中を自転車で走って、その上、試飲というのはたまらなく楽しそうなんですよねえ。
by carotte (2012-03-10 21:48)